MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

7月の記事の一覧 

2011-07-31 00:00:00 | インポート

07/31



       今月の記事の一覧です。




     私の室内楽仲間たち

07/02   絶対にいい曲や!




07/03   頭の体操 (80) 漢字クイズ 問題/解答




     私の室内楽仲間たち

07/06   付き合いのいいヴィオリスト




      まるチャンの「何だ、これ!?」

07/07   (90) しちバタ祭り?




     私の室内楽仲間たち

07/09   すさまじいアンサンブル魂

07/10   寄り添う "アメリカ"

07/11   夜明けのコーヒー




07/13   頭の体操 (81) 漢字クイズ 問題/解答




     私の室内楽仲間たち

07/15   ワン ポイント レッスン

07/16   ワン ポイント アドヴァイス

07/17   重宝な木管楽器?

07/18   ワン ポイント リリーフ

07/20   薫陶の連鎖

07/21   間に合わなかった雪辱戦

07/23   昇華する♭

07/24   "ブルックナー" なら Viola ?




07/26   頭の体操 (82) 漢字クイズ 問題/解答




07/31   今月の記事 ~ 一覧





頭の体操 (82) 漢字クイズ 問題/解答

2011-07-26 00:00:00 | 頭の体操 漢字クイズ

07/26    頭の体操 (82) 漢字クイズ




        『これまでのカタカナ語句には、

        カタカナ部分のみ各回ごとに載っており、

         それぞれの記事に飛ぶことも出来ます。

   「古い記事 (トップ) → 新しい記事 (奥)」 の順に並んでいます。




      『頭の体操 漢字クイズ』 カテゴリーでは、

     『問題・解答』の全文が直接ご覧になれます。 こちらは

      「新しい記事 (トップ) 古い記事 (奥)」 の順です。





 05/13 ~ 05/27 に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (22) に、登場した順に並んでいます。

 また、(A) ~ (V) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記
しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?



(1) マロン ケーキ    (2) シューシュー    (3) アンデスメロン

(4) クロード=エンマ  (5) ジフテリア  (6) マネ  (7) イベール

(8) 水の精オンディーヌ  (9) ライプツィヒの戦い  (10) グレゴール

(11) パーヴェルⅠ世 (12) スウェーデン (13) メトロポリタン歌劇場

(14) 観劇チケット     (15) ミラーワーク     (16) 先進ドリル

(17) ピラミッド    (18) ぺルロン    (19) シンセティック コア

(20) ニッケル       (21) クロム       (22) タングステン

(A) 末楽園   (B) 観泡食   (C) 昼網戸   (D) 屁流論

(E) 似悔得  (F) 苦労無  (G) 嘆愚主転  (H) 川親鳥流

(I) 歯減一斉      (J) 愚例悟居      (K) 奢食胃減

(L) 餌鮒照焼     (M) 玄人宴魔     (N) 指癒私愉

(O) 丸恩恵狗    (P) 安出数目論    (Q) 汗激血決闘

    (R) 親背手育児飽    (S) 笑努嗚呼留負寝

   (T) 美好之声音出犬   (U) 名湯露掘啖呵激情

           (V) 雷不墜陽乗足他界




[解 き 方]


  ・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
   ものです。

  ・ 音読み訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点()、
   半濁点()、送り仮名を補ってください。

  ・  従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
   あります。

  ・  音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
   こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
    今回はありません。

  ・ 口語的俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
   (例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
    今回はありません。

  ・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
   (例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
    今回はありません。

  ・ 人名漢字の中には、“”、”” ともに含まれている場合もあります。 
   姓に加えて "first name" をご自分で補ってください。
   (例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
    今回はケ所あります。

  ・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
    今回はケ所あります。

  ・  厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
   お見逃しくださいませ。



   解答
    ↓





以下、「05/13 頭の体操 (77) 漢字クイズ/解答」より




(1) マロン ケーキ  (O) 丸恩恵狗

 栗は、ヴィタミンA、B、Cのほか、ミネラルを多く含んでいるそう
です。 鉄分、カルシウム、カリウムなど。

 カロリーが少なそうに見える栗ですが、油断は禁物。 主成分は
でんぷん質ですから。 それに、周囲には糖分や脂質が一杯!

