年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

久々に朝比奈みくる…フラグクラッシャー・キョン

2008-03-17 03:51:17 | 涼宮ハルヒ
私の作品で、朝比奈さんの登場シーンって本当に久しぶりですね。他の同人のキャラ作りを見て、上手いなあ、と感心しておったのですが、最近、多少イメージが固まってきました。ジャンルの移り変わりの速度に合わせていたら、こんな余裕は無かったと思います。
『分裂』読んだ時から、この『拒絶』はマズいんじゃないかと思ってました。
16日のみくるオンリーイベント『恋のマジカル』では閉会時間に入場してしまいました。が、唯一、『わんだーすとろーく』さんが残っていらして、新刊交換をいたしました。
…というわけで面白いハルヒ同人紹介。
わんだーすとろーく「せっかくだかあら俺は朝比奈さんを選ぶぜ!」:コピー本。エンドレスエイトネタ。ループに気づいたキョンが欲求に忠実に朝比奈さんに迫ります。あの設定なら、こういう展開も可能ですよね。
みくるが善良で、素直で、やばいです。キョンの欲望を受け止めるだけでなく、勢いで自分の欲望を思わず吐露してしまいます。こういう欲望を抱いたキャラが可愛らしいと思うのでツボです。落ち込んでる長門も含め。
後藤邑子の声を思い浮かべつつ読みました。
寸止めでキョンが正気に戻るのがいいですね。読んでるほうも恥ずかしい。ハルヒに会っちゃうという展開が、浮気感というか、罪悪感アップでいいですね。ハーレム設定の出汁のとり方が巧いというか。
そこでリセットしてくれないというオチが上手いですね。記憶を抱いて生きてかなきゃイカンと思うと、うわあい、ですねえ。
なちゅらっ亭「涼宮さんごきげんいかが」:前に紹介したなちゅらっ亭の「いぬ3」さんの個人誌。古泉とキョンの世界滅亡回避のための献身的努力が自殺行為になってゆく展開が笑えます。長門の「だめぽ」がいいですね。
歌合せ的に言うと、キョンのチープな不思議提供が痛いのが「殆ど死んでいる」と類似モチーフなのに、ハルヒがバカだと「殆ど死んでいる」の「結婚しよう」EDになり、バカじゃないと「なちゅらっ亭」の「GAMEOVER」EDになっちゃうのが、モチーフ類似で展開を分散させられるという実例。ちがう面白さを引き出せてて、良い。
よく、どこかで読んだ話になってしまうということを悩む駆け出しの方がおりますが、歌合せをやってみてわかることは、「似てしまう」事と「面白さ」「オリジナリティ」は別だということ。
初代ガンダムもキャシャーンもスレイヤーズも水戸黄門も銀河鉄道999もキノの旅もワンピースも狼と香辛料も『旅して問題解決』だからオリジナリティ無い、と没にしてたら大変です。
大塚英志の引用するプロップの『物語の構造』の考え方だと、ディテール捨象するから、豊かなバリエーションの力を切り捨ててしまうんですよね。
大塚の物語のひねり出し方の方法では、全く逆の「ディテールの違いが物語作りの本質だ」みたいなやりかたになってるのが、「抽象化してゆく学問」と「具体化してゆく創作活動」の違いが現れてて面白いですね。
アニメ監督の押井守が、「戦争には固有名詞の戦争は無い」「防衛庁は普通名詞の戦争について考えている」と対談本で批判してたように記憶してますが、押井さんの思考は「クリエイターのディテール重視」の実例だと思います。
「異常性癖」「特殊性癖」の告白、云々は笑いつつも、納得。原作の『憂鬱』は「特殊性癖の告白」でハルヒが納得しちゃってるんだなあと気づかされました。
一旦、「コンティニュー」で仕切りなおす展開が上手いと思いました。
ハルヒが目覚めて赤面するのが可愛らしいですね。踏みにじられる純情がかわいそうですが吹いてしまいました。
『憂鬱』の展開はキョンが素直じゃないと可能じゃないということも、改めて気づかされましたが。
気を失ってるみくるがいいですね。
なちゅらっ亭「ThankGodIt'sChristmas」:「かのプー」さんの個人誌。ハルヒはサンタの実在を信じていた!が、そこには裏が、という話。
「新思想」には笑いました。真相が明らかになると、なるほど!と感心すると同時に、ループという原作の構造を掴み出してうまく活用してると思います。
大人みくるのたじろぐところとか、古泉が科学的暴力に晒されるところとか、長門がいらいらしているところとか、笑えると同時にキャラの分業で要所要所が詰められているわけで、展開が面白くスムーズに読めます。こういうところは盗みたいですね。
キョンの勘違いでみくると二人でしんみりしてしまう所も、いいですね。笑い有り涙有り、で奥行きがあります。
いわゆる八丈島のキョンの解説がためになりますし、ハルヒとキョンの慌てぶりがいいですね。最後まで良いテンションの一冊。
まだまだ続きます。


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