MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

雪女の呪い~"冬の日の幻想"

2009-03-25 00:00:40 | 私のオケ仲間たち

03/25  私の音楽仲間 (38) ~



  私のオーケストラ仲間たち (15) 雪女の呪い



          (ャ)イコフスキィ

   交響曲第1番『冬の日の幻想』 第Ⅲ楽章






                関連記事

                   深夜の儀式
                   深夜の到着
                  人も曲も初対面
               『リュイ・ブラース』序曲
                大いなるアンバランス
              ロココの主題による変奏曲
               交響曲第5番第Ⅱ楽章
                  急がば回れ ①
                  急がば回れ ②
          シベリウスの交響曲第1番 第Ⅱ楽章①
          シベリウスの交響曲第1番 第Ⅱ楽章②
                  指揮者への依存
                  音楽の贈り物 ①
                  音楽の贈り物 ②
 雪女の呪い ~チ(ャ)イコーフスキィ の 『冬の日の幻想』 第Ⅲ楽章
                  眠り姫の呪い
               『眠れる森の美女』組曲







 さて、今回の神奈川大学管弦楽団の合宿への参加。

 私の役目も何とか無事に終わりました。



 一日目の深夜の儀式の後も、"祟り" はありません
でした。 また幸いに、学生の間で健康を害した者も、
この時点でありません。

 よかった、よかった。 私も、あとは帰るばかりです。




 祟りと言えば、10年以上前に、こんなことがありました。

 当時 Viola パートには、リーダーを務めていたM.O.さん
という方がいました。 女性です。



 そして、そのときの演奏曲目は、チ(ャ)イコフスキィの
交響曲第1番『冬の日の幻想』でした。

 これを練習していたのは、やはり今回と同じ、春の合宿
です。 場所も同じ、水の冷たい富士五湖周辺でした。




 ところで、この曲の第Ⅲ楽章には Viola のソロがあります。
3/8拍子でテンポは速く、音は低く、ごく短いものですが。

 「あれっ、チェロのソロかな?」と思うと、すぐに低音域で
Viola が引き継ぎます。 「聴き過ごしたのかな…」と思うと、
楽章はすぐに終わってしまいます。




 音源  第Ⅲ楽章 : SCHERZO, Allegro scherzando giocoso

  [演奏者不詳

  [Dorian Wilson, Conductor] (中途から)




 この短いソロの部分を、二人で一緒に練習した後のことでした。

 彼女の出来が大変見事だったので、私は何気なく次のように
口走ったのです。

 「うまいね! まるで雪女みたいだ。



 この楽章は速いスケルツォなのですが、ちょうど雪がチラチラ
舞いながら音楽が始まる、そんなイメージなのです。

 バレェの『くるみ割り人形』の中にも、雪の降る、幻想的で
ロマンチックな場面がありますね。




 さて、この昔の合宿での話の続きです。

 私の役目も終わりに近づき、夜の練習を終えて帰ろうとした
ときのことです。 三月なのに、何と時ならぬ雪が…。

 見れば大分激しく降っています。



 「これはまずいな…。」 私は大慌てで自分の車に向かい、
帰りを急ぎました。

 なぜって、タイヤ・チェーンを積んでいなかったからです。



 そそくさと一般道を走り終え、河口湖インターチェンジまで
来たときでした。 料金所の電光掲示板を見て、唖然!

 「大雪、チェーン規制」…。



 案の定、係員が懐中電灯を片手に、私の車のタイヤを
チェックしにきました。 そして冷たく言い放ちました。

 「駄目ですね、入れません。 一般道を行ってください。」



 そんな…。 でも、しょうがないですよね。 それが決まりだし、
高速道に入れたとしても、事故を起こしたのでは元も子も無い
から。




 それからは、ひたすら忍耐でした。 一般道を河口湖から
大月まで。 思いを同じくする車の数々で混雑した下り道を、
ひたすらチンタラ、チンタラ行きました。 3時間もかけて。



 やっと大月まで降りて来ました。 ひょっとして、この先も
中央自動車道には入れないのでしょうか。

 その際は私の場合、新宿方面へ向かうには、甲州街道の
旧道を行かねばなりません。 いったい何時間かかるので
しょうか。



 幸いにも大月からは、無事に自動車道に乗れました。

 やれやれ。 それでも帰宅は二時過ぎ。 このときは
"深夜の帰宅" になりました。




 「あれはきっと雪女の呪いだったんだ…。」



 以後はそれに懲り、この季節に富士山麓で合宿があるときは、
間違っても「"雪女" みたいだね!」などという言葉は、決して
口にしないようにしました。 仮に冗談でも。

 そしてそれが功を奏したのか、その後も無事に済んできました。



 ところが今回この合宿で、またしても新たな呪いに見舞われる
ことになろうとは、想像もしていませんでした。

 あれほど気をつけていたのに…。




 (続く)



↓↓


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (vlayusuke)
2009-03-26 13:28:22
まだ神大でご指導をされていらっしゃるのですね。ありがとうございます。

M.O.さんって誰だっけ? と名前を一生懸命思い出していたのですが、私が入団したときのパトリの方でした。

ふと学業もほどほどに楽器弾きに明け暮れていた濃い4年間を思い出して懐かしくなりました。
返信する
Unknown (♪ maru ♪)
2009-03-26 19:34:49
vlayusuke さん、ありがとうございます。

お蔭さまでますます頑張っています。!

冬には後輩さんたちがまた "第九" をやるようですよ。 応援してあげてください
返信する

コメントを投稿