MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

1月の記事 ~ 一覧

2009-01-31 00:06:45 | インポート

01/31




      今月の記事の一覧です。






01/01  ピアノ曲集 『四季』 から 1月 『炉端にて』

                  ~ チ(ャ)ィコーフスキィ




01/03  私の音楽仲間  (7) ~ 共犯者の Su 氏 (チェロ)

01/04  私の音楽仲間  (8) ~ 『死と乙女』 (2)



01/05  シューベルトの『魔王』



01/06  私の音楽仲間  (9) ~ Brahms の 弦楽六重奏曲第2番



01/07  小惑星の名 (9)



01/08  私の音楽仲間 (10) ~ Dvorak の 弦楽六重奏曲



01/09  義母の旅立ち (1)    精霊の踊り

01/10  義母の旅立ち (2)   Bruckner の第4交響曲

01/11  義母の旅立ち (3)    大自然の中の音楽施設

01/12  義母の旅立ち (4)    有るとき払いの催促なし

01/13  義母の旅立ち (5)    ミルク・ホール?

01/14  義母の旅立ち (6)    百人の賄(まかな) い

01/15  義母の旅立ち (7)    キチン・オーケストラ



01/16  頭の体操 (3) 漢字クイズ 問題 / 解答



01/17  私の音楽仲間 (11) ~ Brahms の 弦楽五重奏曲 ヘ長調

01/18  私の音楽仲間 (12) ~ Mozart の 弦楽五重奏曲 ハ長調



01/19  滑舌 カツレツ … (2)



01/21  小惑星の名 (10)



01/22  ベルク の Violin 協奏曲 (1)

01/23  ベルク の Violin 協奏曲 (2)




01/24  フィビッヒ の "詩曲"



01/25  私の音楽仲間 (13) ~ Borodin の 弦楽四重奏曲第2番



01/26  楽器の顎当て (1) ~ 邪魔な厚み



01/27  頭の体操 (4) 漢字クイズ 解答



01/28  小惑星の名 (11)



01/29  私の音楽仲間 (14) ~ 『死と乙女』 (3)

01/30  私の音楽仲間 (15) ~ 『死と乙女』 (4)



01/31  今月の記事 ~ 一覧





苦悶の果ての長調

2009-01-30 00:09:06 | 私の室内楽仲間たち

01/30    死と乙女 (4)




           私の音楽仲間 (15) ~



      原曲 と 弦楽四重奏曲 ~ 『死と乙女』




             関連記事 『死と乙女

               最後の曲は SCHUBERT
                 三連符の見え隠れ
                移ろいの背後の混沌
                 苦悶の果ての長調
                   揺れ動く転調
                   切ない半音階
               叫ぶ乙女、棒読みの骸骨
              死神だけが生まれ変わる?
                 束の間の小春日和
                   死神と踊る?
                  絶望感の表現
                   死神の訓示
                 彼方なるタランテラ
                  切実になった死
                  乙女の苦しみ





 年が明けて、ほぼひと月ぶりに練習が再開しました。

 実はこの一ヶ月後には小さな発表会を控えており、
最初の二つの楽章を演奏することが決まっています。

 前回は第Ⅰ楽章でしたが、今回は第Ⅱ楽章の練習
です。




 『死と乙女』という名前が、この四重奏曲に付けられて
いるのは、ご存じのとおり、そもそもこの楽章に由来します。

 原曲は声楽曲で、ここでまず最初に聞こえてくるピアノ
の前奏の部分が、器楽曲の方では主題的に取り上げられ
ています。 コラール風で、ハーモニーの流れが大変美しく、
これを変奏曲風に扱っているのが、この第Ⅱ楽章です。





 しかし曲の流れは大変劇的です。 変奏曲らしく、
全体の枠はしっかりしているのですが、最後の鎮静に
至るまでの、大きな振幅の描き方が、まことに見事と
いうほかありません。




 中間部では明るいト長調に転調していますが、
もう一度最後にト長調が訪れたときには、前とは
違う雰囲気です。 死神の誘いどおり、乙女は
「甘い死を受け入れた」のでしょうか。





 この楽章にも頻出する "三連符" には、私には
どうも "不吉な死" が感じられてなりません。




 あるときは、死神がすり寄るような足取りを。

 また、初めてト長調になった部分ですが、
ここで Violin が明るく三連符で動くのは、
死神の甘い言葉を信じた乙女が、軽やかに
飛び回っているようにも聞こえます。




