一旦、岡本太郎のテーマは締めたつもりが昨日に記したように冷めずにいます。今日は昨年、NHKで放送していた「男前列伝」という番組で、その<男前>として岡本太郎を紹介していたものを録画していたのを見つけたからです。(私は面白そうなテーマがあると見る見ないにかかわらずとりあえず録画しておくという習慣があるため)番組ではミュージシャンの田島貴男が岡本太郎にリスペクトしていて、彼が太郎ゆかりの地を歩きながら紹介していくというもの。田島は太郎のことを保身しない生き方がカッコイイといいます。
『嫌われものであれ!』(by岡本太郎)
岡本太郎は自宅でカラスを飼っていたそうです。世間的には嫌われもののカラスに彼は心を許していたといいます。太郎がカラスと戯れる写真が残されていますが、ホントにそうだったんだなと思います。私などあの大きな嘴で目を突かれそうな気がしてとても岡本太郎のようには愛撫できません。太郎はこのカラスを「ガア公」と呼んでいて、作品にもカラスらしきものはいくつか描かれています。
『マイナスにかけろ』(by岡本太郎)
岡本太郎は、小学校に上がるとき集団生活を拒否して一年間で四回も転校したとか。子供のころから太郎は反骨精神バリバリりだったんですね。成人になり華やかなパリから帰国して戦争に行った時も、日本は戦争に負けると発言して血みどろになるくらい殴られたそうです。(最先端で自由な街パリから一転、泥まみれで統制された組織による戦地の体験の落差というのが私は体験としては意外と強烈な気がします)そして終戦後も日本の絵はくすんだ色ばかりだと画壇の権威を否定、「ノン」の精神を見せるのです。
『誤解される姿は美しい』(by岡本太郎)
岡本太郎は博物館で縄文式土器と感性を揺さぶられる出会いをします。この縄文式土器の発見、評価は彼の大きな仕事の一つであるとなにかの本で読んだ記憶があります。確かにあの紋様、渦巻は生命の根源的なものを感じさせる迫力があります。生命をテーマとした極めつけが万博の祭のシンボルとして岡本太郎がノンを突き付けた「太陽の塔」、田島はその塔を横から見ると巨大怪獣が歩いているようだとその感想を述べています。この「太陽の塔」は背中に黒い太陽をしょっています。黒はマイナスの光、人は常にマイナスの部分を背負い生きて行かねばならないという岡本太郎のメッセージではないかと田島はいいます。嫌われものであれと発言していた太郎は自分とカラスを重ねていたのでしょうか…。
『太陽の塔、あれはカラスだよ』(by岡本太郎)
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