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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

乱歩NO.4・・・<江戸川乱歩の陰獣/1977年>

2006-02-22 | 江戸川乱歩
江戸川乱歩の陰獣

製作:1977年・松竹
監督;加藤泰
主演;あおい輝彦 、香川美子

設定されている時代、しかし私はまだ生まれていないので当時の詳しい様子なんて実は分からないのだけれども、よって想像するしかないのだが、その画面からはなんとも言えずレトロな感じとそこに人が息づいているむさ苦しい雰囲気が伝わってくるのである。

ところで、画面にはさりげなく小津安二郎の「生まれてはみたけれど」(1931年)の映画のポスターが映っている。それによって時代設定も分かるし、またそ、その小津を意識したようなローアングルを多様した様式美的画面を展開していくのである。

前半は丁寧に物語を追っているものの、後半は徐々にそのスピードを上げはじめ、もしかしたら何の予備知識がなかったら途中から理解ができなくなるのでは?と思わず心配してしまった。と言うのも、公開当時僕はその妖しげなタイトルに惹かれて映画館に足を運んだのだが、途中から推理の展開が、若かったせい?(高校生であった)もあると思うのだけれど恥ずかしながら途中から分からなくなっていった記憶がある。今回再見し、やはり後半の展開が少し早いように思った。

さて、探偵小説家・寒川演じるあおい輝彦は小説家と呼ぶにはあまりにも、にやけすぎていた。思わぬ展開による狼狽ぶりはとってもいいもだけれども・・・。それと運転手役として尾藤イサオが出ていて、これでは僕の大好きなアニメ「あしたのジョー」を思い出さずにいられないだろ、なんて。(笑)

SM的世界にのめり込んでいる小山田静子を演じた香川京子は、同じくその世界の住人の西洋人女性と対比をなしていて、日本的な慎ましやかな女性の雰囲気を醸し出すことにうまく成功しており、その分、反比例的に魔性の世界への引き込んでいく妖女性がうまく表現されていたと思う。

※出演した「香山美子」をこのブログで「香川美子」あるいは「香川京子」と誤って記載してしまいました。記事は2006年当時のままの誤表記となっています。正確には「香山美子」です。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (石榴)
2006-02-24 01:49:58
TB、有り難うございました。

乱歩モノ、たくさん御覧になられてますね。私も乱歩は好きです。

そういえば『パレットナイフの殺人』を録画したまま

ほったらかしなのを思い出しました。観なくっちゃ(^_^;)
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『陰獣』いいですね!! (amashin666)
2006-02-26 14:38:25
はじめまして、TB有難うございます!!

『陰獣』は高校の時読んであまりにも強烈だったので夜眠れなくなったのを覚えています。乱歩作品の中で一番好きな話かもしれません。あの後味の悪さがまたたんまりません!映像の方は未見ですが、中々良さそうですね。今度レンタルしてみます。

『乱歩地獄』はご覧になりましたか?もし見ていらっしゃらなかったら差し出がましいですが是非レンタル(まだ出てなかったっけ?)でご覧になってみて下さい。
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ありがとうございます (飾釦)
2006-02-26 22:02:11
石榴さん、amashin666さんコメントさりがとうございます。
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どうも (棺桶大名)
2006-02-28 21:47:27
TB有難うございます。

乱歩作品、『乱歩地獄』を観て以来、他の映画作品にも非常に興味が沸いてきているので今度レンタルして観てみます。元から乱歩の小説が好きなので。本当に、狂気は美しい作品に転じると思います。

過去ログ軽く読みましたが、2月18日の記事、ラストショーに関することですが、私のブログにも書きました。拍手が起こるなんて初めての体験でびっくりでした。
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コメントを (飾釦)
2006-02-28 22:21:32
棺桶大名さん、ありがとうございました。
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はじめまして (みちる)
2006-04-23 10:01:03
TBありがとうございました。

(あおい輝彦つながりでしょうか♪)



実は私は江戸川乱歩の小説、大好きなのです。

「陰獣」は、2時間ドラマになったのを見たことがあります。

寒川役が三田村邦彦で、静子は古手川祐子でした。

ちょっと乱歩的妖しさが足りない気がした記憶があるのですが・・・。

でも、映画は時間も予算も違いますしね、一度観てみてもいいかなっと思いました。



またお邪魔させていただきます!
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ありがとうございます。 (飾釦)
2006-04-23 12:22:05
コメントありがとうございます。みちるさんは軍隊と云うか戦闘というか、統制された美、滅び行く美にご興味があるのでしょうか?
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トラバありがとうございました。 (ウフフマン)
2006-05-14 00:12:53
はじめまして!乱歩の少年向き小説は小学時代、怪奇的、猟奇的なものは高校時代に読みました。今思うとオカシイのですが、何か性的な興奮もあったのかもしれません。乱歩作品で何が一番かと考えると、これは難しいですね。単純な短い話も面白いですしね。再読しようかなと思いました。
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コメントいただき (飾釦)
2006-05-14 20:26:19
ウフフマンさん、ありがとうございます。文学雰囲気語りは面白そうですね。機会があれば読んでみたいです。
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女優の名前 (まりりん)
2010-05-30 05:02:53
この映画に出て来る怪し気な奥様を演じていたのは、香川美子でもなければ香川京子でもありませんよ。
正確には香山美子です。
尚、香川京子という女優は、実際にいらっしゃいますが、こういう役柄は先ずやらないだろうタイプの女優さんです。

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