カミさんの血圧も安定し、おいらのガン騒動も一件落着したら、また止めていたパチンコにいつの間にか嵌っている。一日通すと5-6時間も台と格闘する。ピーク時には10万円も勝つ時があるが、結局お店に持っていかれ、毎月の小遣い5万円がパチンコに消えている。名前は忘れたが芥川賞を取った小説家が朝日新聞に随筆を書いていたのを読んだことがある。彼は「今の世の中、パチンコにしか賭けるものがない」といい、原稿料を出版社に前借したり、かなりの借金もあるようだ。投げやりなダダイスティックな人間ほどパチンコに嵌りやすい。絵が三つ揃えばアタリで、一箱の玉、5000円相当が出てくるわけだが、その絵が揃う瞬間になんとも言えない快感がある。「よし、今度は来るか」と、嵌ってしまう。それだけに集中できて、世の中のことが忘却できる。終わった後は、負けた時は特に徒労の疲労感と自己嫌悪に襲われる。それでもまた、次の日になると、脚が向いてしまう。明らかにパチンコ依存症である。ヒマとお金のあるひとは特に嵌りやすい。店には、老人や主婦が多い。みんなヒマとお金がある人たちである。それでもパチンコ屋は不景気で全国的に潰れている店が多くなったという。お客はピーク時の四分の一に減ったといわれるが、俺の行っている店は、結構混んでいる。とにもかくにも、別の楽しみを見つけないと、いつまでも怠惰にしていても仕方がないことはわかっているのだが・・。
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