 しかし、再びト短調に暗転すると、間もなく
Viola が一人で、周囲の四連符に反抗しながら、
三連符で "もがきます"。

 これが Vn.Ⅱ、さらに Vn.Ⅰと受け継がれると、
音量が徐々に落ち、厳しいスタカートは滑らかな
スラーへと変わります。

 そして、先ほどの Viola はなだらかな二連符を
刻み始めるのです。




 まるで抵抗する力が萎え、心臓の鼓動が静まって
いくかのようです。 気付くと、いつのまにかト長調
の響きが全体を支配しています。

 ここでも第三音を決めるのは Viola。 どうやら
この楽章では、影の黒幕のようです。




 ちなみに Viola を担当している K.さんは、
「第Ⅱ楽章は本当に名曲ですね」と言って
おられました。

 「全体がもっともよく聞こえるのは、Viola パートだ」
とは、よく言われますが、やはり K.さん、実は陰で
全体を操っておられるのかもしれません。





 以下は原曲 (第Ⅱ楽章に当たる) の音源です。



Marian Anderson




Regine Crespin




Christa Ludwig
from a 1961 BBC broadcast with Gerald Moore at the piano.




Eudora Price





Der Jungling und der Tod / Der Tod und Das Mädchen
    ? Theo Adam, Baß; Shinya Okahara, Klavier
         日本語歌詞テロップ付き

前半  『若者と死』 D545
後半 『死と乙女』 D531 (3:45 から)





Olivier Trommenschlager




Countertenor Timothy P. Faatz




Christoph Pregardien (tenor) + Tilman Hoppstock (guitar)




二人による、乙女と死神の歌い分け




Özay Günay





弦楽四重奏版の第Ⅱ楽章

Franz Schubert - String Quartet in D minor (D.810)





 『死と乙女』参考サイト




wikipedia




『綜雲の思索手帳に就いて』より



移ろいの背後の混沌

2009-01-29 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

01/29  私の音楽仲間 (14) ~

      Schubert の 弦楽四重奏曲 『死と乙女』 (3)


          私の室内楽仲間たち (13)




             関連記事 『死と乙女

               最後の曲は SCHUBERT
                 三連符の見え隠れ
                移ろいの背後の混沌
                 苦悶の果ての長調
                   揺れ動く転調
                   切ない半音階
               叫ぶ乙女、棒読みの骸骨
              死神だけが生まれ変わる?
                 束の間の小春日和
                   死神と踊る?
                  絶望感の表現
                   死神の訓示
                 彼方なるタランテラ
                  切実になった死
                  乙女の苦しみ

  音源たち (すべて全楽章収録)]





 この有名な曲、昨年までは、恥ずかしながら直接経験する
ことがまったくありませんでした。 それが、別のグループで
これを取り上げ、ほぼひと月に一回のペースで練習を始めて
以来、自分にとって急に身近な曲になりました。




 そして、やればやるほど感じるのが、この曲に賭けた、
作曲者の執念です。

 曲の構成、ハーモニー、動機の扱いなど、手段の密度が
高いだけではなく、それらを超えて、聴く者に、そして演奏者
に迫ってくるものがあります。 いや、すべてが一体となって
いるからこそ、伝わってくるのでしょう。

 作曲者の心の底の、形を成さなかった何かが。

 それが楽譜となって今日残り、演奏者はその音符を見ながら、
曲の裏を紐解いて行くわけです。




 あのフルトヴェングラーが言っていたのを思い出します。




 「作曲者と、ちょうど逆の手順を辿り、演奏者は、楽譜から

 その混沌としたものに迫る
。 作曲者でさえ無意識で

 気付かなかったかもしれない、そのカオスの状態に。」





 メンバーは、Violin がO.さんSa.さん、Viola が私、
チェロは前半と同じ Toshiyuki さんです。




 O.さんはこの場でご紹介するのは初めてですが、実は
昨年末から何度か参加しておられ、Viola も達者な方です。
私自身が公私に亘って大変お世話になっている方なのです
が、ほとんど偶然とも言えるようなきっかけで、ご一緒する
ことになったものです。

