白隠和尚のブログ

今日より明日が幸せでありますように。好奇心旺盛な70代のブログ。

映画[ラサへの歩き方]を観て

2016-08-31 15:26:53 | 映画の感想

原題は[ラサへの歩き方 祈りの2400㎞※1]中国映画である。

チベットの村人11人が聖地ラサ※2と
そして最終目的地カイラス山※3まで2400㎞もの距離を

なんと1年かけて五体投地※4で行く巡礼旅を描いた驚くべきロードムービーである。

ドキュメンタリー映画と見紛うがフイクションである。
BGMを一切使わず、場面と場面をショートカットで丹念に結んで

チベットの大自然の音や雄大さが見事に映像化されている。
出演者はすべて村人(演技は上手すぎるが)である。

彼らの演じるのは4000mを超える高地の何時もの自分とその暮らし。

ある時叔父が最後に聖地を巡礼したいと話したところから物語は始まる。
日常の暮らしより、さらに厳しい大自然の中を五体投地しながら聖地に向かう。

一行11人には老いた叔父の他、臨月の近い女もいるが誰にも躊躇いはない。

「巡礼は他人の幸せを願いつつ行う」功徳が得られる信じるからだ

彼らはいつも他人を思い、何も欲しがらず、
食が尽きると働き再び巡礼は続く、祈りを欠かさない。
正しく彼らは天空に暮らす善き人々である。

映画は進行する。女は無事出産をし、老人はカイラス山のふところで
息を引き取った。

遺骸の上空を鷲が舞うラストシーンが暗示的だ。

もう一度観たい心洗われる秀作である。

お わ り


※1 2400㎞ : 宗谷岬→沖縄に相当
※2 海抜3700mにあるチベット仏教の聖都
※3 標高5565mの独立峰四大宗教の聖地といわれる未踏峰
※4 両手・両膝・額を地面に投げ臥して祈る、仏教で最も丁寧な
礼拝の方法


秋 間近

2016-08-27 16:20:48 | 日記

昨晩は扇風機を止めて寝た。何日ぶりだろう。お陰で今朝は目覚めが
少し遅くなり、散歩から戻ったときは7時だった。朝食は頂き物の紅茶とケーキ、私としてはやや豪華、手間もかけた。

昨日も今日もつばめを見かけない。とうとう旅立ったか、?


向かえの田んぼに稲刈り機が入った。久し振りの勇姿を見る思い。
人もつばめも秋を迎える準備を始めたようだ。


本日も平穏なり

"9月" 私の憂鬱

2016-08-25 20:10:34 | 日記
9月は地元自治会の行事が多いので少し憂鬱である。先日は「敬老の日」に行われる慰老会の出欠を聞いてきた。私の町は後期高齢者の年齢から自動的に敬老会に入るが、私は今年も辞退した。去年も一昨年も断っている。

次には力仕事が待ち構えている。近くのお寺と神社の1年間に成長し過ぎた木の枝や雑草、境内の掃除、理由は釈然としないが近くを流れる取水溝の底さらえ、土手の草刈り・・・等を週がわりで消化していくのである。
こうした昔からの古典的ともいえる行事や慣習や秋の豊穣に感謝して行われる神事祭礼は私は嫌いではないが、感心してはいられない、村の行事は各世帯から1名以上の参加がきまり、掟破りは罰金が習わしだから
私は鎌を手に参加する。

作業は何れも中腰の姿勢を取るのでゴルフや散歩しか知らない私の体は数分でネを上げる。
その点で地元のお婆さん連は普段腰は曲がっていても驚異的なスタミナの持ち主揃い、弱った私を見て「和尚さんはお年だでただ立っていればええ」とからかう余裕もある。
黙って立って見物している訳にもいかない私は適当にモソモソしながら時が過ぎるのを待つのだが、気の入らないことに変わりはなく、この地を終の棲み家に選んだ事を後悔する時間でもある

