年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

分裂の行間…困る佐々木さん

2007-09-30 08:53:47 | 涼宮ハルヒ
4コマは制限されたコマで描くから練習になるという話が有りますが、起承転結の各々に1コマずつかけると面白くなる場合と言うのは、ストーリー漫画に直すと、24ページで起承転結が6ページずつになる場合と言うことでしょうか…。
新井一は、弟子が起承転結にこだわって盛り上がりに欠ける作品を作らないように、起承転結やる余地の無い短い尺で作品を作る訓練をさせたと聞きますが。すると、起承転結に1コマずつ割いている尺の取り方で練習になる事を練習したい場合にやれということでしょうか。謎は解けた!
米澤さんの論を、「消費者の論であって描き手の論ではない」と人によっては批判するのですが、理屈と膏薬はどこにでも貼れるものですから区別は出来ないと思います。たとえばどちらの場合でも権威付けとかには使えるのでは?
我田引水で、あるいは鰯の頭も信心で、こじつければかなり使えると思います。
そう前置きした上で考えてみたのですが、米澤さんは、涙も笑いも人と人とを繋ぐと考えておられますが、涙はともかく笑いには攻撃的な面が強いので、共感より対立をもたらすような気がします。
米澤さんの好きな吾妻ひでおの失踪日記が、「本当に有った事をユーモラスに描いているから凄い」と誰もが思えるとも思えません。
全部フィクションだった方が凄い、という場合も有るのではないでしょうか。
米澤さんは、近松門左衛門同様に、現実と虚構の中間を攻めるべきだと考えておられるのですが、じつは現実自体が確定が困難な場合も有ります。
キャラの表情の変化をキャラが崩れると嫌って、驚いた顔とかを別の絵柄を描いてごまかす技法を宮崎駿は「過剰表現主義」と呼んで批判するのですが、宮崎キャラ自体は驚いた顔もさせられる様にデザインされた別の様式にすぎないわけで、彼は「俺のほうがリアルで、奴等は嘘だ」と言いたいようですが、そう感じる人ばかりではないと思います。というか、嘘のせいでつまらなくなって無ければよいのではないでしょうか。
デフォルメにはまずフォルムが前提で、キャラ作りにはデッサンが大事だという意見はあるわけですが、それは又の機会に。

分裂の行間…きょこたんの動揺

2007-09-26 06:41:22 | 涼宮ハルヒ
どうも脱ぎ担当は佐々木さんになってしまいますね。米澤さんは、エログロナンセンスに向かうことで漫画は読者の身体性を回復する機能を果たすと仰るのですが、描いていて楽しいというのは大きな動機だと思います。
身体と言っても、エロ漫画なのに身体がいい加減に描かれている例だって有るし。しかもちゃんとやらしいのが驚きなのですが。してみると、米澤さんの言う身体性は、なにやらふわふわした言葉で説明できないような雰囲気、気分みたいなものなのかもしれません。身体性の回復とは、身体性を回復したという幻想を、身体性を喪失したという幻想の上に上書きするだけなのかもしれませんね。
良く考えると、「失われた具体性」をフィクションによって回復するなんて絵に描いた餅を食べて満腹するような話ですね。
知恵蔵では、アナログ漫画は表現が限界に達していて、デジタルがフロンティアみたいに書かれていたような気が。そういう判断がどうなのかを見届ける前に米澤さんは死んでしまったのですが。我々が考える宿題ですね。
最近は漫画の電脳化が進んで、イベントによってはサークルの8割9割がデジタルですよ。編集加工は電脳の独擅場ですね。ただ、まだ電脳化できない工程があるので、そこが今後どうなるかですね。
前に多様化について書きましたが、多様化するなら詰まらなくても良いと言うほど多様化至上主義では無いですね。米澤さんは、今の漫画界には中心が無いから、かえって中心を作ると良いのではないか、と仰ってますし。
みんなが自分の面白いと思うことをやった結果、共同幻想に従って、似たような形に収斂した場合、意地になってその成果を破壊することも無かろうかと思います。
サイゾーという雑誌に、2期のハルヒ役声優は平野綾とは限らない、という記事がありましたが、ガセなんですかね?まあ、企業が決めることなんですが。
同じ雑誌のエヴァ劇場版についての記事を見るかぎり、憶測だけの記事かもしれませんが。

