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【tv】ぶらぶら美術博物館「ゴッホ展」

2019-11-07 23:22:11 | tv

【tv】ぶらぶら美術博物館「ゴッホ展」

 

 

 

現在開催中の展覧会を紹介する番組。今回は上野の森美術館で開催中の「ゴッホ展」を取り上げていた。見に行きたいと思っていたので、メモ取りながら鑑賞したので記事にしておく😌


実は、WOWOWでも各30分前後編でゴッホを紹介する「ゴッホ展」関連の番組があって、録画して楽しみに見たのだけど、お笑い芸人たちのボケ連発に辟易。個人的に全く笑えず😫 途中で鑑賞を止め、後編の録画予約も解除してしまった。専門家を招いてゴッホを紹介しようとしているのに、何故いちいち笑い入れなきゃいけないのか。笑いを入れてもいいけど、それがゴッホの魅力を引き出すことにつながっているならともかく、単なるおふざけにしか見えず、専門家の方も全く笑っていなくて迷惑そうだった。

 

そういう意味ではこの番組もおぎやはぎがレギュラーとなっているので、笑いを取ろうという感じは見れるものの、作品について語っているので自分としてはギリギリOKかなと思う。以前はダウンタウンのファンでお笑い好きだったのだけど、昨今の教養番組でさえお笑い芸人と若手女性タレントが出演して、なんでも茶化すというような風潮にうんざりなので、番組には直接関係ないけど記載しておく😌 だってせっかく楽しみにしてたのに残念だったので😢

 

さて、気を取り直して、今回の講師は東京藝術大学教授の熊澤弘氏。とても分かりやすく情報量も多くて大満足の解説だった。

 

今回の展示の特徴としては、ゴッホがいかにしてゴッホになったかということを展示していることだそう。フィンセント・ファン・ゴッホ(Wikipedia)は独学で絵を描き始めた。その最初の作品からハーグ派そして印象派との出会いを経て、自らの絵を確立させた晩年までを一気に見せる企画展となっているのだそう。

 

ちなみに前述したWOWOWの番組によると、日本ではゴッホ呼びしてしまうけれど、本来はファン・ゴッホと呼ぶのが正しいのだそう。ファンというのは"~の"という意味があるそうで、その後には地名などが入ることが多いとのこと。レオナルド・ダ・ヴィンチ的なことかしらね?

 

「籠を持つ種まく農婦」(画像見つけられず😢)は独学で描いた最初期の作品。着色もなくほぼ線のみで描かれたその作品は、たしかに山田五郎氏の言うとおり上手くない😅 でも、この段階でジャン・フランソワ=ミレー(Wikipedia)の影響を受けているのだそう。バルビゾン派(Wikipedia)の代表ミレーはオランダでも有名だった。

 

ゴッホの父親は牧師で、伯父3人は画商だった。伯父のもとで働き出したが、ロンドンの画廊に勤めている時、下宿の娘に失恋し引きこもってしまい仕事をクビになってしまう。その後、牧師になろうとしたり、ベルギーの炭鉱で働いたりするも、いろいろやり過ぎて変人扱いされて馴染めない。見かねた弟テオことテオドルス・ファン・ゴッホ(Wikipedia)が画家になるように勧め、ミレーの複製版画などを参考資料として提供した。前述のWOWOWの番組によると、テオは画商として年商1000万円くらいの収入があったが、ゴッホに1,800万円くらい貢いだらしい。そりゃ大変だったね😣

 

フィンセント・ファン・ゴッホ「疲れ果てて」

 

ハーグ派(Wikipedia)の画家で従姉妹の夫であるアントン・マウフェ(Wikipedia)の指導を受ける。生きた人間をモデルに描くようアドバイスを受ける。従姉妹をストーキングして父親に叱られて家出してハーグに出るも、子持ちの娼婦と同姓するなど問題を起こす。質素な暮らし、苦悩を描く。宗教的な感覚。宗教は重要なファクターだった。

 

今回、作品展示の壁の上に書かれているのはゴッホの手紙の言葉。主にテオに宛てた手紙。たくさん残っているので、ゴッホの足跡や考えていることなどが分かりやすい画家なのだそう。

 

 

 アントン・マウフェ「雪の中野羊飼いと羊の群れ」

 

ハーグは日本でもおなじみのスケベニンゲンの近くで、風光明媚な場所で画家が集まって来た。ハーグ派の画家アントン・マウフェは風景画を得意とした。この作品はとても上手い。ハーグ派はオランダのバルビゾン派と呼ばれ都会から離れて風光明媚な場所で描いた。

 

ハーグ派の日本での知名度が低いのは、日本国内に作品が少ないから。日本にある数少ないハーグ派の作品が東京藝術大学にある「河辺」で、幕末に幕府が発注した軍艦製造の進捗確認目的で派遣された留学生が持ち帰ったもの。その後、日本では美術学校や美術グループがイタリア美術へ傾倒して行った。薩摩派が主流で代表的な画家は黒田清輝(Wikipedia)など。同時にオランダ美術も縮小してしまったことが原因。

