ワタミ裁判第2公判

ワタミ裁判。

現在消費税増税を前に大手ファーストフードチェーン店の牛丼のすき家が過剰な業務に
反発した従業員の職場放棄によるボイコットなどによって多くの店舗が一時的閉店に
追い込まれる中、有名ブラック企業のワタミが過労によって自殺したとされる事件の裁判が開かれた。

亡くなったのは森美菜さん26才でした。入社して僅か2ヶ月後に「体が辛い」とメモに残して
マンションから飛び降りた。この裁判で第一公判を欠席したワタミ元会長の渡邉美樹元会長が
出廷して被害者遺族に謝罪を繰り返した。

原告側はこのワタミ元会長の再三に渡る謝罪に対して原告側は誠意ある対応が無ければ二枚舌だと
非難した。この第2回公判の後にワタミ側は約1割の店舗を閉鎖して他の店舗に従業員を配置して
労働環境の改善への取り組みを発表した。

私はこのワタミ元会長の渡邊氏の対応は誠実さを兼ね備えた素早い対応だったと評価したい。
常々魔女狩りのように扱われる渡辺氏のサイコパス性が表だって批判の的になるのですが、彼の
良識あるコンプライアンスの一片を見たと思う。社内に設けた外部有識者会議の調査により
裁判の内容はまだ安全配備に不備は無かったと原告の主張に対抗する部分もあるが、社会的な道義は
果たしていく方向にワタミは動いている。

渡邊元会長は今の牛丼のすき家ゼンショーで起きている従業員のボイコット一時閉店騒動をどのように
見ているのだろうか？　そしてメモだけ残して自殺した被害者家族や原告側はこの問題に対してどのような
感想を持つのだろうか？　被害者である自分の娘の姿を投影している所もあるのではないか。

言わずと知れた渡邊元ワタミ会長は自民党の参議院議員だ。彼が自民党から公認を得て立候補するには
多額の金額を自民党に納めなくてはいけない現実があった。そしてそのしわ寄せが会社側の従業員に
来ている社会性を労働問題の観点からどのように判断できるものであろうか？

現在の厚生労働大臣は疑惑の渦中にある田村憲久大臣でこちらも徳洲会からの献金疑惑があるのではないかと
囁かれている人物。本来ならば裁判の前に行政的な指導や管理が無くてはいけないはずの労働環境に
行政的なメスが入らないことは状況証拠からも必然である。
渡邊氏が出廷したのはやはり社会的な要因が大きいとみられる。

このような悪行が罷り通るには術がある。話の出来る政治家に知り合いを作り個人的に献金を行うのである。
もしくは水面下でメリットを流用するのです。言わずと知れた裏手口なのですが、ワタミに関しては問題が
深刻化する恐れがある為に、また話題性が高い為に関与した政治家自身も火の粉を被る事を恐れて敬遠され
てきたので、渡邊氏が自ら政治家になり、体制的な効率を得ようと努力したのである。官民の癒着を一人
二役でDIYしてるんだな。
もしかするとワタミ側も弱くて辛い立場に居るのかもしれません。


自殺の原因が厳しい労働条件にあるとしてこの問題は過労死扱いで訴訟が起こっているが、
現代社会ではワタミ以外でも過度な労働が原因で自殺に追い込まれるケースが多い、そしてその全てが
労災と認定される訳では無い。医療の現場で医師が自殺するケースが多いがそのほとんどは職場とは関係ない
個人的な問題として片づけられる。もしも自殺する一週間前に休みを取っていれば、過剰労働とは見なされない
そればかりか、もしも休日にプライベートの用事が有ってゆっくり休めなくてもそれは個人の管理ミスだとして
労災として認められない。そして休日出勤の場合も同様に考えられており、休日出勤はあくまでも
自己責任で行わなくてはならない。今は少し改善されたかもしれないが・・・数年前まではそうであった。

ワタミの事件は入社して2か月余りで起こったのだが、医療の現場では長期化すればワタミと同じような
状況に従業員が陥る可能性が十分にある。　これが法律では適応とされるのが現実である。
ワタミ側の安全配備の欠如は無かったとの主張は必ずしも渡邊氏のサイコパス的な考えでは無い。
もしかするとワタミ裁判はブラック企業そして社会の悪役を買って出た渡邊元会長がMVPになるかもしれない。

今のワタミには社会に対してコンプライアンスがある。誠実さがある。今後の日本の労働条件に関する
法律の為に裁判を行うのであれば、それは返って素晴らしい事になるのではないだろうか？
少なくともこのワタミ裁判には日本企業と働く人のの未来がある。
裁判所はどうしようもない程腐っているけどな。裁判に勝つ為には法律を利用する事と、出来るだけ数多くの
情報を提供することなのだ。例えそれが事実でなくとも証拠と見なされればそれで良いのである。