218『自然と人間の歴史、世界篇』真空と大気圧の発見(1643)
1643年に、ガリレオの弟子のイタリア人エヴァンジェリスタ・トリチェリ(1608~1647)は、一方の端が閉じたガラス管に水銀を満たし、このガラス管の底を上にして立てると、水銀柱は約76cmとなり、それより上の部分が真空になっていることを発見した。これは、容器の周囲にある空気が圧力となって水銀を押したものと考えられる。
続いての1654年、ドイツのオットー・フォン・ゲーリケ(1602~1686)は、ブロンズ製の直径40センチメートルの銅半球を2つ合わせて中空の球にする。それから、自身の考案した真空ポンプを使って内部の空気を抜いて真空にするという公開実験を行う。すると、この2つの半球はぴったりとくっ付き、球の両方を16頭の馬で引っ張ることでようやく外すことができたという。この実験は、彼がマクデブルクの市長を務めていたことから、「マクデブルクの半球」として知られる。
これらは真空の発見であると同時に、気圧というものの発見でもあった。大気圧が如何に大きいかがわかることで、自然認識が大いに進んだのは確かだ。
(続く)
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