 でも、やっぱりおいしそう…。 誘惑に勝てない方は、ご自分で
"成分調整ケーキ" など、作ってみては?

 ケーキのレシピ (写真入り)




(2) シューシュー  (N) 指癒私愉



 指はどなたにとっても大事ですが、私たちも同じ。 指先を
怪我すると、弦楽器の演奏は、まず無理です。

 あれだけなついてくれた "まるチャン" にも、よく咬まれまし
た。 今にして思えば、相互の理解不足だったようですが。



 さて、上記の "レシピ サイト" には、シフォンケーキの作り方
も載っています。 抹茶、法蓮草、人参、マロン、カボチャ…。

 キャベツは見当たりませんが、どうしてもキャベツがいい方は
→ こちらをどうぞ。




(3) アンデスメロン  (P) 安出数目論

 メロンにしては、それほど高くなく、もちろん輸入品でもあり
ません。 メロン シフォンケーキも、ちゃんとありますよ?

 あっ、そんなこと言ってると、まるチャンに "デカメロン" を
おねだりされそうですね。 → デカメートル




(4) クロード=エンマ  (M) 玄人宴魔

 宴会という宴会には、必ず出席する人のこと。 また司会進行
が上手で、余興の豊富な才人を指すこともあります。

 こちらの方にも声をかけてみましたが、今は特に忙しい時期
で、出席はとても無理とか。

 なぜだか解りますか? 未曽有の大災害がきっかけで、あち
こち回って "舌を抜く" のに、大忙しだそうです。 中には、一人
で二枚も持っている者がいるからだって。 特に、偉いヒトに。

 「嘘をつくと、閻魔様に舌を抜かれるよ!」…と子供をたしなめ
るのは、どうも日本だけの習慣のようですが。




(5) ジフテリア  (L) 餌鮒照焼

 予防接種が定期的に行なわれる国は別として、感染例が
今だに多いそうです。 我が国でも、戦後間もない頃は非常
に恐れられていました。 「ジフテリアだと危ないね…」と両親
が慌てていたのを、よく覚えています。 私が幼児期に発熱
したときのことです。

 上記のサイトには、「現在の日本ではジフテリア患者を診察
した経験のある医師が殆どおらず、適切な診断を早期に行う
ことが困難な状況が生じつつある。」…との記載があります。

 根絶に近い状態になればなったで、また難しい問題がある
んですね…。




(6) マネ  (S) 笑努嗚呼留負寝

 フランスの画家、エドゥアール・マネ。 伝統の採否、題材の
選択などに見られる独創性は、決して "マネ" の産物ではあり
ません。

 私などは、印象派の先駆者、クロード・モネと、いつも間違え
そうになります。

 上記のサイトには、「1866年のサロンにモネの出品した海景画
が、自作と間違えられたのを切っ掛けに、マネが交際するように
なった。」…の記述があります。 ほうら、マネしたのは、むしろ
モネの方かもしれないね…。

 …だからこちらは、"苦労人・模練" って書くんだよ?




(7) イベール  (K) 奢食胃減

 フランスの作曲家、ジャック・イベール (1890~1962) で、よく
知られた作品には、交響組曲『寄港地』(1922)フルート協奏
(1933)
があります。

 作風を "軽妙、洒脱" と評する向きもありますが、音楽の作り
や和声の点で、「今一つすっきりしない」というのが、勝手ながら
私の印象です。 「演奏面で直接触れたのが、上記の二曲だけ」
…なので、まだまだ研究不足ですが。




(8) 水の精オンディーヌ  (T) 美好之声音出犬

 水の精は、広く各国に神話や伝説として登場します。 人間の
男性に恋心を抱き、不幸な結末に至る、若く美しき女性。 それ
が私たちの持つ、一般的なイメージです。

 ところが、「女性とは限らない」どころか、「声の美しいワンちゃん
だった!」…という新説まで登場しました!

 ただし、"音大犬" ではありませんよ…?

