01/29 私の音楽仲間 (133) ~ 私の室内楽仲間たち (113)
五重奏の響き
関連記事 『最後の四重奏曲』
(1) ~ (2) Mozart 『プロシャ王四重奏曲ヘ長調』
② ③
(3) ~ (6) Beethoven 『第16番 ヘ長調 作品135』
① ② ③ ④
(7) ~ (11) Schubert 『第15番 ト長調 Op.161, D887』
① ② ③ ④ ⑤
(12) ⑥ 歌曲集『冬の旅』 第1曲 『お休み』
(13) ⑦ 歌曲集『冬の旅』 第5曲 『菩提樹』
(14) ⑧ 歌曲集『冬の旅』 第15曲 『カラス』
(15) ~ (16) Schubert 『第15番 ト長調 Op.161, D887』
⑨ ⑩
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
関連記事 『プロシャ王』第3番 ヘ長調
それぞれの "プロシャ王"
探究心の塊
五重奏の響き
参入者の対話
みんなで弾いても怖い
この『プロシャ王』第3番が、Mozart の最後の弦楽四重奏曲
になってしまったことは、前回にも触れました。
それでは、他のジャンルではどうだったのでしょうか?
この曲を作った 1790年6月に先立ち、交響曲では最後の
第41番ハ長調 K.551『ジュピター(Jupiter)』を、1788年に
彼は書き終えています。
名作、クラリネット五重奏曲 K.581 がこれに続き (1789
年)、この楽器のための貴重なレパートリーとなりました。
『プロシャ王』以後の名高い曲としては、最後のピアノ
協奏曲第27番変ロ長調 K.595 (1791年、作曲、出版)、
『魔笛』 K.620 (1791年)、クラリネット協奏曲イ長調
K.622 (1791年)、レクィエム K.626 (1791年) がこれに
続きます。
また弦楽五重奏曲の分野では、第5番ニ長調 K.593
(1790年)、第6番変ホ長調 K.614 (1791年) を、3曲の
『プロシャ王』以後に残しています。
「Mozart は弦楽四重奏よりは五重奏曲に、また Brahms
も同様に弦楽四重奏よりは五、六重奏曲に、その真骨頂
が窺える」という説を目にしたことがあります。
なるほど、Brahms も、3曲の弦楽四重奏曲の後に、2曲
の弦楽五重奏曲、そして、あのクラリネット五重奏曲
Op.115を残しました。
関連記事 『私の室内楽仲間たち』
(92) (93) (94) (95) (96) Brahms の 弦楽四重奏曲第3番
① 念願の初対面
② 3度への愛着
③ 3度への執着
④ 過去と現在
⑤ 蝋燭の燃え尽きるとき
(10) Brahms の 弦楽五重奏曲 ヘ長調
「五重奏、あるいは六重奏に真骨頂がある」というのは、
どういう意味なのでしょうか?
"楽器を一つでも加える" ということは、やはり "響きの
重厚さ" と "線の絡み合い" を重視することになります。
実は私は今回、この『プロシャ王』第3番を弾いて、まさに
それらを感じたのです。 まるで五重奏を弾いているかの
ような、錯覚を抱きながら。
それは、比較的 "軽い楽章" だと考えられる、"Menuetto"
においてさえもです。
私たちのチェロ、Sa.さんの重厚な低音は、まさに打って
つけでした。
この日の前半は、Mozart の最後の四重奏曲、ヘ長調でした。
ところが休憩後の後半にも、私は別の "最後のヘ長調" を
演奏することになったのです。
(続く)
音源です。
Ⅰ: Allegro moderato
Alban Berg String Quartet
ELYX Quartet
Furman Band and Orchestra Camp String Quartet
Vaghy String Quartet
Ⅳ: Allegro
ELYX Quartet
Vaghy String Quartet
楽譜ファイル
[第Ⅲ楽章 MENUETTO : Allegretto からの演奏例]