2019年10月ISILの指導者であるバクダディーが死亡したと米国トランプ大統領は発表しました。
何度目のバクダーディー死亡発表だろうか、オバマ大統領の時には有志連合軍の空爆によって
瀕死の状態に追い込まれ死亡したと情報が出回ったが、確かな情報では無かった。そして死亡説
から数か月後にはバクダディ生存の可能性が指摘され前の死亡説については払拭されるの繰り返
しだった。中にはバクダディの正体は米国CIA・イスラエルのモサド・英国MI6の3ヶ国が利用し
ている操り人形に過ぎないので生死によるISILの如何は無意味とする見解もあった。
バクダディの生存の是非に由らず、中東シリア・イラクで軍事行動を中止したければ、米国は何
時でも中止できるはずだが、遠の昔に戦う意味など失ったISILとの攻防では止めるにもこれまで
の軍事行動が無駄では無かったとする十分な説得力のある結論と大儀名分が必要になってくる。
その為にISILの指導者バクダディの死を利用するもだ。かつてのブッシュ大統領時代にイラクの
フセイン像が人力によって引き倒され米国の勝利と正義を象徴したようにISILとの戦いにも終わり
を告げる価値あるフィナーレが必要となる。 静かに終わりの時を迎えようとするイラク・シリア
を舞台にした紛争に、この中東情勢の意味を知るにはもっと大きな国際関係を理解しなくてはいけ
ない。そして紛争の内容が残念ながらチートなモノであることも理解する必要がある。
今トランプ大統領が中東でしている事は前政権が好き放題に散らかした中東情勢の後始末に過ぎな
いのは既にナンバーワンでは無くなった米国の少し惨めな現状を体現化している。
ちなみに一回目の米国の空爆によるバクダディ死亡説は英国メディアからの発信でした。それを考えると
米国は途中でミッションの失敗を悟っていたのかもしれない。それでも止められなかったのは後の大統領選
で争点となるベンガジ米国大使館襲撃事件が絡んでいるからだろう。