 著名な音楽作品には、チ(ャ)ィコーフスキィの歌劇『オンディーヌ』
(1869年)、ドヴォルジャークの歌劇『ルサルカ (1900年) のほか、
ラヴェル (1908年)、ドビュッシー (1913年) のピアノ曲があります。




以下、「05/25 『61歳の試練』」より




(9) ライプツィヒの戦い  (V) 雷不墜陽乗足他界

 1812年のロシア遠征の失敗に続き、フランス軍が大敗北を喫し
た、1813年の戦闘。 これによって、ナポレオン率いるフランスの
大陸支配は、決定的な崩壊を迎えました。

 なお有名な逸話に、Beethoven の『英雄』交響曲の作曲の経緯
に関するものがあります。

 この解説サイトにも記されていますが、「"ボナパルト" という題名
とナポレオンへの献呈辞をペンでかき消した…」のは事実ですが、
「表紙を破り捨てた」…というのは "誤り"、または "誇張" である
ことが、今日では判明しています。 Beethoven は、少なくとも
心情的には終始ナポレオン寄りの人間で、「それを隠すために
憎しみを装った」…なる説さえあります。 

 そうであれば、書き直された「ある英雄の思い出のために」…
の "英雄" とは、やはりナポレオンを指すことになります。

 他のパトロンなどではなく。 "裏の裏" ですね。




(10) グレゴール  (J) 愚例悟居

 人名で、英語圏では "Gregory"、ロシア語圏では、むしろ
"グリゴーリィ" に近く聞こえます。

 著名な音楽家の "グレゴール" には、かのグレゴール・
ピアティゴルスキー
がいます。

関連記事 Levの愛するチェロ、師弟 Bloch の 「祈り、願いと歌」




(11) パーヴェルⅠ世  (I) 歯減一斉

 こちらは、暗殺されてしまったロシア皇帝。 他国では、
パウェル、パウール、パウロなどになります。

 また、タコクの "タコ" には "パウル君" がいます。




(12) スウェーデン  (A) 末楽園

 誰しも長生きしたいもの。 幸せな老後を夢見るわけですが、
現実は甘いものではありません。

 "優秀な子ども"、"将来を約束された逸材"。 かつてその意味
で使われた表現に、末は博士か大臣かがあります。

 しかしご覧のように、もうこれは "死語" としての扱いしか受け
ていません。 中にはパロディー化され、「末は博士か魚屋か」、
「末は博士かホームレス」などの文字も! とっくに "老境" に
入っているはずの自分は、ますます身につまされます…。

 ミルトンの失楽園では、エデンの園を追い出されるアダム
とイヴが題材になっています。

 「楽園に一旦は入ったのに…。 もったいない。」 …余りにも
次元の低い私の感想です。




以下、「05/27 頭の体操 (78) 漢字クイズ/解答」より




(13) メトロポリタン歌劇場  (U) 名湯露掘啖呵激情

 「啖呵売 (たんかばい)」、「啖呵を切る」は、物を売る際、喧嘩
などで「威勢よくまくし立てる」ことを言います。

 じゃあ、啖呵って?

 由来には色々な説があるようですが、引用すると、激しい
言葉、鋭いもの言い、歯切れのよいもの言い、歯に衣(きぬ)
着せぬ主張、最後通牒、宣戦布告…とあります。 分解する
と、却って難しいですね。

 「なにを言ってやんでぇ。 くだらねぇ説明、くどくどしてんじゃ
ねぇよ。 そんなものぁ、とっとと終わらして、先、行くんだよ、
先へ。 まごまごしゃがると、パソコン蹴破って大穴こしらえ、
金輪際、書けねぇようにしてやるぞ、こんなくだらねぇ "ボロ愚"。
くそくらえ、このくたばりぞこないめ! こちとらはな、江戸っ子
でぇ、気が短けえんだぞ。」