悩むきょこたん…分裂の舞台裏

2007-09-23 18:01:08 | 涼宮ハルヒ
きょこたんファンの砦は瓦さんで、今後のきょこたん本が楽しみであります。
他には佐々木本ですが、はにわ鍋さんの水着きょこたんサービスシーンも夏コミ新刊のトピックですよ。チラという感じ。skirthikeさんの自分を差し出すきょこたんもいい感じですし(乃梨子入ってます)、あるたなさんの、ちゅるやさんリスペクト的な小動物系きょこたんも可愛いです。だんだん増えてきてるのがいいですね。いろいろな系譜が集ってるのが楽しい。
そういう中にあって多様性を確保すべく工夫しております。難しいですね。研究有るのみです。
偶然の連鎖、としては、リーフの痕の聖地巡礼で行った石川県が折口信夫と関係が有り、ハルヒの兵庫県が柳田國男、ガンパレの熊本が岡正雄の系統のヨーゼフクライナーのフィールドワークの地。旧制五高には、夏目漱石が。
かみちゅ聖地巡礼で尾道に行ったついでに弓削島経由で今治、松山に行きましたが、弓削島は網野善彦のフィールドワーク地。今治藩の久松家の飛び地が下総葛飾郡で、今住んでるところ。松山は正岡子規、夏目漱石。
最近、青木さんに見せていただいた映画203高地の主人公のいる部隊は金沢の部隊で、松山は坂の上の雲の舞台。以前見せていただいた硫黄島からの手紙で、洞窟から発見された手紙の中には、折口の養子の手紙も。
民俗学では千葉には歴史民俗博物館がありますし、醸造つながりでも、千葉は野田とかあります。
こんなかんじで情報は増えてゆきます。

エンドレスエイトネタ…佐々木団登場。

2007-09-22 17:58:30 | 涼宮ハルヒ
「ひとは見た目が大事」というなら第一印象は大事です。
もし、ぱんじーがみくるの敵の様な登場をしなかったら、九曜さんが有希を病気にした犯人と思われなかったら、きょこたんがみくるを誘拐しなかったら、分裂~驚愕は違う展開になると思います。
そういう思考実験から、印象が悪くなる事件の前に佐々木団とキョンを会わせて見ました。
面白いハルヒ同人紹介
IK-Studio「涼宮ハルヒのまちづくり」:こういうネタ系同人、好きですね。続くらしいので楽しみです。谷川健一が地名分析から「青銅の神の足跡」を書いたのを面白く思いまして、今の情報の星空から星座をでっち上げるネタ出しに応用している身としては頑張って欲しいです。
そういえば、谷川が、大阪の「カリンドウ畑」のカリンドウを「刃物の峠(ダワ=山の越しやすいたわんだところ)」という製鉄地名だと解釈してるのですが、西宮の北高の夙川の対岸の「剣谷」(ケンダニ)・「柏堂」(カヤンドウ)は同じく「剣の峠」(尾根の越しやすいたわんだところ=谷と同じ?)だと思いました。同じ意味の漢字と古語が別々に地名化したのでしょうか。
兵庫県は柳田國男の出身地という偶然なので、面白いですね。
skirthike「ハルヒ本(仮)」:ハルヒが同人作成するネタは多いですが、可愛い造形とギャグの展開方法の巧みさで短い中で過不足なくまとめてるのが凄いですね。どれみのおんぷ様本で突出した総受けギャグをなさっていた時からの読者ですが、どんどん漫画力がついて、描けることが増えてる楽しみなサークルです。私はこのまま突っ走れば良いと思っているのですが、本人は今までと違う方向を目指しているようです。克己心は大事ですが未知の領域で悩んでしまわないなら良いのですが。今までの経験値が活かせる方が良いと考えます。
祐馬さんの出身地石川県は折口信夫の没した土地なので、これまた縁があって面白いと思っています。
ひゃっほー「花火の音がする」:みくる古泉。女性作家に人気ですね。心のすれ違いがシーンの組み立てで丁寧に盛り上げられています。構成の勉強になります。
原作より面白い同人が有るのが同人界の面白さですが、共通点は、原作に隠された、気をつけないと読み飛ばしてしまう緊張を発見して増幅するところだと思います。
どぎついネタでは強姦モノやキャラが死ぬものまで有るのですが、そういうほかの作品でも同じ効果が生まれる技法では作り出せない空気が作れていると思います。
単なる悲惨、悲劇でもこれは生み出せないので、勉強になりますね。
歌合せ的に行くと、コミティアで活躍しておられる大城ようこうさんの「すきということ」が、かまってほしい乙女心、かまいたい男心のすれ違いと言う全く同じテーマでオリジナルを描いておられるのですが、「女の友情が描きたかった」という目標設定のために、場面の並びが「すれ違いの解消=心の重なり合い」に向かって高まって行って無いように感じられます。場面転換が盛り上げに寄与していないような。
商業水準の巧みな心理描写のできる作家でもエピソードの積み重ね、盛り上げる構成は難しいのだと言うことです。勉強になりますね。
路地裏トリップ「夏☆しよう」:水着ネタ。あいかわらずの一撃離脱な本ですね。思いついたネタを過不足無く展開しきる尺で描くことが上手い人は尊敬しますね。天さんがSOS団という団体の事件として物語を組み上げるのに対して、リサリサさんはキョン長門ハルヒの三角関係でまとめるという違いが。
私の考えではキャラオンリーに分裂しやすい最近の同人界にあって、団体劇は押さえるべきネタ出し法だと思います。また、ストーリーとは物語るに足る出来事の描写なのですから、事件を起こすこと=人物相関の中にトラブルのタネを仕込むコトは上手いネタ出しだと思います。そういう対照的で補完し合う個性が組んでる得難いサークルです。私は、ここを知らなかったらここまでハルヒでネタ出せてません。
まだまだあります。

