娘が来るような気がしたのでクーラーを回して部屋を冷やしてお迎えした。
娘は暑がりである。
それでも娘は部屋に入るなり「暑い暑い」「暑くないの蒸し風呂みたいだよ」と連発して
リモコンの設定を私の[除湿]から[冷房]にパワーアップして室温を更に下げにかかった。
私は元々寒がりだから部屋の温度が30℃を多少超えたくらいでも平気だが
娘はそれが危ないと言う。
「そうかねえ」「暑いかねえ」と私は一応賛成する。
何分熱中症で倒れる人の殆どが私と同世代が圧倒的に多いから
この話題は分が悪い。迂闊な反論は禁物である。
私は連日の異常高温の日々を経験しているうちにクーラー依存症になった気がする。
今やクーラーは24時間フル稼働状態で買い物程度の外出ならもうスイッチを切らない。
部屋に戻ったときの爽やかさがいい。
当然夜も快適だ。
昼間は無人島の住人よろしく誰も見ていないのを幸いに
日長一日ソファーの上で手足を伸ばして間断なく居眠りをするようになった。
すべてクーラーの誘惑のなせるところである。
こんな次第でこの夏は猛暑続きにも関わらず体調がいい。
ただ気掛かりは電気代の請求書と「クーラーべったり」の自分の生活態度であろうか。
本日も平穏なり
連日の猛暑に私もバテぎみ、クーラー無しでは片時も我慢しきれない。
しかし、寝るときは寝る時は別、
クーラーを切り扇風機に切り替えて電気代の節約をするのが長年の習慣である。
昨夜は格段に暑かった。
就寝前に枕元の温度計をみたら31℃超、少し高過ぎると思った。
しかし、世間様も我が家と同じような蒸し風呂状態の中で暮らして居られるのだから、
クーラーなんて贅沢、と言うわけで
その日も扇風機にしたが気のせいか何時もより空気が重く息苦しい感じだった。
真夜中、目が覚めたら首から背中側にネットリと汗をかいてる。
普段汗をかかないから異常事態である。
ベッドから飛び下りてクーラーのスイッチを入れる。
吹き出し口近くで顔を冷ましているとだんだん気持ち良くなって来たので
そのまままま再びベッドに横になった。
次に目が覚めた時は陽が上がっていた。その間完全に爆睡していたようで最高の目覚めだった。
私は決心した。今夜から寝るときのクーラーの使用を解禁しよう。
本日も平穏なり
名古屋の帰り道で娘に誘われて鰻屋に寄った。
私にとって鰻は高値の花、遠くから眺めるだけのご馳走である。
メニューを見る。娘は私に任せてと言ってくれるものの、
長焼きの下には恐ろしい数字が書いてある。
結局、私は安い方から二番目の櫃まぶし(並)を選んで注文した。
さて、この店の櫃まぶしは如何なる姿、形をしているか、
運ばれてきた櫃を好奇心と期待を込めて蓋を開けると、ご飯の上に鰻が半分乗せてある。
「ははーん、もう半分はご飯の下に隠してあるな」と箸でソッとご飯を寄せて見たが見当たらない。
ここで私は事情を理解した。我が鰻の分身は娘の櫃の中あるのだ。
半分の鰻が出てくると恐れ入った。
それとなく膳の上を観察するとまずタレが少ない、
ご飯が白いままだ、お吸い物はどうだ、麩が一粒浮いているだけ、
お新香はきゅうりがひとつまみだけと質素で無駄がない。
しかし鰻を食べて腹が落ち着いたら不思議と鰻屋に同情したくなった。
鰻屋は鰻の高騰に苦労しているのだろう。半分の鰻も価格を上げないための奇策なのかも。
たとえ半分の鰻でも、焼きたての蒲焼きには得も言えぬ香ばしい風味や
口に入れたときのとろけるような味わいが楽しめる。美味しかったよ。
今度鰻を食べるときは長焼きを注文する事にしよう。
本日も平穏なり
今場所も娘と五日目に観戦した。会場に着いて何時ものように力士の
到着を通用口で待った。
〈千代の国関〉
〈豊山関〉
力士が車から降りてきたところを写真に収めたり間近で「〇〇関」と声援出来るのが本場所の秘かな楽しみ。
でも名古屋場所は暑いから長くは立っていられないけど。
〈幕内力士の土俵入り〉
〈横綱鶴竜の土俵入り〉
今日の席は直ぐ後ろにNHKの向正面の解説席があって解説者の舞の海さんの肉声が時々聞こえる良い席だった。
「御嶽海」が勝ち、「遠藤」も「栃の心」も勝ったが横綱「鶴竜」は負けた。座布団が沢山宙を舞った。
今日(7/13)になって鶴竜の休場を知った。
昨日今日と連敗したが怪我をしたような負けかたでなかっただけに意外。
おまけに医師の診断書のないまま、肘が痛いからといっての休場に相撲フアンは釈然としない。
そう言えば白鵬の今場所の休場も唐突だったね。
白鵬は一人横綱の時代怪我もせず出場して、大相撲の危機を救った最大の功労者であったが、
横綱が三人になったら休場が増えたのは偶然か?
とにあれ、横綱の土俵入りの見られない今場所の優勝の行方は全く混沌
誰が賜杯を抱くか楽しみだ。
本日も平穏なり
彼女は三十路を少し過ぎたばかりの初々しい若奥様である。
私とは親子以上に年が離れているが、ちょっとした友達である。
彼女は今年母親になりましたと年賀状で知らせてきた。
私達はデイスカウントショップで偶然再会した。
彼女は男の子を連れていた。
その子は喫茶店の背もたれに沿って「よちよち」伝い歩きをしたりお菓子を食べたり、
手当たり次第にオモチャを投げたり「やんちゃ」しながらご機嫌はよく、
時々私が声を掛けるとこちらを見て笑った。
赤ちゃんのつぶらな眸に見つめられて私はまごついた。
何しろ一歳を過ぎたばかりの可愛い盛りである。
お母さんの目が私に抱いてみたいか?!と聞いてきた。
無論私は赤ちゃんを抱っこしたくて堪らないが、
赤ちゃんが大人しく抱かれてくれるか自信がない。
抱いた途端にいきなり泣かれて困ったことがあるし、
今日初めて見る老人にじっとしているだろうか?
そこで先ず指でそっと赤ちゃんの手に触りご機嫌を伺った。
すると赤ちゃんは笑顔を見せ私の方に身を乗り出すような素振りを見せるではないか。
シメシメである。赤ちゃんは嫌がっていないぞ、
私は安心して両の手をそっと赤ちゃんの両脇に差し入れた途端、
突然「ウワアーン」とやっぱり泣き出した。
男の子はお母さんの懐に戻るとピタリと泣くのを止めて
また私の方を向いて笑顔になった。
お母さんは私に再び抱いてみたいか?と聞いてくれたが私は遠慮した。
本日も平穏なり