MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

目立たない設計図

2014-06-12 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

06/12 私の音楽仲間 (591) ~ 私の室内楽仲間たち (564)



             目立たない設計図



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                 目立たない設計図
                 いい加減な奴らめ
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                   滅多にない




 [譜例 1]は、Beethoven の弦楽四重奏曲ラズモーフスキィ
から、第Ⅰ楽章の冒頭です。

 

 演奏例の音源]も、ここから始まります。 Violin 私、M.さん
Viola S.さん、チェロ M.さんです。



 

 長大な第1番ヘ長調、人気曲の第3番の間で、あまり目立た
ない曲でしょう。 しかし、極めて綿密な設計の下に書かれて
いることについては、以前の記事で触れてきました。

 第1番と同じように、『ロシアの主題』が用いられています。

         関連記事 ロシアの主題 など

 

 下の[譜例 2]は、これを第Ⅲ楽章で Viola が奏する様子
です。 最初の音が、主音の Mi です。


 

 この主題を基にして、他の楽章も含め、様々な主題が作られて
いることにも、これまで触れてきました。 もちろん、先ほどの第Ⅰ
楽章冒頭のテーマも同様です。


 ところで先ほどの音源は、ずいぶん短いですね。 時間にして
1分足らず。

 それもそのはず。 冒頭の11小節と、楽章の最後の16小節
を繋げてしまったからです。 いわば、中味が無い。

 「お前の文章と同じだな。」 作曲者にもそう言われそうです。


 楽章の最後では、[譜例 1]の16分音符が盛んに活躍して
いました。

 上下の向きは、4、7小節目とは、ちょうど逆になっています。




     [音源サイト    [音源サイト 

 


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