 あっ、そうですか、すみません。 私も江戸っ子なんですが…。




(14) 観劇チケット  (Q) 汗激血決闘

 というわけで先へ来てみました…。 いやあ、凄い剣幕
で、もうまいりましたね。 手に汗握る迫力です。

 「ところで、その "権幕" って、なあに? どういう意味?
由来は? 英語で言うと、どうなるの?」

 もう知らない。 先、行かなきゃ…。 きりがないもん。

 「ねえ、キリって、どういう意味??」

 揚げ足ばかり取りやがって…。

 「"揚げ足" って、旨いの? タコのゲソ? やっぱり。」




(15) ミラーワーク  (B) 観泡食

 手工芸から建築物の装飾まで、規模や種類は様々なようです。

 伝統的なインドの刺繍、ネパールの絹織などに施す場合は、
ガラスでは大変。 こんなときに活躍するのは、軽くて光る金属、
アルミです。

 ただ「見かけが美しい」だけでなく、魔除けの意味もあるとか。
"お守り" と同じことになります。




(16) 先進ドリル  (H) 川親鳥流

 鉱山開発や建設工事で、試掘する際の最初の穴、"先進
導坑
"を穿つためのもの。

 ある会社の情報サイトを覗くと、"商品" やその解説が、
たくさん並んでいます。 青函トンネル先進ボーリング、石炭
資源調査を目的とする大型ボーリング、国産初の高速回転
ボーリングマシン、油圧式ボーリングマシン、世界初の海底
ボーリングマシン、全油圧式水平ボーリングマシン…。 穴を
掘るのも大変なんですね。

 私はいつも "音を外しっぱなし"。 「穴があったら入りたい」
心境に、いつも置かれていますが。 でも、なかなか隠れる穴
が無くて…。

 いつも掘ってるのは墓穴なんですが…。




(17) ピラミッド  (C) 昼網戸

 「人工衛星の赤外線探査で、エジプトの地下に埋もれた未知
のピラミッド17個を含む千以上の墓と3千の集落を発見 した。
地上からの試掘で、ピラミッドとみられる建造物二つも確認され、
今後本格的な調査が行われるという。」 (地中ピラミッド17個発見
される
より)


 こちらの試掘では、大変なものが確認されたようです。

 代表的なエジプトのものは、「"王の墓" に過ぎない」とかつて
は考えられてきました。 しかし調査、研究が進むに連れ、様々
な意味、用途が推測されています。

 なんだ、墓穴の一種じゃないか…。

 それはそうと、「玄室には "昼網戸" があるはずだ」…なる、
私の大胆な仮説、誰か証明してくれないかな…。 試掘ならぬ、
盗掘には耐えるのは難しかったようですが。 網戸では。

 そうだ! やっぱり、古代のボーリング (ボウリング) 場だったん
じゃない? キングピンだって居るよ? 真ん中に。




(18) ぺルロン  (D) 屁流論

 弦楽器をお弾きになる方 (特に Violin/Viola) には、お馴染みの語
ですが、弦の芯線として用いられる材質のことです。 使っている
うちに、弦も、特に芯線に疲労が溜ります。

 ナイロン類の弦が登場して、30年以上が経ちました。 その中
で弦の材質として、現在最も人気があるのが ペルロン (perlon)。
それまでのガット (gut、動物の腸) に近い、柔らかい音色が可能
になり、耐久性もガットより優れていると言われます。

 代表的な商品名では、オーストリア Thomastik社の "ドミナント"、
"プレシジョン"。 アメリカ D'Addario社の "プロアルテ" などが
あります。

 「ナイロンと同じなのか? それとも違うのか?」 答は、"違う"
とも "同じだ" とも言えます。 紛らわしいのは、"ナイロン" の語
が、今日では二通りの意味を持ち、混同されているからです。

 "ナイロン" は、「史上初めて開発された化学繊維」の商品名で、
1940年以前のことでした。 ところがその後、同じような化学結合
による高分子化合物 (ポリアミド)?を総称して、この語を用いること
が多くなりました。 狭い意味での "最初のナイロン" は、厳密に
は "ナイロン-6-6" と呼ぶことになっているのだそうです。




(19) シンセティック コア  (R) 親背手育児飽



 "Synthetic core"。 よく弦のパッケージなどに表示されている
言葉で、直訳すれば "合成芯線"。 つまり、「"synthetic fiber"
(合成繊維) を、"core" (芯線) として用いている」…ことになります。

 コアの材質を歴史的に見れば、ガット(gut)、スチール(steel)、
ナイロン(synthetic)、ペルロン(perlon) の順ですが、最近では、
ハイカーボン(high carbon) などのスチール弦もあります。

 ナイロン (総称) コアの弦には、フランス Savarez社の "コレルリ
クリスタル"、"コレルリ アライアンス"。 またドイツ Pirastro社の
"トニカ"、"シノクサ"、"アリコア"、"オブリガート" などがあります。