エンドレスエイトネタ…元カノと現カノ?

2007-09-21 09:40:48 | 涼宮ハルヒ
前の更新で、聖パウロの回心日が阪急の創設者の命日だと書きましたが、実はアルカポネの命日でもあります。
以前、アルカポネネタを振って、「カポネ=禁酒法時代の密造酒で金儲け」と「西宮市は酒造りが盛ん」と言うこととこじつけられると書いていたので、コジツケが派生して幸せです。
「もやしもん」が発酵についての作品で、発酵の重要な要素は酒ですから、ちょうど良かったですね。「オリゼーの憂鬱」という回もありますし。
酒と言えば、高校生の頃、美術展で「アルコル橋の上のナポレオン」という絵を見たのですが、コルシカはルソーが憲法草案を書いた土地ですね。
もうとにかく、今までの経験伝聞を出し尽くす勢いで。空になってセロから学び直しますよ。ドッグイヤーですから。
面白いハルヒ同人紹介。
はにわ鍋「夏は佐々木とくっくっくっくっ」:夏コミ唯一の佐々木本。夏だ海だ水着だ、の真っ向幹竹割りの本です。胸の谷間がいやらしい。
INFINITYDRIVE「NOCOLDHEART」:長門のハートフルな話ですが、おそろいの携帯購入なんて、バカップルですよね。綺麗な絵でやられると変にも思わんのですよ。得だ。キョンと長門の噛み合わないところが可愛らしい。
携帯ネタはあるたなさんとかが佐々木キョンでやってますが、2006年冬ですから先駆的作品といえましょう。
DeepPineApple「有希、病床、自宅にて」:分裂ネタの本。独自の世界を行くサークルです。下着が絡むと何故かいい感じに展開します。
病床長門ネタは、volunteersの分裂ネタ突撃の原因ですので、こつこつ攻めて行きたいと思っております。DeepPineAppleさんとの解釈の違いを楽しんでいただけるように頑張りたいところです。
彦二部屋「涼宮ハルヒの超能力学園ピーキーZ」:可愛いデフォルメ絵とリアル絵の落差で押さえつける力技は凄いですね。メインはエロですが、ここで敢えて紹介したのは、4コマが何というか面白い。ウーマンリブ連呼のオチが反復するのがいいですね。反復ネタのお手本です。しかし、アームロック巡査って…
WG駅前「虹色ガールフレンド」:洗練された2つの違う絵柄がそれぞれ「心のあや」を描くという本。素直じゃないキャラと悟ったキャラの組み合わせが醸す雰囲気が面白いです。こういうほほえましいのは勉強したいところ。古泉みくるの組み合わせは女性に人気のようですね。
面舵いっぱいいっぱい「誘惑スピンドル」:「情熱」「妄想」「誘惑」、3冊全て良い切れ味です。可愛い絵でかなりきつい下ネタやるのが刺激的です。鶴屋さんが不思議な悪女に。かわいらしいですね。ハルヒのキョンラブ故の怒り爆発も可愛いです。谷口が酷い事に。
ビールのドライのような喉越しのスッキリ感が良いですね。何杯でもいけそう。これは面白いハルヒ同人の共通の特徴でもありますね。ガブガブいけるサッパリした読み応え。どうやってこれが可能になってるのか研究して再現するのが課題ですね。
まだまだありますよ。