 そこでも一役買ったのがSa.さん。 「類は友を呼ぶ」と
言いますが、Sa.さんの周りに人が吸い寄せられる様子
は、見ていてまったく不思議です。

 Sa.さんはこの日お誕生日。 お蔭で私もケーキの
ご相伴に預りました。

 しかし、曲が『死と乙女』。 "ケーキが怖い" 私としては、
食べたあとの怖さも気になるところです。





 実は自分は、Viola でこの曲を弾くのが初めてでした。

 これまで弾いてきた Vn.Ⅰのパートは、ある意味で単純、
一本調子とも言えるのですが、Viola のパート譜を見ただけ
では、全体の様子がほとんど想像できません。

 これは何の曲でも同じなのですが、特にこの曲では
"変わり身の素早さ" を要求されました。

 主役脇役か、リズム音符かハーモニー音符か。




 また、テンポ作りにおいて "主従" のどちらなのか…。

 これらには、大まかな "建前" がありますが、相手に
よっては、立場を逆転させなければならないことが、
どんな曲でも往々にしてあります。

 その場の判断です。

 実生活の対人関係と、まったく同じであることに
気付かされます。





 そして Viola の仕事で、どんな曲でも一番難しく、また
やり甲斐のあるのは、バランス作り、ハーモニー作り
です。 そのときに聞こえてくる、もっともマークすべき
パート、相手に照準を合わせます。




 バランス作りにおいては、印刷された強弱記号は
ヒントに過ぎません。 と言っても、ただ "大きく"、"小さく"
というのではありません。

 よく "透明なフォルテ"、"芯のあるピアノ" と言いますが、
フォルテ、ピアノは、音の差と言うより、音の差では
ないかと感じさせられることが、最近は多くなったような
気がします。





 そして、バランス作りと並んで大事なのが、美しい
ハーモニー作り。 特に三度の。




 これについては、『"メサイア" を巡って』中、「音程の難所」
の記事で詳述しました。

   20081115

   20081116

   20081117





 以下は第Ⅱ楽章について記します。

 ゆっくりで、長い音符の多い楽章ですが、しょっぱなに
早速 ト短調の第三音が出てきます。

 曲が明るくなった97小節目では、ト長調の第三音

 ただし、再びト短調に戻った 121小節目、ここは自ら
テーマを奏する箇所ですが、最初の自分の音は第五音
から始まるので、ハーモニー的には、音程にはそれほど
神経を遣いません。




 しかし楽章が終わりに近づくに連れ、Viola には "ハーモニー
楽器" としての役割が、飛躍的に増していきます。

 属和音の第三音の Fa#。 そして、"明るい救い" である
かのような、ト長調の第三音が頻出し、この有名な楽章は
終わります。




 この第Ⅱ楽章については、次回に音源を用意する予定です。





 曲がゆっくりであればあるほど、一つのハーモニー
には長い時間が与えられるので、音程の取り方は
"ハーモニー主体" になります。 逆にテンポの速い
曲では、"音階本位" でいいのです。

 大別すれば、音程に縦方向の束縛があるか、
それとも横に動く自由が与えられているか、と
いう問題になります。



 しかし曲によっては、テンポが "どっち付かず"
のこともあり、頭の痛いところです。

 特に、長調の第三音に、メロディー的な "明るさ" が
必要な場合です。 ハーモニー的には、かなり " 暗く"
取らねばならないのですから。





 この日、音出しが終わると、チェロの Toshiyuki さん
が声をかけてくれました。

 「三度がピッタリ決まると、気持ちいいねえ!」




 ハーモニー作りに関してはうまく行ったようです!!

 よかった…。




 幸いにして "ケーキの呪い" は、この不吉な曲に
おいては無かったようです。




 (続く)



小惑星の名 (11)

2009-01-28 00:09:09 | 星と音楽・科学一般

01/28    小惑星の名 (11)




