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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

鬼才、天才、オタクのタランティーノ映画#1 「デス・プルーフ in グラインドハウス」

2012-02-06 | Weblog

■製作年:2007年
■監督:クエンティン・タランティーノ  
■出演:カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、ロザリオ・ドーソン、ヴァネッサ・フェルリト、シドニー・ターミア・ポワチェ、他

 

グラインドハウスに関する本を読んでいると私にとってのそれに相当する映画館はどこだったろうか?と記憶を探ってみると、今から30年前の学生時代へと遡ります。当時はAVといった若いエネルギーに対して応えるものはなくもっぱら日活ロマンポルノがその役目を果たしていました。その日活の映画の公開済みの作品を上映する2番館なるものがあってそれが割と安く見ることができたのですが、さらに安く見れる大蔵映画などのピンク映画を上映している映画館(京都の千本というところにあったと記憶)がありました。3本立てだったと思うのですが、同じ女優が立て続けに出てきたり、同じ現場で違う映画を撮影していたりと、低予算ゲリラ的に製作されたものばかりが上映されていました。当時は、映画を見ながらタバコを吸っていましたね。今では考えられない映画館の座席に座ってタバコを吸う行為、環境はよくありませんでした。

 

前置きが長くなりましたが、極上の映画オタクにして最高のクリエイターであるクエンティン・タランティーノが、ゲテモノ映画ばかりを上映していたグラインドハウスでかかっていた映画を現代に再現させたという「デス・プルーフ」を、昨日のロドリゲス監督の「プラネット・テラー」に続き見ました。タランティーノはこの映画を殺人鬼が次々と人殺しをするスラッシャー映画として作ったということであるそうです。その殺人鬼の役を演じるのがスラッシャー映画で名を馳せた私の好きなジョン・カーペンター監督の常連俳優カート・ラッセルです。このカート・ラッセル、若いときにエルビス・プレスリーを演じたこともあるのでちょっと危ない中年男はピッタリです。その彼はカー・スタントマンという設定で、映画のタイトルになっているデス・プルーフ=耐死仕様になっている車を乗っていて、その車を殺人鬼のナイフの代わりにして女の子を襲うという案配。そのカートに一番目に襲われるのが「プラネット・テラー」で目茶カッコイイ役を演じたローズ・マッゴーワン、こちらの映画では呆気なく殺されてしまいます。

 

しかし、この映画でも女性たちは大活躍で、構成は主に前半と後半に分かれるのですが、前半に登場する女性は、バーでクダを巻いている場面が続くかと思えばスラッシャー映画なので無惨にも全滅させられてしまいます(その中には黒人の名優シドニー・ポワチェの娘がいます)。しかし、後半に登場する女性たちは目茶強く、豪快なカー・アクション&スタントまでを見せてくれます。すごいスタントを見せる女性は本物のスタントマンとのこと。彼女らはカート・ラッセル演じる殺人鬼をとことん追い詰め、最後はボコボコに蹴りを入れまくるという始末。その予想外の展開と女性の強さ。映画は延々と女たちのヨタ話が続くのでそのギャップ、落差がなんとも言えない感覚で落としてくれます。

 

ところで、タランティーノはインタビューで自ら脚フェチと称しているように脚にカメラを合わせた映像が多いのですが、同時にお尻も執拗に撮っている映像も多くあり、評論家の中野貴雄はタランティーノは尻フェチであるとして「デス・プルーフ」は《女のケツを追っかけて素晴らしい世界に行く映画》と評してします。私もその意見には賛成かなと思った痛快な映画でした。

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クエンティン・タランティーノ,ヴァネッサ・フェルリト,ローズ・マッゴーワン,ゾーイ・ベル,ジョーダン・ラッド
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