この自治会の奉仕作業に定年はない。老いも若きも皆ここが故郷で顔馴染みだからそれぞれ行事に参加することを楽しんでいるようである。
定年制を待っているのは私だけかも知れない。

お わ り

ボルト選手が好き

2016-08-19 20:39:16 | 日記
連日のオリンピック漬けの日も後僅かになった。今日は午前中に陸上4種目の決勝が行われた。女子やり投げ、男子砲丸投げ、400mハードル、お目当ての男子200mである。

陸上競技はルールが単純で分かりやすいのが好き。人より早く「走る」「飛ぶ」「投げる」者が勝ちだから素人目にも結果が見易い。特に短距離は「駆けツ子」だからマラソンと並んでオリンピックの華である。そして今日はボルト選手は200m出場して金メダルを勝ち取ったのである。

彼がトラックに登場するやいなや、観客は立ち上がり拍手で出迎えたので競技場全体に地鳴りのようなどよめきが起こった(テレビの声)。
彼は控えめに手を振ってそれに応えたが、瞬時私はもし、彼は勝てないのでは、その時はどうなるのと正直思った。結果は諸兄のご覧になった通り、彼は2着の選手に2m近い差で勝った。
世界中から集まった超一流を相手に200m走で2mは大差だ。これはもはや人間と「神の申し子」の戦いであると冗談半分思った。

国旗を両手に掲げ持ちトラックを周回するボルト選手の表情には今さっき、トラックを死力を尽くして走りきった厳しいは消えていたし、
インタビューを受ける姿勢も態度も見事だった。
一方でインタビューする側にも2種目・3連覇のスーパースターに対する敬意と謙譲みたいな雰囲気があって耳あたりが良かった。

彼は今季限りで引退を考えているらしい。
もし、彼が現役のまま東京に来たら節度を知らない?日本の取材攻勢に晒されるのではと、私は早すぎる心配をしている。


おわり

つばめの予感

2016-08-12 09:35:11 | 日記

"言うまいと思えど今日の暑さかな" 昔の人は言い回しが粋だねー

明け方、足元がひやりとしたのでタオルケットを腹に掛ける。
5時半起床、6時に散歩に出る、いつもの歩き慣れた道順を行く、空気は湿っぽいがそれでも心地よい感じ。道端にカラスの親子が居る、まだ産毛の残る小カラスが親に餌をせがんでいる姿が微笑ましい。カラスの
羽毛が茶色だとは知らなんだ。

40分ほどで帰宅。玄関先に立ち止まりいつものように天を仰ぐ。
つばめの数がさらに減りもう2~3羽になった。あの喧しい程の囀ずりもさっぱり聞けなくなった。連中は何処に移動したのか、何処かに集まって「渡り」の打ち合わせでもしているのかな。

私の一番の驚きは雛の巣立ちだ。雛達はリハーサル無しのぶっつけ本番
で大空に向かう。まだ見たこともない大空にいきなり飛び出していく
のだ。私にはこの場面が中世の時代、未知の海に漕ぎ出して行った船乗り達の勇気に重なって仕方がない。
雛は失敗して地面に落ちたら1巻の終わりだから、私が雛の立場なら
2m~3mと順に飛翔距離を伸ばして恐怖心を克服していくのにと思う。 きっと親鳥は人間には解らない方法で、巣立ちの時期やコツ等を伝授
しているに違いない。
つばめは自然や季節が発する微妙な変化を受信できるのだろう。
彼らは今日の猛暑の先に秋・冬という食糧の無くなってしまう季節が
必ず訪れる事を知っている。大昔の私達の祖先もきっと夏には冬の準備を、冬は秋の収穫を思って過ごしたであろう。

幸いなことに私は今日もクーラーの下に寝そべって「睡魔と暑さ」
と戦うだけ、昔風に言うならバチが当たる毎日である。

本日も平穏なり