 チェロでは、今日でもスチール弦が一般的ですが、Warchal社
(スロヴァキア) のように、シンセティック弦を開発しているところも
あり、そこには独自の信念が見られます。

 一方コントラバスでは、シンセティック弦も最近は多く使われる
ようになってきました。




(20) ニッケル  (E) 似悔得

 こちらは、"芯線" とは今のところ無関係。 しかし芯線の
表面を螺旋状に長く巻く、"巻線" としては頻繁に用いられ
ています。

 実生活で身近なところでは、硬貨、めっき、ステンレス、
蓄電池、形状記憶合金があります。




(21) クロム  (F) 苦労無

 そのニッケルとクロムが中心となった合金、ニクロムは、
電熱器でおなじみのもの。

 クロムもやはり "めっき" に用いられるだけでなく、高級
ステンレスには欠かせない材質です。

 また楽器の弦の巻線には、"クロム スチール巻き" なる
ものがよく見られます。




(22) タングステン  (G) 嘆愚主転

 "重くて硬い" イメージがあります。 特徴も用途も。

 ところが最近は、Viola、チェロ、コントラバスでは巻線として用い
られています。 いずれも低音弦で、発音が鋭敏になり、「左手に
かかる負担を少なくしよう」…という目的です。

 また、弦ではありませんが、チェロの楽器を床に立てるための
"エンドピン" の材質としても使われるようになりました。 主に
音響面を重視した結果で、中には敢えて穴を開けてあるものも
あります (直径方向に)




 お疲れ様でした!




"ブルックナー" なら Viola ?

2011-07-24 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

07/24 私の音楽仲間 (292) ~ 私の室内楽仲間たち (266)



          "ブルックナー" なら Viola ?



         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




      ブルックナー弦楽五重奏曲 ヘ長調




 貴方はブルックナーがお好きですか? 私は大好きです。



 最初に接した "きっかけの曲" は、"交響曲第9番 ニ短調"
で、偶然耳にした FM放送から流れてきたものです。 

 8本のホルンの荘厳な響きに、すっかり圧倒されてしまったの
でした。 第Ⅰ楽章、開始直後の部分です (19小節目、A)

 それまでのニ短調の響きの中に、違和感のある Mi の音が
ホルンに現われます。 さらに Si、Mi と、オクターヴ上へ
跳躍してから、突然出現する、変ハ長調の世界。 pp だった
弦のトレモロも、ここで荒々しい f になります。



 すぐにスコアを買いに行ったのを覚えています。 今から
40年以上昔のことで、大学で初めてオーケストラに接して
から間もない、四月か五月の頃だったと思います。




 「凄い曲だね、9番のシンフォニーって。」 私がそう話を
向けると、知り合ったばかりの K.君は、別の見解を。

 「いや、8番には、こんな素敵な Viola の "ソリ (ソロ)" が
あるんや。」


 そして私の手から楽器を取ると、弾き始めたのは、敬虔な
美しい歌。 後に私が何度も弾くことになる、第8交響曲
"Adagio" の一部分です。



 その調べは、pp や p の 中低音域に始まり、やがて f、
ff まで高調して行きます。 実際にはチェロとユニゾンで、
Violin のトレモロがバックにあります。

 しかし同じトレモロでも、そこで聞かれる音楽の表情は、
先ほどの圧倒的な迫力を伴う厳粛さとは違います。 この
"Adagio の楽章" にも "Feierlich" (荘厳に) と書かれては
いますが、K.君が暗譜までして愛しみ、親しんでいたのは、
Viola の奏でる瞑想的な歌でした。



 しかし、当時の私にはチンプンカンプン。 曲も聴いたことが
なく、「へえ~」…程度の印象しかありませんでした。

 数年後には、互いの好みが入れ替わるという、奇妙な現象
も起こったのですが。




 そして、40数年後。 彼はこの "泊まり込み室内楽" の場に、
五重奏曲の "Adagio" を用意してくれました。

 自分は Violin を、そして、美しいソロのある ViolaⅠのパート
を私に。



 勉強不足の私のことですから、今回この "Adagio" に接する
ことが無かったら、あるいは、もう二度と耳にする機会が…。

 メンバーをまだご紹介していませんでした。 Violin は K.君
H.さん、Viola は私、N.さん、チェロ T.さんです。




 前回もお聞きいただいた、この美しいテーマ。 2度目に
は K.君のパートに出てきます。 バックで鳴るハーモニー
はニ長調、ニ短調、イ長調と変わり、低音から上昇していく
音階が続きます。

