今「独立」という言葉が非常に危うくなってきている。近年のネトウヨによる
右傾化によりあらゆる言葉が歪曲されてきた事実を踏まえると再び非常に忌々しき現象
だと思える。
無責任にもシンクタンクと名乗り、政治解説者の地位を確立する者の中にはこの「独立」という
単語を惜しげも無く使用する身勝手な理論を持つものも居る。
「独立国」「自立国」「普通の国」などと唱えてもどう考えても米国の属国化に加担す見が多い、
もしくはそれに繋がるものばかりだ。現在の安倍総理の訪米から米国議会での演説にもあるように、
日本は米国との同盟関係を間違いなく強化する方向に進んでいる。
これのどこが独立国なのだろうか。
実際は憲法9条により制限されていた自衛隊の活動が開かれて米国と共に世界で活動が可能となった
ばかりでなく、今後は集団的自衛権により当然のように米軍のお供となることは言うまでも無い。
そしてこれは決してNATOの関係ではない。日米間の外交上の同盟だ。
NATO入りして初めての一人前の国というのだが、結局日本は海賊対策でしかNATO入りできなかった。
日本は日本の為に集団的自衛権や自衛隊の活動の幅を広げて来たはずなのだが、正直、対中国や対韓国との
軍事的な衝突はこれまでの専守防衛の範囲で対応が可能なものばかりであったはず。
2010年の尖閣諸島中国漁船衝突事故も国際法上日本の統治権が及ぶ地域での事件であり、集団的自衛権も
憲法9条にも抵触しない。ましてや領土問題には到底及ばないはずだった。
日本の軍事的な優位性が喜ばれ、更なる行動力の拡大の為にそして米国の後ろ盾を貰うために日本は
米国寄りの政策に大きく舵を切っていく瞬間を目の当たりにした。
もしも日本が「独立」を願うのならば、尖閣諸島問題を自国の努力のみで解決し、当事国同士での
解決を前提として国連のお世話にはならずに済むのならば「独立性が高い」と呼べるはずだった。
実際にはこれまでの米国との軍事関連は世界への覇勢と憲法9条のつり合いの取れない外交関係から
歩幅を合わせることの出来るようになった日本。紛れもなく独立の為の軍事力の強化ではない。
米国とスタンスを合わせる為のモノだ。
これを属国化と云わず何と言おう。「独立」では無いことは確かだ。
表向きは対中国という名目で国民意識を右傾化させたが結果は日米同盟でした。TPPでした。
AIIB不参加でした。最近の米国の在り方は最も古く最重要視されるべき英米同盟の疎遠から
反故に進み、シリアでの英国ロスチャイルドのゴラン高原を狙った中東政策はいまも尚、ISという
テロ行為の暗い影を落としている。
今後の日米同盟を占う意味でもこれまでの英米同盟が何故形骸化し、効力を失ったかを
知るべきだとおもう。 それにしても安倍総理の米国議会の演説は変わり映えのしない予想通りの
内容であったのでどこかおさらいをしてる感じもした。