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休日のバッハ(1.22.11)

2011-01-22 11:41:02 | 休日のバッハ
今日の「休日のバッハ」は、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番からアンダンテです。

バッハの無伴奏ヴァイオリンと言えば、パルティータ第2番のシャコンヌが有名です。オーケストラの編曲も出ているくらいです。若い頃は、この無伴奏ヴァイオリンのいささか宇宙的・神秘的な音楽表現に大いに魅せられていた時期もありましたが、年をとるに従い、どういう訳か無伴奏チェロを含み、少し遠ざかるようになりました。

やはり、単一楽器の限界もあるのでしょうが、それにしてはピアノ曲にはずっと惹かれ続けております。様々なバッハの音楽をピアノ表現すると、何故か新しい音楽世界が開かれるような気がします。それに比して、ヴァイオリンの場合はあくまでもメロディ中心であり、通奏低音部を受け持つ弦の弱さに原因があるのかも知れません。

ところで、1月8日の休日のバッハで、カルヴァンの予定説のことをご紹介しました。マックス・ヴェーバーは西洋的な合理性が高度に推し進められた文化現象の1つとして、「音楽社会学」なる論文まで書き、音楽に関心を示しております。

バッハの生きたバロック時代の音楽は、上述の通奏低音が曲の基調を決定し、その上でいわば装飾としてのメロディ(旋律)が奏でられていました。この通奏低音が主でメロディが従である音楽がバロック音楽です。となると、通奏低音が表している精神とは何か?ということに俄然興味が湧いてきます。

これを社会学者の大澤真幸は、「量子の社会哲学」(2010年10月7日初版)において、グレゴリオ聖歌に起源を求め、この通奏低音を神の超越性の転態として、バロック期の通奏低音を捉えております。そして、あの予定説との関連を持ち出し、予定説における神が、地上に姿を現さないまま君臨していた、その種の神と通奏低音との共通性を説明しております。

そして、その後に発展するニュートンからアインシュタインへと引き継がれた科学革命と、それに伴う近代世界の展開において、通奏低音が具現化する神の超越論的な位置づけから、19世紀以降に、神から人間へと内面化される時代精神の変貌との相似性を認め、ここに通奏低音(神的超越性)と旋律(人間的内在性)の関係の逆転を見ております。つまり、音楽ではバッハ以降の古典派において、通奏低音が旋律に主役の座を明け渡したその変化が、神から人間へと移った近代合理主義精神の発展と符合しているという訳ですね。

学問の凄さを感じます。

さて、そうしたことが背景となって、今日お届けするような、どちらかというと旋律を前に押し出したバッハの音楽の1つである無伴奏には、あまり触手が動かなくなったのではないかと思う訳です。それでもさすがにバッハはこの無伴奏で、3声から4声の和音を把弦しております。

その無伴奏の中で、長く聴いていなくても、今日ご紹介するこの曲は心の中に印象深く残っているものの1つです。何とはなく、神のくびきから解き放たれた近代の憂鬱のような雰囲気の曲ですね。

演奏は、1921年ベルギー生まれのアルテュール・グリュミオーです。筆者が学生の頃にはかなり高名なヴァイオリニストでした。戦後の混乱期に人々をヴァイオリン曲で勇気づけたのは有名。

今聴いてみると、やはり時代遅れの音楽表現が勝っているように思います。もう少し、凛として淡々と宇宙の響きを表現するのが、この曲には合っていると思いますが、彼は、神的超越性より人間的内在性を追求してこの曲を弾いているようです。

いつものようにここをクリックして、ウィンドウズ・メディア・プレイヤーでお聴き下さい。期間限定の公開です。
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市場概況(1.21.11.)

2011-01-22 07:41:17 | 市場概況
1月21日(金)の市場概況です。 下に21日の海外市況

◆日経先物:10280円(-160円)OSC36%(-6%)1月7日のOSC60%、終値10550円から下落に転じる。RSIは48%(-7%)
◆日経平均:10275円(-163円)OSC37%(-6%)1月13日のOSC69%、終値10590円から下落に転じる。RSIは47%(-11%)
◆TOPIX:911(-16)OSC39%(-8%)1月13日のOSC70%、終値938ポイントから下落に転じる。 RSIは52%(-13%)
◆マザーズ指数:442(-21)OSC43%(-8%)1月13日のOSC77%、終値474から下落に転じる。RSIは54%(-16%)

◆騰落レシオ(25日間、東証1部):110.33%(-15.8%)-1月21日現在。

◆10日高値移動平均値超の銘柄比率9%(-16%)
◆10日安値移動平均値未満の銘柄比率73%(+28%)

いや~、人間の性は、昨日と同じように今日も始まるという風に考えることにあります。そのため、一度ショック安が生じても、これは何かの間違いである、明日は元通りに戻すに違いないと考える習性があります。

そのため、今日のような日に買い持ち玉を持ったり、思わぬ下落に対しては、「そんな筈はない。これまではこうした下落に対してはよく反発していた。」といった心理になりがちです。

