11/04 私の音楽仲間 (630) ~ 私の室内楽仲間たち (603)
どっちでもないさ
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
Mozart 晩年の弦楽五重奏曲 変ホ長調 K614 、その第Ⅳ
楽章は “ロンド形式” で出来ています。
ただし上記の解説ページでは “ソナタ形式” としていますね。
“モティーフの展開” が頻繁に行われているからでしょう。
しかしテーマが目まぐるしく交代する印象が強いので、ここでは
一応【A B A C A B C A】…の、“自由なロンド” としておきます。
[譜例]は、楽章の冒頭の様子です。
“B” の部分になると、確かに “新しいテーマ” が出て
きます。 しかしそれは、上のモティーフの動きを、逆に
しただけ。 低音域なので、それとは察しにくいのです。
それに途中からは、またも “A” のモティーフが現われ、
展開風に繰り返されます。
しかも “C” の部分は、“A” のモティーフの展開そのもの
で、新しいテーマが現われるわけではありません。
したがって「楽章全体は、すべて “A” を基にして出来て
いる」…と言ってもいいほどです。
[演奏例の音源]は、【A B A C A B C A】…の下線部
に当る部分です。
「ロンドか、ソナタか…だって? どちらでもないよ。
自由に作っているだけさ。 そもそも全楽章を、一つ
の単純なモティーフから組み立てたんだからね。
その “全体の枠組み” が、個々の楽章の形式より
優先したのさ。 結果的に。」
35歳の “晩年の Mozart” は、そう答えるかも
しれません。
「〔全体は部分に優先する〕…って言ってるだろ?
あのフルトヴェングラー君だって。」
あれ…。 どうして知ってるの?
[音源ページ ①] [音源ページ ②]
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