06/12 私の音楽仲間 (591) ~ 私の室内楽仲間たち (564)
目立たない設計図
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[譜例 1]は、Beethoven の弦楽四重奏曲『ラズモーフスキィ』
第2番から、第Ⅰ楽章の冒頭です。
[演奏例の音源]も、ここから始まります。 Violin 私、M.さん、
Viola S.さん、チェロ M.さんです。
長大な第1番ヘ長調、人気曲の第3番の間で、あまり目立た
ない曲でしょう。 しかし、極めて綿密な設計の下に書かれて
いることについては、以前の記事で触れてきました。
第1番と同じように、『ロシアの主題』が用いられています。
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下の[譜例 2]は、これを第Ⅲ楽章で Viola が奏する様子
です。 最初の音が、主音の Mi です。
この主題を基にして、他の楽章も含め、様々な主題が作られて
いることにも、これまで触れてきました。 もちろん、先ほどの第Ⅰ
楽章冒頭のテーマも同様です。
ところで先ほどの音源は、ずいぶん短いですね。 時間にして
1分足らず。
それもそのはず。 冒頭の11小節と、楽章の最後の16小節
を繋げてしまったからです。 いわば、中味が無い。
「お前の文章と同じだな。」 作曲者にもそう言われそうです。
楽章の最後では、[譜例 1]の16分音符が盛んに活躍して
いました。
上下の向きは、4、7小節目とは、ちょうど逆になっています。
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