風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/最愛の子、ビューティ・インサイド

2016年07月13日 | 映画

離婚した夫婦の3歳の息子が誘拐されます。子どもを作れない体の夫が妻をつなぎ止めるために子を誘拐したのです。
息子を誘拐された男は、息子を探し出します。しかし、時がたっていて息子は父親のことをすでに忘れていました。
子どもの誘拐・売買が中国で行われているか私は知りません。根拠はないのですが「中国ではあり得る」のでは、と思いました。
子どもが発見されたことでドラマは終わりませんでした。自分の子と信じる彼女は裁判費用を得るために体を売ります。
映画は、子どもを産めない体と言われていた彼女の妊娠で終わります。言いようのない悲しみ、未希望に私は襲われました。
映画に描かれた子どもの誘拐・売買・離婚・裁判などは今日の中国社会の一面を鋭く反映しているのではないか、
そして中国の現状と行く末は、彼女の現状と将来を暗喩しているのではと私には思いました。
特に一人っ子政策、子どもを産む・産まないまで国に管理される社会の有り様はどう見ても「正常」とは言えません。
更に、プロ文革での密告・監視社会は、家族・地域の絆やコミュニティを分断・破壊しました。私にはそれは息苦しく、
その後遺症は容易に癒えるとは思えません。中国社会のそうした傷や有り様がこのまま続くとはとうてい思えません。
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面白い映画でした。
主人公のウジンは、18歳の誕生日を機に眠りから目覚めると、「体」が全く別人に変わってしまう遺伝体質の持ち主でした。
彼は、アンティーク家具店で働くイスに出会います。その時、彼は、「イケメン」の姿の時でした。
ウジンは、123人の姿に変化します。それも女性であったり、ハゲのおっさんであったり、醜男であったりします。

しかし、この映画の限界でした。極端な醜男や黒人や障害者や高齢者には決して「変身」しなかったのですから…。
上野樹里が出演していました。変身した多くの男性は美形ですが、「ナヨナヨ」過ぎでミスキャスティングでした。
初め、「人は、外見ではない」と言っていたイスですが、次第に彼女はそんな生活に疲れ、二人は、別れます。
第二のそして決定的限界は、数年後、二人は再会し「ヨリを戻す」という何とも安直なありふれた結末でした。
決してシリアスドラマではないのですから、ラブロマンスにしないで、コメディに徹しきって終わりにするべきでした。
韓国映画は、時々このように、奇想天外な「面白い」映画を時々「爆発」させます。   【6月13日鑑賞】


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