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■製作年:2011年
■監督:ロマン・ポランスキー
■出演:ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、ジョン・C・ライリー、他
※以下、ネタバレ注意!
ロマン・ポランスキー監督の最新作「おとなのけんか」を見てきた。前作の「ゴーストライター」とはうって変わって一幕ものの室内劇、それも映画の進行とリアルタイムで話が進んでいくというもの。登場人物も2組の夫婦しかでてこない、みようによってはかなり大胆な実験的な作品ともいる。原作は世界的に評価を得た戯曲らしく、日本でも大竹しのぶらが演じたものらしい。約80分を飽きさせずに見させてしまうわけだから、まず、原作の戯曲が素晴らしいこと、そしてその脚色も映画というメディアの特徴を捉えていること、俳優の演技はもちろんのこと、監督の演出の技量、それを支えるスタッフの力も確かではないとできない相談なのではないか?と想像を巡らす。それらをポランスキーは見事クリアし、形に仕上げたっていう感じだった。お見事という一言だ。
子供のけんかに親が顔を出す。和解に訪れたはずが微妙な会話のずれでお互いのエゴを剥き出しに、いつのまにやら夫婦同士のけんかに、それがドンドン飛び火して夫と妻のけんか、男対女にまで展開していきます。それは現代人論であり、生き方論、夫婦論ともみえなくもない。スクリーンで繰り広げられる2組の夫婦の醜い争いは一体誰か?普段は己の欲望、エゴをオブラートに包み隠し、どこかいい人ぶって生きている、実は私達自身そのものではないだろうか?そんな風に思った。観客は自分自身の自画像と気づかずそれを見ながら、スクリーンに展開されるおかしな行動を笑いながら見ている。私も大いに笑って見た。見たけれど、見終わった後にフト気がついた。あれは私自身だと。帰りの電車の中で、ポランスキー監督のブラックな視線に苦笑いのひとつもするわけだ。
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