飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「プラネット・テラー in グラインドハウス」(監督:ロバート・ロドリゲス)

2012-02-03 | Weblog

■製作年:2007年
■監督:ロバート・ロドリゲス  
■出演:ローズ・マッゴーワン、ジョシュ・ブローリン、マーレー・シェルトン、ジェフ・フェイヒー、他

映画のタイトルに入っている<グラインドハウス>とは、1970年代にアメリカで流行ったバイオレンスとセックス中心の安物ゲテモノ映画ばかりを上映していた映画館のことを言うそうだ。でもってグラインドとはアノ時に女性が騎乗位で腰をくねらせる動きのことを、ストリップで女性が腰を悩殺的にくねらせる動きのことをさしているんだと。ようするに日本ではエロ・グロ・ナンセンスの路線の映画と同じようなものということになるのか?その類の映画は最近日本でも見直されているように何となく思います。(たとえば東映ピンキー・バイオレンス路線の映画とか)

 

で、「プラネット・テラー」は悪趣味満載のパロディ映画といえばいいのでしょうか?とにかく見ていて、私もそれなりに歳を重ねてきているので、スプラッターやゾンビという類の映画がだんだんと見ていて気持ちいいものではなくなっています。20歳代前半であればそうした類の映画を見て楽しんだということもあるのですが、やっぱり残酷であるという感じが年々強くなっていき、受け入れられなくなってきたという次第なのです。なので辛うじて面白いのだけれど次から次へと肉体が血飛沫あげて破壊される映像は僻々もするそんな印象を持った映画でした。ただ、救いなのが真正面からのスプラッターではなくグラインド・ハウスというだけあり過去のサイテーなゾンビ映画をパロってるわけです。作り手として過去の作品に対して敬意?を表しているんですね。

 

 

映画の本編に入る前に架空の映画の予告編を流す心憎さ、意図的にフィルムに傷が入ったような画面、あるいはフィルムが焼けてしまうような画面など、どこかデジャヴュのようなグラインド・ハウスへのオマージュのような映像。その映像の展開はヘタウマ的。映画オタクの真骨頂か?話ははちゃめちゃで、意味がよくわからないゾンビが発生するウイルス発生装置、どこかで見たことがあるようなゾンビに追い詰められた一軒家、でもそこにはまるで緊張感のない篭城している人物たち、その登場人物らはなんとなく場当たり的に殺やられていく…。それら無意味な暴力描写の連続で、お笑いの要素もふんだんに入っています。でも、血飛沫はこれでもかと飛びます、飛ぶは飛ぶはで画面は真っ赤かです。腕はちぎれるは目に突き刺さるは、これ、少し前にみたジョン・カーペンターも真っ青のやりすぎスプラッター。作り物とわかっていてもリアルな造形は正直気持ちのいいものではない。夢見が悪くなりそうです。

 

 

そうしたゾンビ映画の部分ではなく私的には、粋なヤンキー娘を演じたローズ・マッゴーワンが目茶苦茶カッコよかった。冒頭のストリップ・ダンスといい、後半片足になったマシンガンを埋め込みマシンガン銃を乱射してゾンビと戦う戦闘アクションシーンは実にさまになっていました。このキャラクターを生み出し得ただけでこの映画は大成功と言っていいのかもしれません。それほどカッコよかったです。願わくばもっと彼女に活躍の場面を与えて欲しかった。久々に痺れる女性キャラクターに巡り合うことができました。ローズ・マッゴーワン万歳!ちなみ監督のロバート・ロドリゲスは、この映画がきっかけで奥さんと別れて彼女と結婚してしまったそうな。

 

 

プラネット・テラー プレミアム・エディション [DVD]
ジェフ・フェイヒー,ステイシー・ファーガソン,ジョシュ・ブローリン,マーリー・シェルトン,フレディ・ロドリゲス
ジェネオン エンタテインメント
オリジナル・サウンドトラック「プラネット・テラー in グラインドハウス」
ジェネオン エンタテインメント
ジェネオン エンタテインメント
グラインドハウス プレゼンツ 『デス・プルーフ』×『プラネット・テラー』 ツインパック【2,000セット限定】 [Blu-ray]
ユマ・サーマン,ルーシー・リュー,ヴィヴィカ・A・フォックス,ローズ・マッゴーワン,フレディ・ロドリゲス
ジェネオン・ユニバーサル
プラネット・テラー in グラインドハウス ポストカード Grindhouse (Prick) [おもちゃ&ホビー]
フラスター
フラスター
ブロマイド写真★ローズ・マッゴーワン『プラネット・テラーinグラインドハウス』チェリー
シネマインク
シネマインク
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« NHK追悼番組「プロフェッ... | トップ | 鬼才、天才、オタクのタラン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事