分裂と暴走…カラオケネタ

2007-09-19 14:57:38 | 涼宮ハルヒ
「暴走」の「エンドレスエイト」のハルヒの予定表の「その他」に「カラオケ」は入るでしょうね。とりあえず、山本寛がらきすたEDでカラオケネタやってたので。
商業だと権利関係が難しいので同人向きなネタかもしれませんね。
「同人ですから」と甘えていられない状況になってゆくのでしょうが。フィギュア同様に、きちんと許可を取って同人を作る時代になるかも。
これは使用料を払えない作家を金で差別することになりますが、表現の自由の侵害だと主張するのは、その作家が生活保護を受けてる場合とかになるのでしょうか。
私の脳内設定では周防さんが歌姫なので、カラオケネタは振ってみたかったところです。どうせなら、「陰謀」以前にこういう機会は無かったかと探すと、エンドレスエイトがやり易いかと思いました。「夏だから海」「水着」とやっても良いですが、まあ、佐々木プールネタとか長門水着で入浴ネタはもう振ってるので。
からくり屋さんが「感動を惹起する装置」としての「作品」という考え方を提唱しております。
これは米澤さんが、フィクションなのに感動するところが漫画やアニメのすばらしい所だとして、いたずらにリアルを追求することを批判しているのと対応します。
「クレヨンしんちゃん」の劇場版は、あんな絵柄でも十分泣ける、そういうリアル絵に頼らない「リアリズム」が有るのだというのが米澤さんの主張です。
セーラームーンは、あんな目の大きいキャラでシリアスをやるのがおかしい、リアリズムは目の小さいリアルキャラでやらなければいけない、という押井守のデフォルメ批判と対照的ですね。
大塚英志が、手塚治虫が偉いのは、デフォルメキャラに「血が出る肉体」を与えたことだ、と論じておりますが、これも「外見上のリアル」より「キャラの置かれた世界の設定」がリアルを感じさせるということだと思います。
これは最近までメディアワークスで編集をなさっていた荻野謙太郎さんが「手塚は映画の技法を漫画に取り入れたのが偉い」と論じているのと対照的です。
優劣は無く、二つの立場が漫画には可能であって、各自の能力に応じて二つのリアルを使い分けたり拒絶していけば良いという事でしょう。
これ、じつは、谷川さんのタネ本だと思っている柄谷行人の論で引用されている夏目漱石の文学論なんですけどね。
漱石は、自然主義=写実主義とロマン主義を対立的に捉える批評を否定して、これは二つの技法であって、使い分けたり混ぜたりすればよいと考えていたようです。もう100年前に論じられていたコトを、また論じ直すだけでは間抜けなので、何か付け足せればよいとも思いますが、実のところ、この問題が放置されては蒸し返されるのも、内容がどうであれ、論文書いて原稿料貰えたり、退屈がしのげたりしちゃうからなのかもしれませんね。それなら永久に結論は出ないでしょう。出ても出なかったことにして遊んだ方が面白いのですから。
米澤さんは、感動の発生源を、生物の根源感覚=「快苦」と考えたようで、60、70年代少女漫画雑誌の指導理念、「怖い、悲しい、愉快」の再評価、要するにホラー・サスペンス・悲劇・ギャグにこれからの漫画の果たす役割を求めています。
まあ、これに「友情努力勝利」と「謎解き要素」辺りを付加したらだいたい残るのはニッチですか。癒しとか薀蓄とか萌えとか?
手塚の「キャラが肉体を持つ」は必然的に「スポ根」と「エロ」を可能にします。まあ、コスプレからイメクラまで可能になるわけですが。
米澤さんの「他者との繋がりを求める現代人」図式でゆくと、勝負=葛藤も友情・恋愛・性も「繋がり」の内ですね。対立と結合の混在した「ツンデレ」が、昔から存在していながら、何故今頃になって「命名」されたのかも、このあたりの混同、ぶっちゃけの時代精神に原因が有るのかもしれません。
まあ、敵対=恋愛はやおいの文法か、「いやよいやよも好きのうち」というセクハラオヤジの自己正当化か、そのあたりの起源なんでしょうけど。ツンデレの命名の遅れも単なる偶然かもしれませんしね。
この辺りまで語る前にだいたいイベントや飲み会は終わってしまいます。漱石は小説に集中しだしたら文学論は放り投げてしまったそうですし、結局は踊る阿呆の方が面白いのでしょうか?

