飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

怪異の世界#52・・・於岩稲荷・田宮神社(東京・新川)

2009-04-15 | ワンダーゾーンの世界
鶴屋南北の傑作「東海道四谷怪談」のお岩さん縁の神社は、すくなくとも東京に3ヶ所あります。昨日までに紹介した2つ、四谷に道路を挟んで斜めに向かい合ってあります。そして別の場所にもお岩さん縁の神社はあります。それが今回記事にしたところ。その神社については田中聡著「東京妖怪地図」に記載がありましたので以下に引用しました。

“町内の火事に遭ったのを機会に、田宮神社は中央区越前堀へ引っ越している。

[明治12年12月12日 朝野新聞]
有名なる四ツ谷左門町のお岩稲荷は今度田宮稲荷と改称し、来る17日に越前掘1丁目4番地の仮殿へ遷座になるとの事。

四ツ谷の跡地は、四谷於岩稲荷保存会本部となった。越前堀へ移ったお岩稲荷はその後順風満帆だったとみえて、明治24年にはフランスに渡る。

[明治24年3月21日 都新聞]
お岩稲荷の洋行 京橋区越前堀のお岩稲荷は、その持ち主田宮義宣氏の発起にて、いよいよ仏国巴里のマルド公園内へ移して建築し、既に7、8分通り出来たるが、費用は9万円余にして、間口5間、奥行8間の総煉瓦3階建てのものなりと云う。

越前堀のお岩稲荷は相当人気が高かったとみえて、翌年の6月6日付「読売新聞」によれば、絵馬の売上げが蠣殻町水天宮に次いでいたという。再び四谷左門町の元の場所に移転したのは、昭和27年のことである。現於岩稲荷(長照山陽運寺)が突然に本家を名乗って四谷に建てられたので、あわてて元の地に戻ったものらしい。ただし越前堀のほうもそのまま残された。”

この“そのまま残された”お岩稲荷が今回訪れた神社であります。場所は東京の地下を走る地下鉄の八丁堀の駅を下車して、10分ほど歩きます。ビル街の中に一見、神社?と迷ってしまう分かりづらい場所にあるました。

正面が拝殿です。当時は繁栄したようですが、今はもうひっそりとあるという感じで、そこがお岩さんゆかりの神社であるということを知っている人も少ないのではないでしょうか?

この御百度石は古くからある由緒あるものだそうです。

御百度石の横の社にもお岩稲荷とありました。


お岩さんの墓(西巣鴨・妙行寺)は昨年の8月に記事としてアップしたことがあります。←よろしければそちらもご覧ください。

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