MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

しっかり区別するのだ

2014-10-20 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

10/20 私の音楽仲間 (626) ~ 私の室内楽仲間たち (599)



            しっかり区別するのだ



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                しっかり区別するのだ
                    沈黙は禁



 譜例は Beethoven の弦楽四重奏曲 ハ短調 作品
18-4 から、第Ⅱ楽章の一部で、Vn.Ⅰのパート譜です。

 演奏例の音源]も、譜例の最初からスタートします。


 最初の小節には、八分音符が3つあります。 スタカート
記号付いていません。 

 二段目に入ると、“スタカート” や “スラー スタカート” 
現われます。


 

  スタカートの意味は、正確には “切れた、分離した”…ですが、
俗に “短い” と誤解されます。 その間には大きな差があるの
ですが、今回は立ち入りません。

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 スタカートの有る音符、無い音符。 それに “スラー スタカート”。

この3種類を、【切れ具合】の順に並べると、次のようになります。


(1) “スタカート” (2) “記号無し” (3) “スラー スタカート” (4) “レガート

             【切れた ⇔ 繋がった】


 (2) と (3) の順序には異論があるかもしれません。

 いずれにせよ、スラー スタカート” は、レガートに近いと考える
べきでしょう。



 ちなみに、これは Henle 版による譜例です。 今回問題
になった箇所については、幸い他の版との差はありません。

 ただし Peters 版を見ると、三段目の “2つの八分音符”
にはスタカートが書かれています。 おそらく後世の誰かが
書き加えたのでしょう。

 



 次の譜例は、楽章の冒頭の様子です。

 やはり Henle 版ですが、Peters 版との差はありません。



 ここでは八分音符に、いずれもスタカートが! 音程が動く場合
も、動かない場合も。 この楽章で作曲家は、スタカートの有無・
種類などを入念に書き分けています。

 うち スラー スタカート” は、楽章の終わりにも “再現” します。

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 “Scherzoso” と指示された、この楽章。

 決して、始終 “歯切れがいい” わけではありません。

 

 ところで第Ⅰ楽章で頻出した “3つの八分音符” が、
ここでも顔を出していました。

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