驚愕とエンドレスエイト。

2007-09-16 00:24:54 | 涼宮ハルヒ
キョンたちが利用してる鉄道は阪急ですが、創業者の小林一三の命日が「聖パウロ回心日」なんですよね。こういう偶然が面白い。
まあ、スカートまくり上げが描きたかった訳ですが。
もっとさらりと展開させることも出来たのですが、まあ、たまにぶち抜きも有った方が良いと思うので、こちらの展開方法でやりました。
ぐだぐだしようとも、描きたいところを長目に取るのです。担当さんの駄目出しが無いのですから、品質管理の尺度は、やりたい事に偏る自己満足の達成度に尽きます。
これで我慢したら、編集さんにネームチェックしてもらわ無い分、完成度が下がるでしょうから、誰も喜びません。
これ、WORKSの漫画の描き方本の主張に真っ向から反対する実践活動なので、つくづく実務は教科書のようには行かないと思います。
逆に、以前、あじゃぱーの沖名さんに「何故、余白に愚痴を書くの?」と伺ったところ、「漫画の描き方教室の本に書くなと書いてなかったから」との答えでした。このように教科書できちんと実践ができるという実例もあるので、最後は各人が快適にやることですね。
パウロは異邦人の使徒ですから、まあ、異世界人でもあるわけですが。異邦人=エビスですよ。西ノ宮です。
使徒行伝だなんて、本当はマリみてで振ってるようなネタのはずなんですけど、マリみてで聖書ネタは通じないので、ハルヒやってて良かったと思いますね。
米澤さんは、バブル後の平成不況と、ネットによる個人の孤立化が、大衆のアイデンティティーを喪失させ、それを回復させるために「国家」「民族」「歴史」「ルーツ」の再発見、原点回帰が起こる、それが伝奇SFブームを生むと予想しております。グローバル化が原因に挙がって無いのが面白いですね。
かみちゅ、ひぐらし、嫌韓流、30年代ブーム等はそういった動きの生み出したものだろうし、私の中での「分裂」の和歌ネタはそういう意義があります。
国語の授業で文部省が私に教えたかったことが今になってようやくわかった、という感動の毎日です。20年遅れで日本人になった気分ですね。
青木さんに日本の一番長い日と203高地という映画を見せて頂いたのですが、見た晩に、日本の一番長い日で登場したNHK職員のモデルになった柳沢恭雄という方がお亡くなりになっていてびっくりしました。さらに直後に203高地に協力していた瀬島龍三が亡くなりびっくりしました。さらに、先日、石川県の小松を訪れた際にたまたま見つけた墓が日露戦争の戦死者の墓でした。これもハルヒ効果だと思いますね。考えてみれば乃木希典は佐々木源氏らしいので、佐々木さんですよ。長州閥の安倍政権がつぶれたのも面白い偶然ですね。ハルヒに衝き動かされつつこれからも更新して参ります。


