更に古墳からの出土遺物と朝鮮半島のそれと比較してみる。金銅製冠は全国各地の古墳から出土しているが、出雲でも3か所の古墳から出土した。一つは出雲市上塩冶町の築山古墳から出土しており、形状は写真の如くシンプルである。
(復元品)
馬具も半島渡来ないしは渡来の品を参考に国産されたものと考えるが、馬具類については次回紹介したい。首長は写真の如く金銅製冠をつけ馬に騎乗していたであろう。
写真は安来市鷺ノ湯病院跡の横穴墓から出土した金銅製冠立飾りや金銅製太環式耳飾りが出土している。今回のテーマではないが、太環式耳飾りは、新羅の王墓や伽耶の王墓から出土しており、何らかの関連が考えられる。
最後の1点は、出雲市国富中村古墳出土品で、これは潰された状態で出土した金銅冠である。ここからは馬具や武具も出土している。以上、今回は金銅製冠の出雲からの出土状況を紹介した。
<続く>