持ち越しの8113ユニチャームは明らかにじり貧。引けに全部処分しようと思いましたが「誤発注」で3分の1だけの処分に。そして、大引け近くに、6754アンリツの切り返しに目が眩み平均655円で仕込んでしまいました。

この切り返しは、売り方の単なる買い戻しの可能性が大ですね。冷静に考えると。しかし唯一の慰めは、この株は1月17日のOSC49%からは今日の52%であるとしても、コンバージェンスを果たしているところにあります。来週もう一度我慢してみようかと思います。(と言う風に都合の良いように考えるのが人間の性)

今日の負けで今年コツコツと積み上げてきた利益は恐らく吹っ飛んだ筈。捲土重来を期して来週からやり直しですが、今日火傷を負った3858ユビキタスにしても、下値抵抗線の239700円が破られた時点で損切りすべきでした。もうここまで下げたのだから、ここからは反発するだろうとの淡い期待を払拭できない弱みを克服出来なかったのが、今日の改めての教訓でした。

以下は21日の海外市況

◆ドル・円:82.61円(-39銭)OSC53%(-2%)1月7日のOSC61%から緩やかな円高継続中。 RSIは58%(-8%)
◆ユーロ・ドル:1.362ドル(+0.014ドル)OSC63%(+-0%)1月7日のOSC36%からユーロ高へと転じる。RSIは60%(+7%)
◆USドルインデックス:78.15(-0.67)50MA(79.81)を割り込み低下中。
◆米10年債利回り:3.40%(-0.03%)50MA(3.17%)を突破し、3.5%で頭打ち&揉み合い。
◆米3ヶ月国債:0.16%(+-0.0%)対10年債スプレッド:3.24%(20日現在)
◆NYダウ:11872ドル(+49ドル)OSC69%(+-0%)RSIは77%(+2%)12月31日の61%から上昇継続中。
◆Nasdaq:2690(-15)OSC55%(-7%)1月18日の77%から下落に転じる。RSIは58%(-1%)
◆上海総合:2715(+38)OSC42%(-1%)1月7日の61%から下落中。RSIは40%(-1%)
◆VIX指数:18.47(+0.48)50MA(18.2)を下から抜き上昇中。
◆原油先物:89.21ドル(-0.38ドル)50MA(88.2ドル)に接近中。
◆CRB指数:333.99(+2.09)50MA(319.18)を大きく抜けて上昇し、揉み合い中。
◆NY金:1342.4ドル(-3.3ドル)50MA(1380.27ドル)を割り込み、ついに1350ドル割れ。
◆シカゴCME(円建て):10305円(+25円)

今の市況は、VIX指数が急激な上向き(市場心理悪化中)、ドルインデックスが明らかな下向き(リスク指向は健在)、 米国債の金利は上位安定、CRB指数も落ちない、金と原油が調整モード、といったところです。

そこで少々奇っ怪なのは、ナスダックの調整が始まっているのにダウは持ちこたえていること。もっとも1年の長期チャートで見ればさほど変わりません。これは、米国債で大きな損失を被った機関投資家が、グローバル企業が主力のダウは、決算結果そのものを見てもまさか売り崩せず、ナスダック市場からの利益確定売りで、債券の損失を穴埋めしようとしているのかも知れません。

VIX指数はかなり急な戻し(上昇)ですので反落の可能性はあります。金利の上昇にも歯止めがとりあえずはかかっているようです。CRB指数は落ちる気配はありません。ここでドルインデックスが上昇するなら株式市場にも影響が出るかと思いますが、そうでない限り、中国の利上げが一旦決着することを契機として戻す局面があるかと思います。

それに欧州も表面的には落ち着いております。それがユーロ高継続となっております。欧州のソブリン債のCDSコストは過去最大の下落を示しております。

原油のこのところの下落は、中国の利上げによる世界の景気の冷え込みを警戒してのものですが、CRB指数を再度引っ張る形で上昇に転じると思われます。しかし、当面は金と同じく50日移動平均線の88.2ドルを割り込む局面もあろうかと思います。

金は下落モード顕著ですが、これはいつものこと。金は日足ではなく週足で見ないとトレンド転換が分かりません。週足の50週平均を割り込んだのがリーマン・ショックの後ですが、2009年年初からはずっと上回り続けております。むしろ1300ドル割れまではあり得るチャート形状です。要はファンドの気まぐれな売買で積み上がった持ち高が、いわば表層雪崩を時折起こすのが金。その雪崩を当のファンドもまた待っているし、インドや中国の実需筋もそれを待っているのが、金の市況ということになります。

