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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(出演:ノオミ・ラパス)

2012-02-18 | Weblog

■製作年:2009年/スウェーデン
■監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
■出演:ノオミ・ラパス、ミカエル・ニュークヴィスト、他

スティーグ・ラーソンによる小説と現在公開中の映画「ドラゴン・タトゥーの女」を見てすっかり架空の人物であるリスベット・サランデルにお熱になってしまっています。こんな風な感じになるのは滅多にないことかな?一体どうしちゃったんだろう?わかることは、それだけこの人物が魅力的なキャラクターとして作られたということ。なので以前、DVDで見たスウェーデン版の映画「ドラゴン・タトゥーの女」をもう一度見直してみたいという気持ちが起こってきました。ノオミ・パラスが演じたリスベット・サランデルも相当なインパクトがありましたので。

 

このスウェーデン版「ドラゴン・タトゥーの女」元々はテレビ放送用に製作されたそうで本編は3時間版があるようですね。まあ、とにかく原作の小説が長いのですべてを映像化するのは無理というもの。どこをカットしてどこを見せるかは作り手の想いがでるところ。再見したスタートの前半部分、スウェーデン版とデヴィッド・フィンチャー版の細部は違うものの概ね一致している印象を受けました。が、中盤に差し掛かり、少しづつ設定や展開が変わってきます。どちらがその世界に入りやすいかというところなのですが、いずれもヒケをとっていない感じがしました。ただ、スウェーデンのテレビ放送用とハリウッド世界配給として作られたものでは、全体の画面のリッチ感?が違うのは当然なのですが。

 

ミカエル役については、スウェーデン映画に出演した俳優の方が何となく馴染みを持てました。女性に持てる中年男という原作の設定からは、今スクリーンを飾っているダニエル・クレイグの方なのかもしれませんが、社会悪に立ち向かうジャーナリストとしてはクールすぎる感じもしました。一方、私がそのキャラクターにお熱になっているリスベット・サランデルは、スウェーデン版のノオミ・ラパスもフィンチャー版のルーニー・マーラも、共に甲乙つけがたい持ち味がありました。無愛想で狂暴性も持ち合わせた人物を演技を見せリスベットのイメージを決定づけたことではノオミ・ラパスの貢献度は大きいでしょう。しかし、設定年齢よりもかなり上に見えてしまうのが難点か。背も低く胸もなく子供のような体型で…というのはノオミ・ラパス。しかしクールで透明感あるフィンチャー版のルーニー・マーラも目が釘付けになるようなキュートさを持っていました(できるならアカデミー賞あげたいくらい)。強いていうなら、私は、ミカエルはスウェーデン版、リスベットはルーニー・マーラが好みでしょうか…。

 

ラストの展開についてはスウェーデン版とフィンチャー版とでは大きく違います。それにより作品を見た感想も違ってきます。私はこの稀有な作品の主人公であるリスベット・サランデルに惚れ込んでしまったのは、小説にある仄かな恋心が失墜したところを描いたのを読んだのがきっかけで、その時、胸キュンという感じで心臓丸ごと鷲掴みされた感じがしました。そうした点では、現在、公開中の映画の方がその印象にははまっています。でも、リスベットというキャラクターを見た場合、スウェーデン版の清々しい終わり方もありだなと思いました。結論はどちらもよく仕上がっている作品ということ落ち着きそうです。

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※以下、2010年10月26日の記事

世界的に大ヒットベストセラーになった小説の映画化であるそうです。全3部作になっていて今回の1部を除く2作品が連続公開されているので、それを見ようかどうかを見極めるために、まずこの「ドラゴン・タトゥーの女」を見てみました。その感想は微妙に面白い、微妙に変、微妙にこじつけている不思議な感覚の映画だったというところでしょうか?この作品はスェーデン映画ということで、ボクにとってはベルイマン監督のイメージが強い国の映画で地味な印象があるのですが、そこはイメージを心地好く裏切られて、主人公である女性がパンクなファッションで身を固めて登場するので意外な感覚に陥らせてくれます。どこの国だって過激なファッションの女性はいるのでしょうが、パンクでアナーキーな感じのイメージは、アメリカかイギリスかの変な先入観としての固定概念がいつのまにかついてしまっているんですね。



映画は物語のサスペンス溢れる展開よりも、まずその異様な雰囲気を醸し出す女性、ドラゴン・タトゥーを背中に彫った天才ハッカー・リスベットを演じたノオミ・ラパスの魅力に尽きると思います。あまり映画では見たことのない稀有なキャラクターで、セクシーであるとかカッコイイとか綺麗とかの要素を強調しているのではなく、寧ろ心の奥底にトラウマを抱え一種病的でもあるような感じを前面にだした人物なのです。そのリスベット(=ノオミ・ラパス)はやすやすとネットワークをハッキングして情報を盗み出すとともに、街のゴロツキに勝てることない喧嘩を売ってボコボコにされたり、後見人であるサディスティックな気のある変態オヤジに簡単にレイプされたり(ただしこちらの場合は計算づくか)、欲情したと思ったら男の上にまたがり腰を激しく動かし事が終わるとまるで男のようにさっさとベッドから離れていったりと、クールと言えばクールな部分もあるのですが、その外見とは裏腹に必死さ、悲壮感も見えかくれしこの女性はどういった人なんだろうと興味が沸いて来るのです。



その彼女が主役であるということもあるのでしょうが、どこか不健全で異様な雰囲気とゴシック的感覚を合わせ持った映画で、謎解き的要素が前面にでて展開されるのですが、最終的に思わせぶりで終わってしまうところがあり、実は快楽殺人であったという、物語の構成において少々拍子抜けの部分もあるのも事実です。ただ快楽殺人であるというキーワードを導入されていること、先に不健全で異様と書いたように、男性の性的欲望が暴力的なものに支配されているといった切り口が前面に出ていて一種の告発映画にもなっているのかもしれません。基本的には飽きさせないで見せる映画でありました。



ところで、ノオミ・ラパスによる宣伝トークがDVDには特典映像としてついているのですが、今回演じた特異なキャラクターとは似ても似つかない清楚で美しいのです。そのギャップにははびっくりしました。彼女のの素顔に近いような短いの映像を見て感動、とても美人なのです。ボクはその落差がかっこよく感じ、もっともっと活躍して欲しいなと思いました。体当たり演技をしているのですから。(どうやらアメリカ進出するそうですが)がんばってほしいですね。






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