 1度目に私が音を外した (?) のは、この音階 (ヘ長調)
部分で、Siを Si? で弾いた疑いがあります。



 ところが K.君も、これに該当する音符を半音高く弾いて
しまったようなのです。 書かれているのは Re?。 しかし、
次の Mi?の音の引力が余りにも強いからでしょうか、彼で
すら、Re の予測には勝てませんでした。

 普通は、「♯が書かれていても見落としてしまう」ものなの
ですが。 この二つの記号は、とても見かけが紛らわしい。




 この "2回目のテーマ" 部分には、ソロ以外の各楽器からの
"合いの手" が頻繁に、まだ目立つように書かれています。

 私の ViolaⅠパートにも。 K.君の歌に寄り添いながら、邪魔
にならぬように、でも美しく絡まねばなりません。



 私は、こちらの役割の方が好きです。 単にソロでメロディー
を弾いているよりも。 そこには微妙な音量の出し入れの作業
があり、またテンポ作りや、音色のコントロールも重要です。

 それは T.さんのチェロパート、H.さんの ViolinⅡ、また N.さん
の Viola Ⅱのパートも同じ。 機会こそ少ないのですが、その
箇所を大切に弾いておられるのが、録音を聴くとよく解ります。

 条件は、これまでの他の曲と同じ。 全員初見で、ただ一度
通しただけです。




 この曲を最後として、二日間に亘る室内楽も終わりました。

 素敵な場を提供してくれた、チェロの N.さん、ありがとう!
私にとっては幸せ一杯の機会。 何人もの方々と知り合い、
一緒に音楽を奏でることが出来ました。



 K.君、ありがとう。 素晴らしい仲間たちに会わせてくれて。

 そして、素晴らしい曲の数々を、いつも教えてくれて。



         関連記事 シンバルなら顔を挟む?




              音源ページ



   [Adagio の 第二主題部分 (Viola で開始) の演奏例]

   [Adagio の 第二主題部分 (Violin で開始) の演奏例]

            (談笑の声が入っています)



音源をお聴きの際は、他の外部リンクをクリックすると中断してしまいます。



昇華する♭

2011-07-23 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

07/23 私の音楽仲間 (291) ~ 私の室内楽仲間たち (265)



               昇華する♭



         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




      ブルックナー弦楽五重奏曲 ヘ長調




 オーストリアに生まれ、また没したブルックナーは、後半生
を交響曲の作曲に捧げました。



 未完に終わった第9番を含む9曲のほかに、自身が "0番"
と名付けた、"交響曲ニ短調" があります。 また "00番" と
呼ばれることもある、"ヘ短調" まで!

 なんだか野球選手の背番号みたいですね。

 この2曲は 1863~64年頃の作品と考えられるので、本人
にとっては習作だったのでしょう。 なお "ニ短調" の方は、
1869年になって大幅に改定されています。




 これらが完成する前の 1862年に、弦楽四重奏曲が1つ
作られています。 作曲家は1824年生まれですから、38歳
の年に当たります。 (ただし、このハ短調の四重奏曲が発見された
のは、死後の 1906年になってからのことです。)




 以後、1876年までに第5交響曲までが生まれます。 この
間にオルガン奏者としての名声は高まっていきましたが、
交響曲作家として広く認められるには至りませんでした。

 これらの後に完成されたのが "弦楽五重奏曲 ヘ長調"
で、本格的な室内楽作品としては "唯一の物" でしょう。

 手がけ始めたのは 1878年のことで、すでに彼は54歳を
迎えていました。 完成した 1879年には、第6交響曲の
作曲が開始されています。




 その後も、「彼の交響曲が生前、広く人気を勝ち得た」とは
言えません。 唯一の成功を収めたのは、1884年に初演され
た "交響曲第7番 ホ長調" だけです。

 第8番は、初演を依頼していた指揮者ヘルマン・レーヴィ
から、"演奏不能" として拒否されてしまいます。 この事件
は、彼の "改定癖" をまたもや刺激し、その影響は他の作品
にまで及びました。