 

ヨゼフ・イスラエルス「縫い物をする若い女」

 

ヨゼフ・イスラエルス「縫い物をする若い女」は左から光が差し込んだりとヨハネス・フェルメール(Wikipedia)を思わせるが、実は第二のレンブラント・ファン・レイン(Wikipedia)と呼ばれた人物。働く農婦を描く。前半のゴッホが好んだ作品。貧しくともコツコツ働くことが素晴らしいと考えていた。

 

ゴッホは例えば服を全部あげてしまったりやり過ぎてしまい人に敬遠されてしまう。30歳で自宅へ戻る。テオのゴッホの支えっぷりがスゴイ。不思議な兄弟愛。

 

フィンセント・ファン・ゴッホ「農婦の頭部」

 

「農婦の頭部」の農婦はホルディーナという女性で、彼女をモデルに40枚ほど描いているのだそう。今作はパリに行く直前に描いたそうで、テオへの手紙で"人物なくしてその他のことを理解できない"と書いているのだそう。とはいえ、この絵を評し山田五郎氏は売れるわけがないと言っていて笑った🤣 テオとしてはとにかく落ち着いてもらいたい。現場で描く主義だから農民としては迷惑。噂レベルではあるが、父親がプロテスタントの牧師で、ニューネンはカトリックの村で対立もあったのではないか? 農婦の娘を妊娠させたという噂が流れゴッホを排除する動きがあった。かわいそう😢 とはいえやっぱり挙動不審だったんでしょうかね。


フィンセント・ファン・ゴッホ「器と洋梨のある静物」


「器と洋梨のある静物」は茶色ベースだがいろんな色を入れようとしている。カッコイイ。静物画というのは写真とは違い、モチーフの構成を決める必要がある。その練習←とメモが残っているのだけど、その練習として描いた作品という意味かな?🤔 手前の洋梨のみ色が変えてアリ、ここから構図を展開して行ったことが分かるのだそう。初期の色彩の暗い時代から構図を試行錯誤していた。


父親の死後アントワープへ出て美術学校で学んだりしていたが、1886年パリのテオを頼って来る。ここから第2章として印象派に学ぶ時代に入る。


クロード・モネ「クールブヴォワのセーヌ河岸」


クロード・モネ(Wikipedia)の「クールブヴォワのセーヌ河岸」は実は、ジョルジュ・スーラ(Wikipedia)の「グランドジャット島の日曜日」でおなじみの、グランドジャット島から見ている構図なのだそう。暗い絵ばかり描いていたゴッホは印象派の明るい色彩にビックリしたらしい。印象派のこともモネのことも知識として知っていたもののピンときていなかったけれど、実際に作品をみてビックリしたのだそう。


ゴッホが出て来た時期は第8回印象派展が開催されていた頃で、まさにスーラの作品が物議をかもし仲間割れが起きてしまい、最後の印象派展となったのだそう😢 ゴッホはモネの絵画を見て"ああ、クロード・モネが風景を描くように人物を描かなければ"と手紙につづっているらしい。

 

アドルフ・モンティセリ「陶器壷の花」

 

アドルフ・モンティセリ(Wikipedia)という画家は知らなかった💦 モンティセリは1824年マルセイユ生まれで、印象派以前の画家なのだそう。ポール・ドラローシュ(Wikipedia)に師事したそうで、厚塗りが特徴。ゴッホはモンティセリの後継者になりたかった。ゴッホ流解釈。

 

ゴッホはパリでフェルナン・コルモン画学校へ通い、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Wikipedia)、ポール・シニャック(Wikipedia)らと出会った。同時期には林忠正(Wikipedia)の店があり、ゴッホ自らカフェで浮世絵展を開くなど、浮世絵の影響も受けた。どうやらカフェの女将といい仲になってしまったというオチもあるらしい😅 印象派より若い世代が出て来て、ポスト印象派主義の時代だった。

 

 

フィンセント・ファン・ゴッホ「アニエールのボワイエ・ダルジャンソン公園の入口」


「アニエールのボワイエ・ダルジャンソン公園の入口」にはスーラの影響が感じられるとのこと。なるほどゴッホ特有の線を描いているようなタッチは点描をゴッホ流に解釈したものだったのね😲 新しいフェーズに入った。色を混ぜずに点描。どんどん吸収していく。また社交性も発揮している。


フィンセント・ファン・ゴッホ「パイプと麦藁帽子の自画像」


「パイプと麦藁帽子の自画像」は明るい色使い。たしかにパステルカラーっぽい色使いだし、タッチもちょっと抽象画っぽくていいかも😃 麦藁帽子はモンティセリの影響だと語っていたそうだけれど、モンティセリは特別麦藁帽子が象徴的な画家ではなかったそうで、ゴッホの中だけでモンティセリの特徴となっているのだそう。ちょっとゴッホそういうところがあるんだね😅


友人も増えたりといきなりの社交性を発揮しているように見えたけれど、どうやら無理していたらしくお酒とタバコの量がヤバイことになってしまったらしい。そこでアルルに移ることになる。

