今年3月初旬、福岡は大濠公園の福岡美術館へ行ってきた。湖畔には目を引くモニュメント。
名高い本多コレクションを所蔵しているが、展示されるのは限られた時期で、愛好者にとっては誠にもったいない。『東南アジアを旅する』と銘打った展示会である。
展示品は全81点で、81点中53点が土器・陶器の展示であった。先ず、タイの土器から紹介する。
先ずは、名高いバン・チェン土器から。紀元前1000年依然と云えば、当時の古代中国と云えども明確な政治体制は、確立されていなかったと捉えるのが妥当であろう。まさに行き来は自由であった。バン・チェン土器と縄文土器文様の類似性は、頻繁な往来を物語る。
彩陶渦文土器をご覧願いたい。この渦巻文は、縄文土偶のそれと同じである。この渦巻文は永遠の命とか、永遠の魂を表すと云う。バン・タマサート人もそのように考え壺類の文様に採用したかと思われる。
次回からは中世のタイ陶磁を紹介する。
<続く>