 1891年に着手された第9番は、結局完成されることなく、
ブルックナーは1896年に、72年の生涯を閉じました。




 さて、この弦楽五重奏曲。 その存在は私も知っていました
が、それだけ。

 譜面を用意したのは、またしても K.君。 でも音を出すのは
彼も初めてで、全員初見です。



 今回演奏するのは "Adagio" だけ。 後からスコアを見て
みると、他の楽章は、とても初見では無理です。

 最大の難敵は、その臨時記号の多さです。 ヴァーグナ風
の転調の行方は、パート譜を追うだけでは、まったく見当が
付きません。



 この "Adagio"、当初は第Ⅱ楽章として計画されましたが、
今日では第Ⅲ楽章として演奏されるのが一般的です。




 「臨時記号が多いから、注意してね?」

 なるほど、調号からして、♭が6つ。 変ト長調です。



 「"B" から、Viola の独り舞台のソロがありますよ。」

 えっ、本当? 見ると、それらしい動きが! でも、
細かく下調べをしている余裕はありません。




 そして、K.君の忠告は現実のものとなりました。 このソロ
の部分で、私は大事な♭を一つ落としてしまったのです。

 それも、"イの一番" に♭が付くはずの Si音を、Si?にして
しまった…。 これ、言い逃れが利きません。 いくら初見と
言えども。



 でも、バックで最初に鳴っているのが変ロ長調のハーモニー。
それが、すぐ変ロ調に変わり、属和音のヘ長調の響きへ。

 3小節目の動きは、昇って行く音階。 しかしそれも "ヘ長調
の音階" なのかどうか、初見では推測できません。



 私が音を外したのは、その3小節目です。 音符が7つあり、
そのうちの6個に?が付いている。 パッと見ると "全部?" の
ようですが、実はただ一つだけ?の無いのが、"Si" だった
…というわけです。

 譜面はよく見なければ…。 録音をお聴きになると、私が慌て
ふためいている様子が、よくお解りでしょう。




 ところが、この部分をよく聴いてみると、「機器の不良で、音程
がズレて記録されてしまった」…ようにも聞こえます。

 私だけでなく、全体の音が一瞬ぶれているのでは? 録音時
に、ひょっとして電圧でも低下したのかしら? そう言えば、この
ときは ICレコーダーが充電不足気味でした。

 …と、自己弁護に懸命な私…。 どちらなのかは解りません。
何度も聴き直してみたのですが、テンポまで落として…。



 「何の音を演奏したのか、覚えてないのか…?」なんて、追求
しないでくださいね。 弾いた音符は、すぐ忘れることにしている
ものですから…。




 しかし、それ以上に驚いたのは、「?が♯に化けてしまった」
ことです。

 この後、すぐ…。



  (続く)




              音源ページ



   [Adagio の 第二主題部分 (Viola で開始) の演奏例]

            (談笑の声が入っています)



音源をお聴きの際は、他の外部リンクをクリックすると中断してしまいます。



間に合わなかった雪辱戦

2011-07-21 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

07/21 私の音楽仲間 (290) ~ 私の室内楽仲間たち (264)



           間に合わなかった雪辱戦



         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




      Mozart の 弦楽四重奏曲 ニ短調 K421




 Violin の K.君T.さん、チェロの T.さんとニ短調の四重奏
曲をご一緒してから、二ヶ月余が経ったある日のこと。 私は
T.さんのお宅にお邪魔することになりました。

 もちろん楽器を持ってで、K.君も一緒。 このときのメンバー
で、もう一度カルテットを楽しもうということになったからです。

 曲は HAYDN、BEETHOVEN、SCHUBERT など、全部で6曲
ありました。 その中の一つが、このニ短調でした。



 聞くところによると、T.さんたちも、この曲にもう一度挑戦
したかったとのこと。 雪辱を期していたのは、どうも私だけ
ではなかったようです。

 これはまた、K.君のお気に入りの曲らしい。 それは、前回
の歌い方を聴いていると、よく解ります。 それに加えて、「この
曲で一緒に本番をやりたいほどだ…」とまで言ってくれたのは、
本当に嬉しい限りです。




