年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

長門有希の「恩返し」?…超展開!?

2008-01-31 05:26:32 | 涼宮ハルヒ
…こーゆーのを「超展開」って呼ぶのでしょうか?コンピ研部長氏がハルヒ達に殴られてハイおしまい、という展開は、読みたいネタではないので、自分では描きません。
暴力が嫌いなわけではなくて、秩序についての好き嫌いなんですね。なにもしなければ暴力から免れられるかというと、そうはいかない。今回のコンピ研部長氏の場合は、何もしなければ鉄拳制裁の危機が迫っているわけで。
不測の場合ならともかく、悲劇が予期される時は、積極的に何かしない限り、殴られた人にも「不作為の過失」があるわけで。
まあ、殴られた後で愚痴や憎まれ口を言う「自由」はあるのですけど、どうせなら殴られない可能性に賭ける「自由」の方を行使すべきかと思います。
コンピ研部長氏は「弁解」に賭けようとしますが、長門さんは「避難」に賭けたわけです。
言葉による交渉は、常に有効なわけではありません。それが有効な時機を逸した場合には時間の無駄、対策を打つ時間を失います。
前に更新した、佐々木さんが「長門さんがSOS団をどこかへ避難させてる」と推理するネタと通じるネタ。
平和は能動的に実現されるしかないという秩序感覚です。
面白いハルヒ同人紹介。
Deeppieapple「今日も長門さんがいます。」:ツンデレ有希で独自世界を築いた朧さんの安定したギャグ。これは原作に縛られがちなパロ同人達への福音ですよ。朝倉はデレキャラの設定なので、今回はツン無し有希ちゃんになってます。
特にサービスや迫力のためのコマの破格や情報量を増やすための構図の工夫など、変則4コマとストーリー漫画の双方に共通する技法を相互にフィードバックして可能なネタの幅を広げておられると思います。
20日の飲み会で即興リレー漫画を遊びを兼ねた修行に使っておられたことが判り、よく驚かされる展開の飛躍が出来る理由がちょっと窺えたかと。
童話建設との合同本だそうですが、普段エロで鍛えた表現力が爆発する童話建設のパワーにDeeppineappleが庇貸して母屋を乗っ取られる勢い。「ゴール」が凄すぎる、でも表情は最高にドキドキですよ。お色気有りギャグに向いてると思います。
からくり屋「戦慄のハルヒ焼肉」:戦慄シリーズ最終巻、残念です。またこういう世界を続けていただきたいと願っております。
今回はオリジナル本との競合の時間不足のせいか、折角のネタの連打がコマが小さくて迫力不足になっていたのが勿体無いです。
手間を減らすのに、詰めてページ数を短くするより、ネタ数を減らしてネタの盛り上げにきちんとコマやページを割いた方が良かったと思います。
大ゴマの見せ場とかタメとか間をもっと活用した方が「読者置いてけぼりギャグ」の力をフルに出せると思います。
無茶な展開はあいかわらず健在。アカギとキョンが食物連鎖の底辺、という設定が再確認されるラストが笑えます。
ハルヒ以外のSOS団の面々も酷いキャラだという設定はもっと活用すべきだと思うので、是非改めて物語を。
Natsusakura「長門有希の分裂」:この人はネタを使いこなす名人。キスという恥ずかし素材を中心に何でも起こすぞ、というノリ。キャラも可愛いし。
今回は変則4コマ連作でストーリーを展開する技法ですが、ストーリーの盛り上げと構図が上手いので、ストーリーマンガの読み応えです。勉強になりますね。
ナシノツブテ「アグレッシヴ長門」:ここも変則4コマが上手いサークル。私自身、今までのキャラ造形でやれないネタが出来て困った経験があるので、独自のデザインのキャラでガンガン色々なネタをやってしまう手数の多さは凄いと思います。ちゃんとお色気シーンのサービスがあって、裸体が描き分けられてたりする器用さ。
オリジナル始めるせいでハルヒは止めるかもしれないそうですが、勿体無いです。
路地裏トリップ「それゆけ!!SOS団」:底にシリアスのある作品から超展開の作品までガシガシ描かれる漫画力サークル。描くとなったらかなりきわどいサービスシーンも挿入する読者には有難いギャグサークル。
今回は短編ながら良い味出してる長門と朝倉さん。奇行の底には近付きたい人との距離を縮めたい一心が…。こういう真心とギャグが組み合わさった作品は自分でも描きたい形式なので自分に無いバランスを盗みたいところです。
自分の気づかぬうちに笑われる展開になったり、自分を犠牲にして笑いをとってしまうというキャラたちの姿が酔った作者達の姿に重なる様に思っております。
ここのサークルの長門本を読まなかったらハルヒ続けてなかったと思います。そしたら、今まで挙げてきたサークルの本も読めなかったでしょう。谷川さんもここの本を読んでるんじゃないかと思うことがあります。
ぶるぅらいん「もってけ!TFEI」:SS描きの方らしいですが、SSだったらこのブログでは紹介していないので、偶然のめぐり合わせですね。
TFEI三姉妹の小ネタが光ります。キャラ達が一生懸命だし、各々の優しさがギャグの端々から溢れていて、こういう作品は読後感が良いんですよね。
注目は九曜さんの絡み方が私好みなこと。かわいらしいです。
可能なら次も漫画本でお願いしたいサークルですね。
恐ろしいことに、まだまだ紹介するサークルがあります。