「分裂」と「暴走」…エンドレスエイト佐々木さん

2007-09-14 18:22:59 | 涼宮ハルヒ
8月はお盆シーズンですからね。ハルヒたちが肝試しした墓場は長門のマンションの近所に実在します。幽霊が出るようにハルヒが願ったから何かが起きたと言う展開はアリですよね。
前回、佐々木さん=幽霊ネタを文字だけで振ってましたが、作品化。まあ、スカートまくりあげがやりたかっただけです。
佐々木さんは「聖パウロ的」という改心の経験について語っていますが、聖パウロは、復活したイエスに会ったことで改心するわけです。復活した死人のモチーフですね。
また、コペルニクス的転回はカントの言葉で、主観が客観を既定するという発想らしいので、バーチャルリアルですよ。不存在の人物が居るかのように感じると言うモチーフ。
佐々木ファンとしては不吉な解釈ですけど。谷川さんには是非、佐々木さんの死亡や消失は避けていただきたいところですね。
9日のハルヒイベントは朝倉ほどでは有りませんが熱心なハルヒファンが押しかけておりました。小イベントだったので全サークルに新刊配布した上に、ギャグ系漫画サークルの本はコピー本でも買い漁るという事を相変わらずやりました。文字系、フィギュア、イラスト、エロは私以外でも大いに語っているのでまあ、ギャグ漫画中心に買いますし、語ります。理想は作品で語ることですが。
米澤さんは、「笑いは都市のもの」「涙は農村のもの」と分類していて、泣きゲーとかのブームは、「都市の若者の感性が農村型になっているから」と推測しております。
フランクフルト学派の啓蒙の弁証法、文明が野蛮に回帰するという皮肉を当て嵌めてるのですかね。新左翼っぽい。
まあ、現代人がネットで喪失した現実感を「身体性」の回復を求めることで補填しようとするから「暴力」「恐怖」「性」「悲しみ」「笑い」が求められる、という氏の分析自体、新左翼の「疎外論」の漫画分析版だと言えなくも無いですね。
左翼学生運動の提起した現状批判は誤りで、全く参考にならんという立場なら、じつは米澤さんの漫画論のかなりは一蹴されかねないですね。
UDOさんの、「滅亡した落語は漫画の参考にならない」という考え方で行くなら、敗北した運動の思考パターンで為された現状分析は怪しいですね。
オタク界はまだまだ55年体制なんですね。知らない内に冷戦時代の思考パターンに巻き込まれちゃってる。
左右だけでなく、60、70年代の全共闘時代の政治運動に対立する概念としてノンポリが叫ばれたとしたら、皮肉にも「俺は政治がわからん」「俺は中道だ」と言ってる限り、ソ連崩壊以前の脳味噌なんですよね。
平成ライダーのスタッフの白倉さんが2極対立以上の多極対立は脳が理解できない、だから勧善懲悪のマンネリに陥る、と心配しております。作品作りを通じてこれをどうにかしたいらしいのですが、その先にポスト冷戦構造オタク文化が初めて姿を見せるでしょう。
私は、「猥褻文書規制の政府、著作権保護の資本VSオタク」は判り易くて好きですけど。人間の脳の構造が2極型だったら、今の人類が滅亡しない限り克服できないし。

涼宮ハルヒの暴走再考…エンドレスエイトと分裂

2007-09-09 08:06:50 | 涼宮ハルヒ
まあ、15498回もやってれば1回は有るでしょうという事で。
子規はホトトギスの意味で、以前ネタに振っていた、「分裂は鳥のモチーフがある」「九曜さん=ホトトギス」ネタを引き継げてるのがいいですね。
和歌ネタにつながってるのも「空想歌学返歌実験」としては上出来ですね。
これからハルヒイベントです。

分裂~驚愕の間…思考実験

2007-09-09 01:26:48 | 涼宮ハルヒ
攻殻機動隊にこういう話がありましたね。前にも、「分裂」は全て情報操作でしたというオチの可能性についてキョンと古泉が語るネタを振ってましたが、佐々木さんが実はキョンの幻である、という可能性もゼロではないので、覚悟してますよ。幽霊の可能性だってゼロではない。幽霊は異世界人ともいえますしね。
空想の具現化、情報操作、記憶改変、過去の修正が可能な世界では実在すらあやふやです。
面白いハルヒ同人紹介
おきらく茶屋「SOSCHILD!」:幼稚園ネタの続き、小学生ネタ。今回はキョンと古泉が夫婦ですよ。SOS3人娘は2人の子供と言う凄い設定に。いや、ほのぼの子供世界漫画ですが。良く考えると凄い世界なんですよ。
TTT「ドジデレ」:これはこれで凄い世界。高校生の男子、女子にとっては人生の一大事、「距離を縮めること」を追求しております。心はどういう事件で一番動かされるかを改めて気付かされますね。

空想歌学返歌実験つづき…「分裂」は「試験」のモチーフが反復。

2007-09-08 21:09:51 | 涼宮ハルヒ
いままでも寓意を感じさせる表現はありましたが、分裂はかなり強烈に暗示させる表現が多用されています。どんでん返しの伏線を隠す煙幕かもしれませんが。まあ、遊んでおこうと思います。
間宮芳生の民族音楽の現代音楽への活用の文章だったと思いますが、
そのまま使う派=ハンガリーの民族音楽についてのリストやブラームスの立場
エッセンスを抽出して応用する派=バルトークの立場
を区別していました。10年以上前ですが。
私の制度重視もこの区別と関係有るのですが、これは実践あるのみです。
以前、漫画への落語の応用について私が書いたのはこれを区別していません。米澤さんの、面白い漫画=共感できる世界=現実の事物の取り入れ、という連想に関連する問題だと思いますが。
ファンタジーだから何でもアリ、ということに甘えてると、リアリティが失われ、ドラマのお約束が不可能にならないか、と米澤さんは心配してましたが、袋小路に陥って滅亡するのも、新しい何かが生まれるためには必要かもしれませんから、問題ないと思います。
今回の和歌のテキトー解釈も、落語に同様のネタが有ります。まあ、落語は滅亡しつつある芸能だから参考にならない、というUDOさんの指摘を生かして、参考にせず、素材にしております。楽太郎も成功してるように見えませんしね。
和歌も滅亡した芸でしょうし、百人一首も、私の子供時代と違って現在は知る人ぞ知る、の存在でしょうから朝倉ネタの作品に多様性を与えるにふさわしいかと思います。朝倉さんのお色気も描けるし。
ルソーの「少し読んでたくさん考える」
源俊頼の「たはぶれあそび」
柄谷行人の「下部構造変化が上部構造を変える」
を念頭において更新して行きます。