 さて、前回から2か月半が経っており、その間に少しずつ、
私は弾き方を改善しようとしていました。 別に "この曲を"
というわけではなく、総合的な修正です。 すでに長期戦の
模様を呈していますが、自分の一生の残りの期間を考える
と、焦りを禁じ得ません。



 この日の録音を聴いても、やはり前回とはそれほど変わって
いません。 "鼻が詰まった" ような高音は、相変わらず…。
最低弦のC線上でも、音の伸びが足りません。

 それは、録音を聴くまでもなく、弾いたときの感触からして
みても、「大体こんなもんだろうな…。」 予想どおりでした。

 それでも自分なりのやり方で、一生繰り返して行くしかあり
ません。 失敗の連続から学びながら…。




       [音源ページ ]  [音源ページ



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       [第Ⅳ楽章 主題部分 (前半) の演奏例] (既出)

       [第Ⅳ楽章 第3変奏 (前半) の演奏例]  (既出)



       [第Ⅳ楽章 第3変奏 (後半) の演奏例]



音源をお聴きの際は、他の外部リンクをクリックすると中断してしまいます。




 この日、T.さんのお宅へお邪魔してみると、一緒に演奏した
素敵な客間には、ご家族の写真や、またこれまでの演奏会の
写真がたくさん。 K.君と一緒のものもあります。

 その中で私の目を引いたのが、ワンちゃんの写真。 あの
壁にも、こちらの壁にも。



 伺ってみると、今年2011年の2月に亡くなってしまった
のだそうです。 享年16歳。 名前は "ナナミちゃん"。
ゴールデン レトリーヴァでした。

 ところが写真の中には、毛並みが白くなっているものが
たくさんあります。 それだけを見ると、"ゴールデン" だ
とは解りませんでした。



 でもワンちゃんは、年を取ると確かに色が変わります。
うちの "まるチャン" も、顔の黒い模様がすぐ無くなり、
最後は白っぽくなりました。

 また、飼い主が亡くなってしまうなど、大きな心理的
ショックを受けたときにも、「数日で全身が白くなる」と
聞いたことがあります。 それも真っ黒な犬の話でした。




 私が腰かけた素敵な黒いソファには、かつて、白いムートン
の敷物が置いてあったとのこと。

 その上に、白いナナミちゃんがいたのに気付かず、「おお、
そこに居たのか!」と、びっくりした人物が居たとか…。 その
ときも楽器を持って訪問していた、K.君です。

 よかったね? K.君の下敷きにならずに。



 ナナミちゃん、ご主人たちの奏でる素敵な楽の音を、
いつもおとなしく聴いていたのだそうです。

 一緒に参加できて、幸せだったね…?



 ナナミちゃん、最後の頃は、お散歩していても坂や階段が
登れず、補助の帯のようなものを腰に付けていたといいます。




 食堂に通されてみると、床の一角にも、ナナミちゃんの写真が。

 「骨壺、まだ置いたままなんですよ。」

 その気持ち、よく解ります。



 まるチャンも、"遺骨" は一部が手元にあります。 爪も、歯
も、何本か。 尻尾の先の毛を数センチ切り、ボンドで固めた
ものまで保管してあります。 アルバム作りのために写真を
集めてみたら、200枚以上ありました。 またその後、散発的
に見つかったものもあります。

 おっと、うちのワン君の話になってしまいました…。



 



 右の方には、お気に入りの玩具の数々が。 豹柄のプーさん
までいます。

 人懐っこそうな "ナナミちゃん"。 ボクも会いたかった…。



 ワイングラスの傍には、音叉が。 軽く叩くと、実に綺麗な音
がしました。 それとも、ワインがお好みだったのかな?




 音楽を静かに聴いていたワンちゃんだなんて…。 私が
練習を始めると、よく吠えだした "まるチャン" とは、えらい
違いです。

 それとも、やはりうるさかったから? 音程も悪いし。



 奏法を改善して、再度聴いてもらいたかったところですが、
まるチャンも、すでに旅立っています。 9年前に。

 こちらの雪辱は、どうやら間に合わなかったようです。



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