SOS団襲来…コンピ研部長氏死亡フラグ?

2008-01-29 00:17:21 | 涼宮ハルヒ
まあ、見た通りのネタです。次の更新でやや詳しく書こうと思います。
面白かったハルヒ同人紹介。
懐か「WE ARE THE WORLD」:本文200P超の総集編。本編の裏話的内容。
ざりざりした絵柄でごつごつと日常が展開する青春ドラマ。恥ずかし系ではなくけだるい系。
笑いや涙は無いですが、賀東招二がオフィシャルファンブックでキョンと古泉のロードムービーやりたいと言ってたのを思い出させられた作品群。この絵で佐々木団を見てみたい気がしますね。
comeri「いきなりはかわれない」:オフセ。これまた青春1ページ的話。ツンデレキョン。つまらないと批判も多い「雰囲気系」は和歌の系譜の同人文化だと思います。
娯楽性は低くても、漫画における「捨てコマのかもし出す間」「心理描写を含んだ風景描写」などの土台となる技法の実験場であって、4コマにもストーリーにも応用できる宝箱だと思っております。
ハルヒのアニメが嫌いな人には、1話の山本寛の自主制作映画的ノリが嫌いだという人が少なく無いと思いますが、あれが底にあればこそ、アニメ版ハルヒがちょっと違うアニメだという印象を視聴者に与えて、差別化に成功したとも考えられるわけで、まあ、濃爆オタク先生は全否定してますが「日常描写」も使いようだと思います。
ゲストの4コマが笑えます。古キョン…。
comeri「あとはのとなれやまとなれ」:コピー本。2冊紹介するのは、オフとうってかわって、長門とみかん、古泉とハルヒ、みくると釘煮、の小ネタがほのぼの面白いからです。特に、釘煮は、ご当地ネタらしく、変なナショナリズムが笑えます。ちゃんと長門が知ってるのもいいですね。こういうネタがたまに入るのが大事だと思っております。
シマコヤ「あかいものなんだ?」:一読即買いの一冊。晒しになるので、現物をお見せできないのが残念ですが、ハンマーで頭を殴られたような衝撃がありました。コピー本。まあ、他の人にも分かち合えるショックではないのですけど。
キョン妹が古泉に呪いをかけるシーンが妙に印象的な不思議な作品。キョン妹が描きたくなりますね。
こっちへ進化してるハルヒ同人は多くないので、貴重ですし、入手できて幸運でした。こういう事件を起こすのは珍しい。というより、これから先に語ることは自分で作品作りに活用しないと無意味なので語れません。
エイチ「MAGICAL WORLD」:古泉ハルヒの純愛(?)ネタ。これまた一読即買いでした。これは「掃除」「髪を梳く」というモチーフが上手く使われてる話で、モチーフからストーリーをひねり出す模範みたいです。
昔、テレビで見たヒッチコックの緊張感の高め方と同じ技法がさらりと使われていて。絵柄もスタイリッシュなので、妙に盛り上がりますね。古泉が描きたくなる。
今回は、今まで一度も紹介していなかったサークルをピックアップして紹介してみました。まだまだ未紹介サークルは有るので大変です。

「作品」は「寄生生命体」?…情報遺伝子の増殖?

