白隠和尚のブログ

今日より明日が幸せでありますように。好奇心旺盛な70代のブログ。

マリア・カラス "讚"

2019-03-22 11:18:15 | 芸術について

〈映画冊子より〉


テレビで映画「フイラデルフイア」を観た。2回目である。あらすじは
エイズ感染者(トム・ハンクス)に対する社会の偏見、不当を敏腕敏腕弁護士
(デンゼル・ワシントン)が法廷で糾弾するという硬派の映画である。

この映画のBGMの一部にM・カラスの唄うオペラのアリア「マッダレーナのアリア」
が用いられているがここは絶品だ。エイズ感染者のトムが歌声に誘われて次第に幻想
の境地に引き込まれるシーンは観るものをも同じ世界に引き込まれるような魔術的な
エクスタシーを感じてしまう。

私はM・カラスの歌唱のうち特に高音域の声の美しさに鳥肌が立つよう思いがする。
良くまあ喉を傷つけずにあの高い声を息継ぎも見せず、たよやかに発声出来るものだ
と・・・正に至芸、驚嘆するばかりである。

この正月には『私はマリア・カラス』という映画も観た。こちらは彼女の遺品や
インタビュー番組等を集めて映画化したものであるが、未発表の歌唱も挿入されて
いないので私には退屈な映画だった。

マリア・カラス(1923~1977)は早世の人。日本にも2度来日している。


お わ り


聴き損ねた演奏会

2018-12-11 09:13:45 | 芸術について

引き出しを捌いたら演奏会のチケットが出てきた。
7月に名古屋場所の観戦に行ったついでに買っておいたのをすっかり忘れていた。
尤も当日は病み上がりの身体だったから分かっていても行けなかったと思うが、
兎に角惜しいことをした。
ピアノ三重奏は一度聴いてみたいと思っていただけに残念だ。


演奏会には年に1度は行きたいね、
最近は「スエーデン放送局合唱団」という耳慣れない演奏家の公演を聴いた。
モーツァルトとフオーレの「レクイエム」という
滅多に聴けない豪華な曲の組み合わせにも関わらず
チケットはお値打ちだった。

クラシックのチケットは年々高騰気味で、
一昨年だったかチェロのヨーヨーマが来ると言うのでその気になったが
料金を見たら19,000円と読めたので諦めた。

高額チケットのトップはニューヨークメトロポリタン歌劇場がワグナーの「樂劇」
を引っ提げて来演した時の98.000円が最高だろう。
無論私には高嶺の花で有る。

演奏会は会場のやや上気した雰囲気が醸し出す熱っぽさや高揚感がまた楽しく、
それはCDでは味わえない。演奏家の癖や表情も思い出に残るしね。

名古屋はクラシックの演奏会が少ないような気がする、来年はどんな演奏家が
来るか楽しみだ。


お わ り


「マエストロ」 礼讚

2017-03-23 06:10:50 | 芸術について

昨年11月にドイツの指揮者H・ブロムシュタットとバンベルク交響楽団による名古屋公演があり、そのテレビ録画を改めて聴いた。曲目は「運命」と「田園」だ。
指揮者・ブロムシュタット(以下マエストロと表記)は今年90才、超のつく御高齢でありながら全ての曲目をすべて立ったまま、しかもタクトを手にせず指先と全身でオーケストラを指揮した。無論暗譜である。その若々しい指揮ぶりに驚嘆したのは私だけではあるまい。

演奏もまたマエストロの称号を冠するに相応しい素晴らしい名演だった。特に 「田園」はマエストロとオーケストラの呼吸がぴったりで楽曲に身を委ねて楽しげで、その音色の美しさは20世紀に活躍した大指揮者を凌ぐ名演と云っても良いのではないか。

演奏会の合間に収録されたインタビューもまた、マエストロの謙虚な人柄と豊かな音楽経験に培われた深い洞察に満ちたもので感銘を受けた。
以下はその要旨である。

◇ベートーベンについて
・彼は音画ではない。自然を模写していない
・彼は人が自然から受けた感情を音楽的に表現している
・彼は教会に行かなかったが敬虔な人だった
・彼は胆汁質(激情的で怒りっぽい気質)で意志が強く決然とした
性格だった。人はそこに惹かれる
・彼は音楽で自分を語っていない
・彼は悩み多き人間で聴力が衰え、この2曲を作曲した時(1805~1806年)はほとんど聴こえなかった
・彼は耳ではなく頭で音楽を聴いて作曲を続けた
・しかし、自分自身を語らず語るのは人類の運命だった。

◇指揮法について
人間は年を重ねる程に自由になれる。経験を積めば理想にも縛られなくもなる。若いときは手本となる人から大きな影響を受けるもの、私も先輩を崇拝して模倣はしないものの影響を受けた。誰でもその理想像に近づけようとするが、その理想像はだんだん色褪せてくる。


お わ り


ロバート・キャパ[時代の目撃者]ラスト

2016-10-23 08:57:47 | 芸術について
〈フランスノルマンデー1944 上陸作戦で死亡した兵士を見るフランス漁民〉

〈フランスノルマンデー1944 死亡した兵士を埋葬するドイツ兵捕虜〉

〈フランス1944 ドイツ兵の子供を産んだ罰として頭を剃られたフランス人女性〉

〈ベルリン1945〉


[友人達]
〈ハンフリー・ボガードとジョン・ヒューストン監督〉

〈アーネスト・ヘミングウェイ〉

〈ジーン・ケリー〉

〈パブロ・ピカソ〉


〈最期の写真〉

ナムデインからタイビンに向かう道路に沿って、1954/5/25
これが最期の写真となった。この後、キャパは地雷を踏んで死んだ。

[後記]
私はこの全集の写真を1枚1まいを名画を観賞する目で見た。そして
改めて映像の写し出した圧倒的な存在感に驚き、感動した。
彼は映像の美しさにも拘りがあったのか、1940年には既にカラー写真の時代に入っていたのに此処にはカラー写真は1枚もない。
モノクロフイルの白と黒の濃淡で表現する繊細な映像表現に拘ったのだろうか。私はもう少し新しいキャパを探して見たいと思う。

最後までお付き合い下さり有り難う

終わり

ロバート・キャパ[時代の目撃者]より 2まいめ

2016-10-23 08:23:26 | 芸術について
〈中国1938 空襲の後〉

〈中国1938 行進を見守る群衆〉

〈中国1938 空襲の後で〉

〈イタリア1943 ナポリへ行進中のアメリカ軍〉

〈イタリアシチリア島1943〉

〈イタリアナポリ1943〉

〈イタリアシチリア島1943〉

〈イタリア1943 救急車の運転手達〉

〈イタリア1943 解放されて2日後のシチリア島〉

〈フランス ノルマンデー1944〉

〈フランス1944 ドイツの狙撃兵による発砲事件〉

〈ドイツ1945 アメリカ軍の捕虜になったドイツ兵〉



3枚目に続く