世界の街角

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村田製作所に死角はないのか?・#1

2019-07-05 08:59:26 | 村田製作所とTDK

兵庫県立考古博物館の記事の連載途中に、別記事を挿入し恐縮である。日経ビジネス6月3日号の村田製作所特集記事からも、1カ月以上経過しており、新鮮味に今一つ欠けている点お許し願いたい。

先ず、どうでも良いようだが表紙写真から解説を試みたいが、現役を離れて10年が経過しており、最新状況は一切分からない点と、既にリタイヤしているとは云え機密らしきことを記すのは憚られる点、歯切れが悪く恐縮である。

テントウムシは1cm未満かと思えるが、その横に立方体の部品が並んでいる。テントウムシと比較し、如何に小さいかお分かりいただけると考える。これらはMLCC(多層セラミックコンデンサーないしは積層セラミックコンデンサー)と呼ぶ電子部品である。商品カタログを見れば分かるが、最小サイズは0302ないしは0201を既に商品化しているのか? 0302とは縦×横が0.3mm×0.2mmで、埃以外の何物でもない。まさに半導体製造並みの精度が必要で、人力で製造出来る代物ではなく、高精度の生産設備以外は考えられない。

村田製作所(以降muRata表記)では、これらの高精度生産設備を全て内作していることである。更なる強みはセラミック原料から完成品出荷までを垂直統合しており、原料や生産設備のオール内作が強みの源泉である。

日経ビジネスは、muRataの強みを数字で説明している。各社の2019年3月期決算から比較してみる。

muRataは売り上げで京セラに後れをとるが、追い抜くのは時間の問題とも考えられる。設備投資額+研究開発費は群を抜いている。これは一般的には強みに見えるが、裏を返せば弱みでもある。設備投資が拡販・売り上げ増に繋がらない、開発投資しても新商品が誕生しないことも十分考えられる。muRataの場合、近年ダボハゼのように企業買収した。ソニーから電池部門を買収し、muRata独自技術の基盤にたち、新規電池開発に多額の投資をしているが、ものになるのかならないのか? 全固体電池の行方が気になる。

今回はこの程度にしておく。

 

<続く>