 Wikipedia から集めた、小惑星の名です。




 水曜日 (不定期) に掲載の "小惑星の名" は、これまでに、


 10/2210/2911/0511/1211/1912/03

 12/1012/2401/0701/21


の、10回分があります。





 下線部は発見者名、あるいは観測した天文台名

 番号は、軌道要素確定後の登録番号で、発見順ではありません。

 年代の方は発見年です。

 アルファベット、日本語…と表記はバラバラですがお赦しください。





M. F. ヴォルフ



(531) ツェルリーナ 1904年、  (539) パミーナ 1904年、



(540) ロザムンデ 1904年、  (550) ゼンタ 1904年、



(551) オルトルート 1904年、  (552) ジークリンデ 1904年、



(553) クンドリー 1904年、   (555) ノルマ 1905年、



(557) ヴィオレッタ 1905年、  (558) カルメン 1905年、



(560) デリラ 1905年、      (562) サロメ 1905年、



(815) コッペリア 1916年、   (841) アラベラ 1916年、



(861) アイーダ 1917年、    (871) アムネリス 1917年。





P. ゲッツ →            (571) ドゥルシネーア 1905年。





A. コプフ



(606) ブランゲーネ 1906年、  (643) シェヘラザード 1907年、



(644) コジマ 1907年、      (666) デズデモーナ 1908年。






 今回もすべて女性の名前になりました。

 音楽史上、明らかに実在した人物も一人いますね。



頭の体操 (4) 漢字クイズ 解答

2009-01-27 00:17:00 | 頭の体操 漢字クイズ

01/27    頭の体操 (4) 漢字クイズ 解答




        『これまでのカタカナ語句には、

        カタカナ部分のみ各回ごとに載っており、

         それぞれの記事に飛ぶことも出来ます。

   「古い記事 (トップ) → 新しい記事 (奥)」 の順に並んでいます。




      『頭の体操 漢字クイズ』 カテゴリーでは、

     『問題・解答』の全文が直接ご覧になれます。 こちらは

      「新しい記事 (トップ) 古い記事 (奥)」 の順です。





 01/20 出題の "漢字クイズ" の解答です。




 もう一度ご自分で考えてみたい方のために、

問題も載せてみました。





 01/04 ~ 18 に登場した外国語の一部を、漢字で表記して
みました。

 特に注釈の無いものは、作曲家名、またはその一部です。




 以下、右側に並んでいるのがそのカタカナ名で、登場した
順番に並んでいます。           


 また、左側にあるのは、それぞれを漢字で表記しようとした
ものですが、どう読めばいいでしょうか?
   




(A) 愚視              1 タカーチ (四重奏団)

(B) 高熱              2 ゲーテ (文豪)

(C) 裏日照            3 レーヴェ

(D) 離首都            4 ロッテ・レーマン (ソプラノ歌手)

(E) 獲盗人            5 ジェスィ・ノーマン (ソプラノ歌手)

(F) 麗婦絵            6 フィッシャ=ディースカウ
                       (バリトン歌手)

(G) 平離反            7 アンネ・ゾフィ・フォン・オッタ
                       (アルト歌手)

(H) 下射手            8 リシュト

(I) 露手冷男           9 リヒテル (ピアニスト)

(J) 夜叉高符悦         10 エルンスト

(K) 汚流富餌多         11 ヒラリ・ハーン (ヴァイオリニスト)

(L) 自絵酔能慢         12 グルック

(M) 不利夢朗頭         13 オルフェオ (歌劇の登場人物)

(N) 炎男油絵流塀       14 エウリディーチェ
                       (歌劇の登場人物)

(O) 絵売出良知恵       15 ヤッシャ・ハイフェッツ
                       (ヴァイオリニスト)

(P) 漁師弟椅子買       16 エマニュエル・ベイ (ピアニスト)

(Q) 闇値祖父畏不穏悪伝   17 リヒャルト・シュトラウス

(R) 狸火嫌流兎酒虎得酢   18 プリムローズ (ヴィオラ奏者)







[解 き 方]


  ・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
   ものです。

  ・ 音読み訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点()、
   半濁点()、送り仮名を補ってください。

  ・  従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
   あります。

  ・  音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
   こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
    今回は英語が5か所あります。

  ・ 口語的俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
   (例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。

  ・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
    (今回はありません。)
   (例) 「不読 → よまず、よまん」。

  ・ 左の漢字の中には、“”、”” ともに含まれている場合もあります。 
   人名 (右) に加えて "first name" をご自分で補ってください。
    (今回はその必要はありません。)
   (例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。

  ・  厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
   お見逃しくださいませ。




   解答

    ↓


(A) 愚視  12 グルック

 "look" には「見える」 という意味もあります。 妙齢の女性
(ギャル) が電車内で "睫毛カール" したり、ポテト・チップスを
齧っているのを見かける (ギャルック) と、暗澹たる気分に
なりますが、私が "古い" のでしょうか。 肝心の作曲者の
方は、歌手とグルになって個人技を目立たせる、それまでの
風潮を廃し、劇的進行や音楽自体の美しさを重要視したので、
「オペラの改革者」と呼ばれます。 ベルリオーズやヴァグナー
にも直接、間接の影響を与えました。




(B) 高熱   1 タカーチ (四重奏団)

 この団体は、経験と研究に裏打ちされた熱さを感じさせます。
外見の派手さでなく。




(C) 裏日照  9 リヒテル (ピアニスト)

日当たりは確かに良い方がいいでしょう。 でも中には、
"日蔭者" に甘んじつつ、心の温かい方もいます。




(D) 離首都  8 リシュト

 バイロイトで亡くなった Franz Liszt は、母国ハンガリー
では "リシュト・フェレンツ" になります。 そう言えば、昔
"フェレンツ・フリッチャイ" なる指揮者がいました。 ご存じ
の方はおられるでしょうか?