2008-01-27 05:58:21 | 涼宮ハルヒ
厳密な定義の「受容美学」は、「読者が勝手に読むこと」とイコールなほど自由ではないようですが、そんな定義がなくても読めますから。
作者にとっても、作者の意図が正確に伝わるか否かより、楽しく書いてるか、が大事なように思います。
前回の更新で「不如帰」=ホトトギスが出てきましたが、柄谷行人の論文中に出て来るんですよね。九曜さんや長門さんがホトトギスやカッコウのような生命体ではないか、という既刊のネタに通じて面白いです。偶然ですけど。
柄谷は、自我の確立とか、子供が大人に成長しなければならないとか、そういう西洋近代の自明の価値を批判する立場なので、コンピ研部長氏のように、自我の確立が大切、という立場から引用されるのは心外だと思いますが、一旦作者の手を離れた作品がどう読まれるかは、作者のコントロールできないことだという実例だということで。
面白いハルヒ同人誌紹介。
マキじタ「藤(笑)」:女連合に押されまくりで藤原がかわいそうな佐々木団本。でも読後感は悪く無いです。奥付け漫画で長門にガンガン殴られてたりするのに不思議です。
初同人だそうですが、自分の初同人のときのことを考えると、達者です。天井から長門、コケシ長門とか…凄い。大人みくるの笑顔攻撃も凄い絵です。
我流のキャラ造形だそうですが、男女キャラ共に良い感じ。特に佐々木さんの解釈は好みです。私が今の絵柄に飽きたらこういう絵柄にリセットし直してもいいかもしれませんね。
マキじタ「私は、ここにいる。」:メインはSOS団女連合に押されまくりの谷口が可愛そうな本。藤原がみくるにまで不愉快な思いをさせられる出張版藤原弄りが同時収録。2冊紹介はあまりしないのですが、佐々木さんの「○起」発言がツボに嵌ってしまって。こういうのこれからも描いて頂きたいです。
sennen-syoukan「some day in the XXX」:古キョン本ですが、良い感じの佐々木団漫画が載ってたので即買い。古泉にまで痛めつけられる藤原。佐々木団と古泉の絆が深まってしまうのが笑いました。
あるたな「佐々木空間」:「分裂」発売当初から佐々木団で精力的に活動しておられるあるたなさんの佐々木団本です。佐々木、橘、九曜、藤原のそれぞれに独自の解釈を加えて、事件を起こし、かわいい長所を引き出しております。藤原すら。
現段階で入手しうる佐々木団ネタでは、こことskirthikeがスタンダードで、このくらい面白ければハードルクリアだと思います。
漫画版でツガノさんはこういう佐々木団の長所を引き出してくださるのでしょうか。山本寛のいう、商業アニメがニコニコ動画に敵わないのと同じ理屈が成り立つ危険性は有ると思っています。
OVERALL noreply「COOLDRIVE3」:web漫画の巧みな式さんとYU-Jiさんの合同誌。そもそもフルカラーってのがとんでもないですし、風呂ネタ、妄想エンドレス長門ネタは、上手いところを衝くなあと感心するばかりなんですが、今回の本は特に、過剰サービス九曜さんの佐々木団漫画が載ってるので紹介します。
佐々木キョンの見せつけネタも上手いですね。あと、レイヤーって便利だなあと思う「黒パンスト」脱着。
20日の飲み会で伺った限りでは、YU-Jiさんは1枚絵からの漫画への進化組で、下手に古いアナログ漫画のべき論に汚染されなかった為に、未来を手に入れつつある作家さんの一人だと思います。このくらいのお色気で突進お願いします。
おきらく茶屋「ねこねこびより」:みんな猫化本。今回の紹介は佐々木団が続いているので、佐々木団猫も出てるこの本は紹介しとかないといけません。
ほのぼのの画風の底に心理的にはかなりの葛藤があるのが凄い。じつは緊張したドラマなんですね。ほのぼのとして読むもまたよし。
本筋もほのぼのしていてよいのですが、ふと挿入されるカットでのキャラ同士の微妙な距離がいいですね。喜緑さんと生徒会長の近さとか。生徒会長登場は貴重ですよ。
今回は佐々木団ネタ中心の紹介でしたが、まだまだ紹介し尽すどころでは無いので、どんどん紹介してゆきます。

