♦️953『自然と人間の歴史・世界篇』アメリカの消費者物価の動向(2021年1月)

2021-02-24 19:46:38 | Weblog
953『自然と人間の歴史・世界篇』アメリカの消費者物価の動向(2021年1月)

 ここでは、アメリカの物価の動きと、その背景にあるものを考えてみよう。まずは、2021年1月の統計が出ていて、それにはこうある。

「Table A. Percent changes in CPI for All Urban Consumers (CPI-U): U.S. city average Seasonally adjusted changes from preceding month

July.2020、Aug.2020、Sep.2020、Oct.2020、Nov. 2020、Dec.2020、Jan.2021、(Un- adjusted 12-mos. ended Jan.2021)

All items.................. .5 .、.4 、.2、 .1 、.2、 .2、 .3 、1.4。
Food...................... -.3、 .1、 .1 、.2、 .0、 .3 、.1、 3.8 。
Food at home............. -.9、 .0 、-.3 、.1、 -.2 、.3 、-.1 、3.7 。
Food away from home (1).. .5 、.3、 .6 、.3 、.1 、.4、 .3、 3.9。 Energy.................... 2.1、 .9 、1.4、 .6、 .7、 2.6、 3.5、 -3.6。 
Energy commodities....... 4.5、 2.1、 1.4 、.7 、.5、 5.1 、7.3、 -8.7 。
Gasoline (all types).... 4.8、 2.1、 1.7、 .7 、.5 、5.2 、7.4 、-8.6。
Fuel oil (1)............ 4.5 、2.2 、-3.0、 .7、 3.3、 10.2 、5.4 、-16.5。
Energy services.......... .0、 -.2 、1.3、 .5、 .9、 .2、 -.3、 2.1。 
Electricity............. .2 -.2 .8 .6 .3 .4 -.2 1.5 
Utility (piped) gas service.............. -.7、 -.1、 3.1 、.4、 3.0、 -.4、 -.4 、4.3。
All items less food and energy................. .5、 .3、 .2 、.1 、.2 、
.0、 .0 、1.4 。
Commodities less food and energy commodities.... .7 、1.0、 .5、 .0、 .0、 .1、 .1 、1.7 。
New vehicles............ .7 、.0 、.3 、.3 、.0、 .4 、-.5 、1.4。
Used cars and trucks.... 2.8 、5.7 、5.3、.9 、-1.4 、-.9 、-.9 、10.0。 Apparel................. .7 、.4 、-.4 、-.9、 .7 、.9 、2.2 、-2.5 。
Medical care commodities (1)...... .0 、.3 、-.6 、-.7、 -.4、 -.2 、-.1、 -2.3。
Services less energy services.............. .5 、.1 、.1 、.1 、.2、 .0 、.0、 1.3。
Shelter................. .2、 .1、 .1、 .1 、.1、 .1 、.1 、1.6 。
Transportation services 2.8、 -.7 -、.3 、.2 、1.3 、-.6 、-.3 、-4.1。 
Medical care services... .5、 .1 、.0 、-.3 、-.1 、-.1、 .5 、2.9 。
(1)1 Not seasonally adjuste」

 見られるように、アメリカ労働省が、1月の消費者物価指数を発表した。それによると、1月の消費者物価指数(季節調整済み)は、前月より0.3%上昇した。前年同月比では、1.4%の上昇となった。

 前月に比べての上昇率は、昨年12月(改定後)の0.2%から僅かながら拡大した。2021年1月のエネルギー価格は同3.5%上がり、全体を押し上げた形だ。エネルギーのうち、ガソリン価格は、同7.4%値上がりした。他の品目では食品も、同0.1%上昇した。

 なお、変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前月から横ばいだった。前年同月比では1・4%上がったという。

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 そこで、政策当局などは、これをどのように見ているかを少し紹介しておこう。物価の番人でもあるFRB(連邦準備制度理事会)が掲げるのは、これまでのところでは「2%のインフレ目標には程遠い」ということになるだろう。

 そのFRBが議会に提出した、「Monetary Policy Report submitted to the Congress on February 19, 2021, pursuant to section 2B of the Federal Reserve Act」の一節には、こうある。
 「Inflation. After declining sharply as the pandemic struck, consumer price inflation rebounded along with economic activity, but inflation remains below pre-COVID levels and the FOMC's longer-run objective of 2 percent.

The 12-month measure of PCE (personal consumption expenditures) inflation was 1.3 percent in December, while the measure that excludes food and energy items—so-called core inflation, which is typically less volatile than total inflation—was 1.5 percent.

Both total and core inflation were held down in part by prices for services adversely affected by the pandemic, and indicators of longer-run inflation expectations are now at similar levels to those seen in recent years.」
 要は、この1年間をみる限り、物価目標は未だ達成されていないことになり、そもそもインフレーションと呼べる状況にはなりそうにない、という訳だ。

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 折しも、米商務省のとりまとめによる、2021年1月の小売売上高は、季節調整済みで前月比5.3%の増となった。この中のコア売上高は、GDP(国内総生産)の個人消費の構成要素と密接に連動するもので、先行指標の意味あいもあろう。
 これが増加したのは4カ月ぶりのこと。大幅増ということでは、7か月ぶりで、注目を集めているようだ。
 増加の主因は、政府の新型コロナウイルス対策支援金で消費が押し上げられたと見られる。経済活動は昨年末に感染再拡大を受け停滞したが、年明け以降は盛り返しているようだ。
 そこで大幅増の内訳を見るとしよう。その一部は、季節調整要因によるテクニカルなものだと考えられる、自動車を中心に広範な部門で売上高が、前年同月比で7.4%の増。2020年12月は、前月比1.0%減と、当初発表の0.7%減から下方修正された。
 また、2021年1月の自動車・ガソリン・建設資材・外食を除くコア小売売上高は、転換点を越したというべきか、6.0%と大きく増加した。ちなみに、前月は2.4%の減少(改定後)であった。

(続く)


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