ちょっと長くなりますが、金と日本の財政懸念についてもう少し。

ドルで見ると金価格は以上のような状況になっておりますが、日本の財政懸念が現実となれば円安へと振れることは間違いありません。その時、ユーロ危機の時のようにドル建ての国際価格が上昇する一方、円安が昂進すれば、円建ての金価格は大きく上昇するでしょう。そうした意味でのヘッジ目的としては金は良いと思います。しかし、世界経済が日本の財政危機で未曾有の事態に陥れば、リーマン・ショックの比ではありませんので、リーマン・ショックの時以上に金価格は一時的には、特に換金目的で、売られることでしょうが、その後の足取りは更に急激な上昇になるものと思います。

日本の財政については、仙石前官房長官が、税収よりも借金が多い現状に関する記者の質問に答えて、「こんな状況はあと2年が限度」と答えたことが一部で話題になっております。また菅首相も俄に財政問題についての懸念を表すようになってきております。この2年という猶予期間は、誰でもごく普通に、昨年9月末現在で908兆円に達する国債の積み上がり状態と、(家計や企業の貯蓄を預かる)金融機関が、借換債も含めて国債購入に回せるお金の余地を考えると計算できることです。今のままでは、来年度は新規国債発行高が44兆円を超えるでしょうし、現に昨日そうしたニュースが入ってきております。

問題は日本国債の金利です。今の1.218%は月足で見ると過去最低の2003年6月の0.43%からするとまだ高いように思えますが、リーマン・ショック前の世界の景気が拡大していた時には2%近くまで何度も行っております。この2%超えがあった時が分水嶺となると思われます。チャートで言うと高値ブレーク状態が2%超えです。そうなると、欧州の例を見ても、あっという間に金利が上昇します。仮に3%になったとすると、平均残存期間が6年の日本国債は、(1+1.218%X6年)X908兆円÷(1+3%X6年)=(1.0734X908兆円)÷1.18=825兆円となり、9.15%の83兆円の損失となります。

ところで日本国債の保有者はおよそ郵貯が22%、その他金融機関が19%、生損保が19%、公的年金が12%などとなっております。もっとも多い郵貯は引き出しが多いので最近は少し減っていると思いますが、それでも簡保分を除き150兆円近くは持っている筈です。このうち9.15%が毀損すれば14兆近い損失となり(時価会計をすれば)破産します。注:時価会計は満期まで国債を持つ前提で、しなくても良い都合の良いルールとなっております。

政府財政がどうなるかは2009年末に試算したこの記事をご参照ください。2013年度末で3.2%に金利上昇していれば、国債残高1040兆円に対する国債費は33兆2800億円になります。

財務省は10年国債の金利を2013年度で2.6%としておりますが、それでも国債費は27兆9千億円となります。2%の分水嶺を超えた時に、市場からの売り圧力に抗して2.6%に押さえられるかどうかは、ギリシャの例を持ち出すまでもなく極めて困難です。

なお、この財務省の「影響試算」を見ていると、最後の「差額」という欄に平成25年度で55.3兆円とあります。ここまで平然と書かれると、何だか「大丈夫」のような気がしてきますが、過去の延長線上で「正確無比」に資料を作ることに長けている財務官僚の本領発揮というところでしょう。しかし、世界経済はそんなに過去の延長線に沿っていないことは誰の目にも明らかです。
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1月21日(金)のつぶやき

2011-01-22 02:47:29 | 株に出会う
08:43 from web
フィスコの想定レンジは上限 10500円-下限 10420円だそうです。また「朝の外資系証券9社経由の注文状況は、売り2110万株、買い1450万株、差し引き660万株の売り越しとの観測。」です。シカゴの先物が10480円ですので、ここからスタートし、10400円割れも想定に。
11:15 from web
久しぶりに新興の表層雪崩に巻き込まれた。昨日、OSCを19%にまで下げたので反発期待で見ていたところに朝高。248K円で待っていたら急落してきて約定。そこから先は怒濤の下げ。結局、237Kで半分、安値に近いところで残りを処分。シナジーで9.5K取り戻すも焼け石に水。
11:18 from web
前場終了段階の10DHMA超の銘柄数%は12%(-13%)、10DLMA未満の銘柄数%は64%(+19%)とあっという間の下落です。落ちる時は早いとは思っていましたがやはりその通り。持ち越しの8113ユニチャームはさすがにさほどの下落はありませんが3070円で難平するのがやっと。
11:21 from web
前場のピボットブレークは232銘柄中たったの5銘柄。4536参天製薬、8729ソニーFH、7518ネットワン、9613NTTデータ、そして8028ファミリーマートです。先日損切った4543テルモは+15円。この会社、こんな反逆精神をここで発揮されて貰っても困るのだが。。。
11:26 from web
新興の表層雪崩にあった銘柄を書くのを忘れておりました。3858ユビキタスです。
12:14 from web
来週月曜日の買い銘柄は、7731ニコン、4901富士フイルム、7735大日本スクリーン、4568第一三共、7282豊田合成、9432日本電信電話あたりです。今日の後場に更に上昇すれば、ピボットブレークとなり買いサインは消えますので、ご了承ください。
by mariomariot on Twitter
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