(E) 獲盗人  10 エルンスト

 ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト(1814-1886) は
チェコに生まれ、晩年はスイスで暮らした作曲家です。
Violin の超絶技巧名手でもあり、シューベルトの "魔王"
の編曲
は、ひと頃 "演奏不能" と言われたほどの難曲で、
少なくとも手は大きい方が絶対的に有利な曲です。




(F) 麗婦絵  3 レーヴェ

 性別や古今東西を問わず、嫌いな方はいないでしょう。




(G) 平離反  11 ヒラリ・ハーン (ヴァイオリニスト)

 上司にとっては一番応えますね。 人心の乖離(かいり)
は、一国の総理にとっても耐えがたいはずですが。 演奏者
の方は米国の Violinist。 Baltimore 出身で Philadelphia の
Curtis 音楽院へ進み、今や世界の花形です。



(H) 下射手  2 ゲーテ (文豪)
 「ギョオテとは おれのことかと ゲーテ言い」とあるとおり、
原語での発音は日本語で表記できません。 しいて言えば
"魚獲射手" でしょうか。



(I) 露手冷男  4 ロッテ・レーマン (ソプラノ歌手)

 冬に手袋をしてないのか、それとも冷酷な男なのか…。
"禄手零万" だと、雇用情勢の厳しさや、"内定取り消し" を
連想してしまいます。 せめて "冷饅" か "冷麺" で元気を
つけましょう。




(J) 夜叉高符悦  15 ヤッシャ・ハイフェッツ (ヴァイオリニスト)

 往年の Virtuoso です。 注釈など付け加えられないほどの
存在でした。




(K) 汚流富餌多  13 オルフェオ (歌劇の登場人物)

 歌劇の結末には、ハッピー・エンドのものもあります。
しかし、より心を打つのは、"折笛嗚" とも言うべき、
悲劇的な幕引きでしょう。 エウリディーチェを冥界から
連れ帰る途上で、禁を破って後ろの愛妻を振り向き、
すべてを失ってしまいました。




(L) 自絵酔能慢  5 ジェスィ・ノーマン (ソプラノ歌手)

 これだと "自画自賛" になってしまいますね。 でも、自尊心と
劣等感は、人生において共に必要なものではないでしょうか。
私の場合は、"自壊死悩満" の毎日です。




(M) 不利夢朗頭   18 プリムローズ (ヴィオラ奏者)

 晩年は何度も来日し、教育界に貢献しました。 私もその折に
実演を聞かせていただきましたが、若き日の溌剌とした演奏を、
どんなにか聴きたいと感じたことでしょう。




(N) 炎男油絵流塀  16 エマニュエル・ベイ (ピアニスト)

 ハイフェッツの伴奏者として著名ですが、どこを探しても
詳細な経歴が見つからず、大変残念です…。




(O) 絵売出良知恵  14 エウリディーチェ

 絵画を売ると、良い知恵が浮かぶのかしら。 もったいない…。
盗品の売買だけは、止めて欲しいものです。




(P) 漁師弟椅子買  6 フィッシャ=ディースカウ (バリトン歌手)

 ドイツ・リート、特にシューベルトの歌曲に関しては、
他の追随を許さぬものがありました。




(Q) 闇値祖父畏不穏悪伝  7 アンネ・ゾフィ・フォン・オッタ
                     (メゾ・ソプラノ歌手)

 オペラに、歌曲に活躍中の名歌手です。




(R) 狸火嫌流兎酒虎得酢  17 リヒャルト・シュトラウス

 タヌキから連想するのは "カチカチ山"。 ウサギは
"因幡の白ウサギ" や "ウサギとカメ" ですね。 でも
トラまで出てくると、もはや意味不明。 酢が好きな虎
なんて、いるのでしょうか?




 お疲れ様でした。