コンピ研部長氏の自己嫌悪…ふきふき長門さん

2008-01-24 16:51:14 | 涼宮ハルヒ
一種のグロ画像かもしれませんね。柄谷行人は兵庫県出身なので、ハルヒの近所の人物なんだと考えております。
柄谷の、「日本近代文学の起源」という本の章立てから、適当に連想してパロディで考えたのが一連のコンピ研部長氏ネタです。既刊のネタの元ネタでもあるわけですが。
Ⅰ風景の発見
柄谷の「風景の発見という忘却された転倒をみるためには、(略)時間的順序をねじらなければならないのである」という発想が長門の「無題1」の「時間の経過は意味をなさなくなっていた」に対応。長門さんは「どうして忘れていたのだろう」と書きますが、そのとき初めて出来たものを今まで有ったと誤解してるんですね。
→明礬橋から苦楽園云々の辺りのネタに。
Ⅱ内面の発見
柄谷の「内面は一つの物質的な形式によって可能になった」という発想は長門の「無題2」の「私が引き寄せられたのもそれがカタチをもっていたから」という内容に対応。柄谷の物質的形式とは「言文一致」のことです。
→まあ、そのまんまネタへ。
Ⅲ告白という制度
柄谷の「告白という形式が告白されるべき内面を作り出した」という論が長門の「無題3」の「私はここで何を発表するのだろう。焦る。思い出せない。」に対応。既に有ると思うから思い出せないんで、これから作られるのですね。
→書くことで自我の確立とか、そういうネタへ。
Ⅳ病という意味
Ⅴ児童の発見
Ⅵ構成力について
6章中、3章は、文芸部会誌の長門さんの小説に対応してますが、それ以降は「分裂」以降で何らかの対応をするのではないかとこじつけております。
Ⅳ「病」は、「病気の原因を一つだと思い込み、それを悪者だと決め付ける」ことについて書かれています。「分裂」の長門さんの「病気」に対応、
九曜さんが病原で悪であるという発想が間違い、ということに成るんでしょう。ハルヒの言う「青鬼」ネタに通じますね。
長門さんの病気は九曜さんが原因ではないのかもしれないんですね。まあ、喜緑さんとか怪しいですけど。朝倉も絡んでほしい!前の更新でそのあたりネタにしてます。
私が、九曜さんは悪くない、仲良くなれる、というネタをやってる理由です。
→そのまま長門さん病気ネタへ。
Ⅴ「児童」は成熟の問題について語られてるのですが、キョン妹とミヨキチの成熟度の問題とか、キョンがハルヒ達や佐々木が変わっていないと思い込もうとしてることに対応、卒業を意識するというモチーフとか。
→自我の確立云々ネタへ。
Ⅵ「構成力」で柄谷の引用する文の中に「遠近法は我々が固定した一つの眼で見るのではなく、つねに動いている二つの眼で見ているという事実を見落としている」という類のことを言ってるのがあって、例の「α」「β」に対応するのだと思います。
→今回のネタもそうですが、事実が確定できない場合についてのネタに。
ザ・スニーカーの付録についてきた表紙の「過去は一枚岩ではない」に対応するんでしょう。「憂鬱」~「分裂」の一連の「事実関係」が、キョンの思い込みの産物で、すべて真相は違っていた、とひっくり返る、私の既刊のネタの元ネタですね。
まあ、勝手なコジツケですけど、谷川さんのタネ本の一つなのではないかと勝手に思っております。