補遺…絵は9月9日新刊表紙。

2007-09-07 02:30:28 | 涼宮ハルヒ
面白いハルヒ同人紹介を。
サガ=ラン「涼宮ハルヒの変貌」:「はじめての同人」とありますが、そういうサークルの本を手に取る機会が多いのがうれしいですね。世界がしっかり描き込まれていてなかなか表現が達者ですね。有希がキョンを独占しようと暴走するマンガの、手に入らないものはあなた、というところにみょうにどきどきしてしまいました。
Opa12「長門さんと下ネタの本」:読んだ人がみんな「凄い」と言う本なんですよね。飲尿ネタなんですけど。このノリというか、場の盛り上げ方は自分でも使ってみたいところですね。
歌合せ的に行くと、サガ=ランと、マンガの展開の重点がちょうど逆になってるのが面白い。サガランが漫画の展開をきちんと踏まえているのに対し、Opa12は展開を破壊してもやりたいところを引き伸ばしてます。
土鳩団「遊星からの物体Xvol.2」:一読即買いのギャグ。九曜さんのナマコ検診が凄い。長門の治療も畳み掛けるボケ攻撃で凄い。みりんが原料なんですか。vol1とまとめてほしいですね。とにかく、ぽんぽん驚きの場面が息をもつかせず続く展開が凄いです。早死にしちゃうんじゃないかと心配になるスピード感です。どのジャンルやらせても上手いと思いますね。
ヒゲブラシ「生最強」:タイプの違う3人が、勢い良く、変に色っぽく、恥ずかしくまとまっていると言う「サークル」の強味を発揮してる一冊。学漫の経験が活かせてますね。ムヒやタイガーバームだけであんなに盛り上げていいんだ、と反省しました。バランスが破壊されてるのが最近の漫画ですよね。
POSITIVECOMPANY「そりゃ有希ってコトかい?ちょっ!」:長門ときょこたん応援してる瓦さんの本。妙に味のある表情の女の子をお描きになるご本人の作品もゲスト作品も「積極的有希」がいい感じです。今回紹介している本は皆そうなのですが、時代精神ですか?ここのきょこたんは一生懸命で可愛いのです。きょこたん本も楽しみです。
センチメンタルクリエイション「SECONDSTEP!」:もう、なんと言いますか、直接描写無いですけど恥ずかしい青春の本。煽情的でないのに、何でしょうこの生々しさは!ハル×キョンサークルは、長門ラブサークルとはまた違ったどきどきをもたらしますね。ハルヒが感情豊かで不器用だから、困らせれば困らせるほど可愛らしく、展開は盛り上がってしまうからですかね。TTTとかTailBellとか、じわじわと盛り上げるのが上手い方がハル×キョンサークルには多いような気もします。
ラストの2回くらい?がよいですね。あと、後書の考察は鋭いかもしれませんよ?

