年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

『UnderPressure』…軽音部は無理して笑っている?

2010-05-08 14:22:28 | けいおん!!
私が『けいおん!!』に感じていた違和感は、唯たちが『高3』なのに、1期の1、2年生のときと同じように過ごしてると京アニが強調しているように見えることです。
これ、『涼宮ハルヒの分裂』で、やたらキョンが『今までと変わらない』ことを強調するので、却って、
『ハルヒも古泉もみくるも長門も、今までと違ってるんじゃないか?』
と疑ってしまったのと同じ肌触りがするんですよね。
『卒業』で、キョンとお別れするのが嫌なハルヒが『無限ループ』にキョンを巻き込んでるという可能性はあるわけですね。
『まったり日常ネタ』が長所だという『けいおん!』1期のウリ(?)を、単に右から左に使い回しするなら、1期2期が同じでないと困りますよね。
『けいおん!』『けいおん!!』を観て、Leafの『天使のいない12月』というエロゲーと同じ仕掛けがしてあるような気がして、そのうちネタにする予定ですが、
面白いのは、両作品とも、『キャラの成長』について賛否が出そうだという印象があること。
ガキが主人公の『天使のいない…』やった海野蛍さんが、『主人公がガキ』と批判してましたが、(エロゲーやってる『大人』にガキ呼ばわりされるのも可愛そうだと思いますが)
ガキの話である『けいおん!』も、唯たちが『成長してる』と感じるか『してない』と感じるか、受け手の価値観の差で意見が相違する可能性はあると思います。
『涼宮ハルヒの陰謀』以降、キョンが『長門の変化=内面の成長』と決め付けてるところが谷川さんの叙述トリックで、
じつは、長門の変化は『他人と入れ替わってる』『何かに寄生されてる』だけで、内面の成長はキョンの勝手な思い込みなんじゃないか?とか疑ってしまってます。
同様に、唯達の変化の全てが『成長』ではないんじゃないか?
いくつかは単に『進路選択のプレッシャーで混乱して自分を見失ってるだけ』じゃないか?
とか、心配してます。
大人社会の『成長しろ』命令で彼女たちを苦しませてる訳で、
まあ、仕事で生計立てるには高校辺りで苦しんどくのが先行投資ですから必要悪ですが、
『非実在少女』とはいえ苦しんでる訳で、『成長した!』と手放しで喜べないですね。
2次元を救う訳には行かないので彼女たちが『壊れてしまう』ときは尚更。最終回は大団円だとしても。
1話『高3!』で、さわちゃんが『1年は短い』、と伏線張ってますので、どこかでプレッシャーが噴出してくると思いますが。
それとは直接に繋がらないかもしれませんが、前から『けいおん!!』コジツケに使っている、上村勝彦『ヴァガバッド・ギーターの世界』によると、
『欲求不満』が『怒り』を生じ、怒りが『愚行』を生む、
ということだそうで。
これは仏教もヒンズーも同じなのですが、初期仏教は『禁欲』に向かい、『ヒンズー』は子孫残して出家するまでは、『性欲』『利益』『社会的義務』に集中せよ、という感じで、近世日本の人生訓みたいです。
『ギーター』成立は3世紀と推定され、邪馬台国の頃ですから、1000年くらいの間に十分に影響する時間とチャンスはあったでしょう。
なんだか2話『整頓!』、3話『ドラマー!』の律ちゃんを連想しますね。
『愚行』という点では『さわちゃんやり過ぎ』も。
4話『修学旅行!』の『菓子食いすぎて夕食入らない』とか、
5話『お留守番!』の『ドーナツ全部一口ずつ食べる純ちゃん』とか、
『怒り』という媒介は希薄ですが、『欲望→愚行』図式が踏まえられていて、常識的には、『愚行』の礼賛はしないと思うので、
3話の律ちゃんの『ドラム』へのこだわりとか、
5話の2年生3人の初セッションとか、
『音楽』を通じての『愚行』連鎖からの離脱、『ギーター』の理想『アートマンを輝かせる』という『勧善懲悪』が目指されてるのだろうとは思います。