 

フィンセント・ファン・ゴッホ「麦畑」

 

ギアがくる?とる?とメモ取ってるんだけど何のこっちゃ😅 多量に描くうちにゴッホ流を確立した。1888年ゴッホらしさ←ってメモしてるけど意味が分からない💦 

 

ゴッホはアルルを日本だと思って移住。日本の浮世絵に光を感じたそうで、日本に対して南国のようなイメージを持っていたらしい。どこで得た知識か不明だけど、日本の画家は共同生活をしていると思い込んだ。浮世絵版画の彫師や摺師などの工房を共同生活と勘違いしたのかな?🤔 とにかく、その共同生活に憧れて、黄色い部屋に向かう。「ひまわり」はその食堂を飾るために描いたもの。しかし画家たちの賛同が得られず、来たのはお金に困っていたポール・ゴーガン(Wikipedia)のみ。ゴーガンはテオに頼まれて費用をテオが持つという条件で来たわけなのだけど、そうとは知らないゴッホは大変喜んだ。それでも最初は刺激を受け合い上手くいっていたけれど、そこは個性の強い2人のことぶつかり合う。ゴッホの耳切り事件などがあり、共同生活は破綻してしまう。

 

フィンセント・ファン・ゴッホ「サン=レミの療養院の庭」

 

ゴーガンとの共同生活に破れた後、ゴッホには辛い出来事が続く。仲良くしていた郵便配達員の夫妻が転勤になってしまったり、テオが結婚してしまったりして孤独感を深める。村人からはゴッホ排斥の嘆願書が出されたりする。かわいそう😢 ゴッホは自らサン=レミの療養所に入院する。発作が度々起きるけれども、描ける時は絵を描いていたそうで、「サン=レミの療養院の庭」もその頃の作品。これとても良い。色使いが好き。

 

フィンセント・ファン・ゴッホ「糸杉」

 

そして「糸杉」ですよ! 入院1ヶ月の頃に描いた作品。全体的な歪みがスゴイ。歪み=精神の不安定さ。歪みとうねり。山の稜線がうねり、糸杉は燃え上がっているよう。外出が許されて糸杉と出会ったのだそう。ゴッホにしか見えない見え方。こう見えている。うん。そうなんだろうね。こう表現したいということよりも、きっとこう見えていたんだと思う。

 

ゴッホはガシェ博士の助けを得てオーベルニュへ向かう。「ガシェ博士の肖像」が紹介されていて、今回展示があると思われるのだけど、画像検索すると別の作品しか出てこない💦

 

フィンセント・ファン・ゴッホ「薔薇」

 

「薔薇」は亡くなる直前の作品。体調が良くなり多く絵を描いていた時期。バラやアイリスを多く描き、連作を意識して描いていたのだそう。花は安定している。パワフルな作品と語っていたけれど、確かにパワフル。これは好き。

 

フィンセント・ファン・ゴッホ「赤い葡萄畑」

 

ゴッホは生きているうちに全く評価されなかったと言われているけれど、実は1890年にレ・ヴァン展(Wikipedia)に今作を出展していて、アルベール・オーリエ(Wikipedia)に高評価を受けたのだそう。すると自分は大したものじゃないと彼に手紙を出してしまったらしい😅 ブレイクする兆しはあった。

 

しかし、1890年7月6日にパリのテオを訪ね、どうやらそこで何かがあったらしい。テオ本人もしくは妻から援助を断られたのではないか? 帰宅後大変落ち込んでいたそうで、7月21日ピストル自殺してしまう。半年後テオも入院し翌年1月に亡くなってしまう。

 

「薔薇」を描いていた時、ゴッホは死を目指していたわけではないので、その後の展開はどうなっていただろうか? ブレイクしたらどうなっただろうか? 売れ始めたら売りたくないと言うのじゃないか。と、出演者たちは盛り上がっていた。

 

太く短い人生とも語っていて、確かにそのとおりだと思う。27歳で画家になり37歳で自殺してしまったので、活動期間は10年。その間、いろんなところで他者から排斥されている。排斥する側にも理由があるとは思うので、おそらく奇行が目立ってしまったのでしょう。感受性が強過ぎる部分はあるとは思うのだけど、何かしらの障害があったのかもしれない。晩年は鬱病かしらね? 

 

辛い人生だったからからこそ作品が生み出せたともいえるかもしれないけれど、それだけじゃあまりにも辛い。でも、パリで社交性を発揮していた時は、たしかに無理していた部分もあったと思うけれど、無理してやっていたわけではなくて、きっと楽しくてテンション上がって社交性を発揮し過ぎて無理がたたったってことではないのかしらね? 辛いだけではこれらの作品は描けないと思う。

 

「糸杉」とか見た作品もあるし、これは見に行こうと思う。

 

ぶらぶら美術博物館:毎週火曜日 21:00~22:00 @BS日テレ

BS日テレ - 「ぶらぶら美術・博物館」番組サイト


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