空想歌学返歌実験…中学佐々木キョンネタ。朝倉さんご立腹。

2007-09-06 20:44:06 | 涼宮ハルヒ
百人一首の口語訳を読んだのは中学2年の頃だったと思います。国語の授業で、国語の先生が自分で翻訳したものでした。詠嘆とか、訳すのに苦労したと言っておられました。流行語でも強調の形容は変動するそうですから、義務教育でこういうことを習っておいてよかったです。
regaさんやtakujiさんの書き込みへのコメントでも書きましたが、キョンとか佐々木とか、固有名詞が不明な人物が出てくるのは、キャラの個人情報より、キャラの割り当てられた役割がストーリー展開に重要になるような構造の物語を谷川さんがやっておられると言うことだと思います。
だから、場合によっては佐々木とハルヒが交代することもあるし、朝倉さんが殺人鬼だったり青鬼だったりすることも可能です。
単に、視点が違えば、というだけでなく、ヘスが家庭では父親であり、アウシュビッツでは所長であるような役割期待への適応が驚愕のどんでん返しに絡むかもしれません。ただ、今までの役割期待を信じてきた我々には不愉快かも。
米澤さんは、マンガがつまらないのはリアルとフィクションの両方が不足して中途半端なのだと考えておられたようで、作品世界を具体的にするために現実に存在するモノを作品へ取り込むこと、センスオブワンダーのためには、場合によってはフィクションから現実変革を提起してゆく可能性を考えておられたと思います。
ハルヒの西宮市ロケや、パレスチナのデモでのプラカード登場はこれに対応する面が有ったと思います。
ただ、現実は、多面体ですから、自分の知らない現実はリアルに感じられない欠陥が有ると思います。また、上手くやらないと予想を裏切るだけでなく期待も裏切ることになるでしょう。
米澤さんは最近のマンガはコマが割れてないと批判的です。海野蛍さんも、構図のイマジナリーラインというのを繰り返し強調なさっていて、あるコマで右にいた人物が次のコマで左にいたら瞬間移動したように勘違いする、と読者の読解力を配慮しております。
きゆづきさとこさんや、赤いマルボロさんは必要な場合はこれを破壊しておりますが、ハルヒの謎本で、映画の構図のイマジナリーラインは小津安二郎が破壊したとあって、海野さん世代と赤いマルボロさん世代の間にマンガ表現での小津が居たことがわかります。
われわれは、マンガ表現の小津安二郎以降にようやくたどり着いたところらしいので、米澤さんは批判的ですが、若い人のコマ割が乱れているのではなく、今までの約束事と違うコマ割が発達しつつあるのかもしれません。

久々に空想歌学返歌実験…中学生佐々木キョンネタ、和歌で解釈?

2007-09-04 16:48:16 | 涼宮ハルヒ
源俊頼は、分裂で鶴屋さんが挙げていた、百人秀歌の歌の作者です。
あの歌と差し替えになっている百人一首の歌がこれ。
源平藤橘、全て出せました。佐々木さんも周防もパンジーもきょこたんも、この人で繋がると言う。こういうコジツケが面白いのですよ。
雄略天皇は、埼玉県の稲荷山古墳出土鉄剣銘のワカタケル大王だと言われてます。
古墳と剣は、小学生の時、社会科見学で見ました。
初瀬が朝倉宮跡だという話は、中学生のとき、奈良に旅行に行った折、タクシーの運転手さんに教わりました。
そして、ガンパレの聖地巡礼で熊本に行った時、熊本の江田船山古墳出土太刀銘に、ワカタケル大王の名が有るという話が。結局、太刀の現物は東京の博物館に有って、東京で見れたのですが。
関係する両端と真ん中に行った事があるというのも面白いことです。まあ、偶然はこのぐらい重なると言うことです。
商業のハルヒの謎本の攻めていないところを攻めております。ああゆうマジメな研究と比較にならないトンデモです。サブカルだのセカイだのポストモダンだのSFだのミステリだの、そういうのと違ったコジツケ遊びをやっています。
まあ、源俊頼は、歌は「たはぶれあそび」だと言っておるそうですから、私も批評だの研究だの思想だのとは別に「たはぶれあそび」でやってきますよ。

朝倉さん復活…涼宮ハルヒの憤慨から分裂にかけて

2007-09-02 17:40:08 | 涼宮ハルヒ
joの島田君は、朝倉はキョンを殺すのにナイフは要らないのではないかと言ってたのですが、分裂で朝倉復活の気配がしてくると、以前takujiさんがコメントしておられた「朝倉=青鬼」説、まあ、「襲撃は茶番」説が現実味を帯びてきますね。
明日のジョーの力石の減量と同じだと思いますけど。でも、過去が変わると言うことは、ハルヒが今までと違う方向に方向転換したということですよ?
過去は、現在を説明するように解釈されるのですから。
朝倉イベント、新刊率80%以上だったと思います。士気の高いファンがついてますね!売り上げもサンクリ並みでした。考えられません。
夏にもお会いした魔界都市出版さんとかActivemoverさん、ねこうさプリンさん、大市民さん、東ガル会さん、夏にお会いできなかった路地裏トリップさん、skirthikeさん、佐々木で捕捉していただいてる悪い習慣さん、もう会いまくりで、オンリーイベント万歳、でした。
しばらく朝倉度アップする予定です。何故かは作品の形で。