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にあんちゃん(1959年)
■製 作:日活
■製作年:1959年
■監 督:今村昌平
■出 演: 長門裕之、松尾嘉代、沖村武、前田暁子、北林谷栄、他
舞台は炭鉱地、四人兄弟(喜一、良子、高一、末子)の親の葬式の場面から映画は始まる。子供達だけが残された。人情家の辺見(殿山泰司)は、会社からの死んだ親に対する涙金では3日も食えないから、残された兄弟達の柱となる長男・喜一(長門裕之)の処遇を特別臨時雇いから本雇いにしてやってくれないかと人事の?課長に交渉をしている。遺体は船で海の沖へと運ばれる(水葬か?)悲しみに遺体の父を追っかけて海へと飛び込み追いかける次男の高一。
在日朝鮮人の話とは事前知識で知っていたが、オババの少しおかしい発音からはそれを感じ取ることができるが、映画の葬式は日本式のようにも見える。その辺りの知識が乏しいのでどうなのかわからないが、この冒頭を見る限り在日朝鮮人の話であるとはあまり伝わってこなかった。
その後の展開においても、それは声高にそれと語られることはなく、断片的な台詞でそうと分かる程度の演出となっていた。これは今村監督の意図的なものなのだろうか?苦境に陥った喜一にオババが、長崎の料理屋に話が来ている“口べらし”のために働きにいかせたらどうだ、きれいな着物を着せたらお金を稼げると持ちかける。喜一はそんな怪しい所へは行かせないと断る。
そんなさりげない会話の中に、人生に抗うことの出来ない苦難・苦悩への呼び水がカラッと描かれている。そしてそんな悲惨な状況を打ち消すかのような黛敏郎の美しい旋律の音楽が流れそれがまた何とも言えず心に響くのだ。
しかし、ボクは映画を観ながら話の展開とは別に、保健婦役の吉行和子が若いなーと、そしてピタッとヒップに張り付いたタイトスカートに眩しさを憶えてしまう、そんな不遜な感情を抱いてしまう。なつかしさあふれる映像から今から25年以上前に在日韓国人の女性と付き合っていたことを思い出すのだった。彼女もタイトスカートが似合う女性であったから。その付き合いの中で、彼女との甘い時間と同時に、韓国と日本の悲しい歴史や現実などいろいろ知った。そういった若き日の記憶が甦ってくる。いろいろな想いが錯綜しながらごった煮の感情の中で映画は始まった。
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本を読み終えたあと、子供たちにも読むように薦めました
今の日本人に欠けているものがたくさん詰まってるような気がしました。
中々力の入った出来ばえもいい作品です。
ヘンに媚を売るわけでもなく、現実をしっかり描き、しかしそこに人間へのあたたかい眼差しがある素晴らしい映画なので、そちらもご覧いただくことをオススメいたします。