そういえば、前に『ハルヒ』コジツケや、京アニ社長『八田』さんコジツケで振っておいた、『秦氏』コジツケで登場した『摩陀羅神』ですが、
4話『修学旅行!』で唯たちが見下ろした川の対岸にある太秦寺の牛祭りに登場するので、ここで改めてコジツケしときますと、
山本ひろ子先生の『異神』・『摩陀羅神』の解説によると、
『音楽』は心が澄んでるときは、人を『天』に昇らせ、
心が濁ってるときは、人を『地獄』に下らせる、
とあって、『放課後ティータイム』が、受験ノイローゼとかで自分を見失ってるとしたら、『けいおん!!』も、こういう『音楽』ネタになってゆくのだろうか?とか勝手に思っております。
唯一の拠り所の『音楽』で、『UnderPressure』で心が濁っていて失敗、という挫折はあまり見たくないですが、展開上必要ならば、胃が痛いのも我慢する覚悟です。
山田尚子監督がUKロック好きだというので、Queen&DavidBowieの『UnderPressure』引用。『高3』のプレッシャーの下にキャラたちがいるという今回のコジツケに合うので。
唯たちの笑顔が2期では無理に作った『仮面』になってる、という私の不安に、
『Insanity laughs under pressure=プレッシャーの下で狂気が笑う』という歌詞が当てはまるなあとか思っております。
OPの『GO!GO!MANIAC』の『maniac=狂人』てのも偶然ですが、繋がりますね。
『成長』礼賛の『西洋近代文学だけが文学』の立場でゆくと、前時代的ですが、
ヴィトゲンシュタインが『西部劇の勧善懲悪』を褒めたように、『近代崩壊後=現代』の文化の中では、『寓話』『前近代的物語類型』『神話元型』活用は必ずしも時代遅れではないでしょう。
ハルヒコジツケで引用した柄谷行人『近代日本文学の起源』が岩波から再版して、最終章のジャンルについての論文で、ミハイル・バフチンを引用して、近代が捨象した『中世的な全体性の世界把握方法=カーニバル的世界把握』の再評価が述べられてるのですが、
この『カーニバル的世界把握』って、以前の更新でTypeMoonの武内崇さんのタネ本じゃないかと言及した石川忠司さんの主張する『現代小説の一ジャンル』としての
『多様なキャラたちの雑居状況を描く』
『村の寄り合い状況を描く』
の元ネタなんじゃないでしょうか?
『デュラララ』とか、『東方』とか、確かに、こういう感じですかね。
先日のコミティアでも、『夏目友人帳』『陰陽師』的な『日本ファンタジー』は大流行の印象でしたし。
『残したい江戸仕草』とかと同時代性の『前近代の復興』ですね。
余談。5話『お留守番!』で登場したバッティングセンター(?)ですが、3月の聖地巡礼のとき、島田君が、この近所のバッティングセンターに行ったことがある、と言ってたのを思い出しました。今住んでる所より土地勘がある聖地ってのも良いですね。
こういう偶然は、人生に何度も無いでしょうから、女神の前髪は掴まないと。
余談2。3月の聖地巡礼で、賀茂川河川敷を1期14話『ライブハウス!』聖地の木屋町に向かって南下中に、ふと見ると、ベンチにブレザーの女学生が二人寄り添って座っていて、
さすが賀茂川沿い、女同士のアベックもいるのだなあ、と勝手に思っていたら、昼間から衆人環視の中キスを始めたので、流石にびっくりしました。
よく考えたら片方『女装男子』かもしれません。…『両方』かもしれません。(AVのゲリラ撮影かもしれません)
秋葉原で、白昼堂々、全裸の男が騎馬戦してるのを見たとき以来の驚きですね。(彼らはすぐに着替え抱えて逃げ散ってましたが)
そういうのは画像とっといてアップするほうが良いのですか?
余談3、青木さんに『AngelBeats!』野球ネタ見せていただきましたが、トーナメントで初戦敗退チームの中に『軽音部』らしき名前が。麻枝さんは『けいおん!!』にライバル意識があるのだろうか?とかますます勝手に考えております。


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