コンピ研部長氏の長門の小説「無題3」解釈…初描き「長門出産シーン」

2008-01-23 14:49:52 | 涼宮ハルヒ
初描き「長門出産シーン」です。初物は縁起が良いと申しますが…「グロ画像」ですかね?個人的好みで、「筋肉男の全裸」で笑いとるとか苦手なので。これが精一杯。
いろいろな要素を外して、無題2と3をこじつけて、勝手な解釈です。アレントに詳しい教官が怒りそうなアレント曲解です。ただ、強姦や和姦とは違った妙な雰囲気の画像を作る口実になったのでそれで良しです。






コンピ研部長氏、長門の小説を解釈…ポルノですか?

2008-01-22 02:35:28 | 涼宮ハルヒ
「ハルヒの憤慨」の「編集長☆一直線!」の長門の小説「無題2」を一読して、あまりのやらしさに「谷川さん、正気か?」と思いました。正気を失ってたのは私ですが。
「神様お願い今夜だけ祝福を下さい」という初音ミクの「私は人間じゃないから」というエロなオリジナル曲の歌詞を髣髴とさせる小説ですよね。
私の誤読ですが、長門の文章で、こういう際どさを感じられて幸せです。屈折してます。
青木さんの「この表現は19世紀以前なら十分性描写だろう」という評価が納得ですね。
エロをやってる女性作家さんの悩みに、「仕事でやってるのに自分がふしだらな女だと思われるのが心外」というのを聞きますが、長門が実在してたら、コンピ研部長はセクハラですね。
20日の長門オンリーに来て下さった方々有難うございます。サークルの方々には、ご挨拶した時に緊張のあまり失礼をしでかしてるかもしれませんが、お許し下さい。
ガタケでよくお会いするサークル3年5組の方々に思いもよらずお会いできて嬉しかったです。
いつお会いできるか判らない同ジャンルの方々の本です、同人誌10000円くらい買いました。
祐馬さんから驚愕が春に発売という噂がある、と聞き、感慨深いです。春って事は5月が限度ですね。上手い着眼点の「ハルヒの約束」の本を出していらして、今後もマリみて+ハルヒの活動と聞き、楽しみであります。
魔界都市出版さん主催の飲み会に顔を出したのですが、アールクーボーさんの男気、東ガル会の掛け合い漫才、skirthike、Deeppineapple、Overallという変則4コマ名人サークル揃い踏みの漫画談義を目撃できたのが良かったです。
won'sさん達と2次会になり、路地裏トリップは作品の中のキャラの行動パターンと酒が入った時の本人が各々似てらっしゃると思いました。帰りに偶然ニリツハイハンさんと同じ電車になれたのもハルヒ効果かもしれません。
同人誌の紹介もしてゆきます。



コンピ研部長氏、長門有希を励ます(続き)…やる夫は何故書くのか?2

2008-01-20 10:40:19 | 涼宮ハルヒ
長門有希が「涼宮ハルヒの憤慨」で書いた3本の小説、正しい内容は原作で明らかになるかもしれませんが、真実を知らない脇役キャラが勝手な解釈をするという体裁なら好き勝手書けると思いました。
やる夫が何故書くのか?を「作家の誕生」「自我の芽生え」から説明したのが前回の更新でしたが、それを長門有希に適用しました。
というか、このくらい明白に「消え去ることから長門を救うには、作家にしてしまうしか無い」という図式を描いておくのも良いと思いました。
「分裂」で寝込んだ長門を「驚愕」で復活させ、大団円にするには、死なせてはいけないので、彼女に「生きる意義」、「生きたいという意欲」を付与することが一番だと思いました。
コンピ研部長氏は単に、「棺桶」「発表会」「参加する資格」という単語から連想したことをコジツケているだけですが、将来の部長と見込んでいる長門へのマジメな取り組みです。少なくとも本人は。
やる夫も、小説に取り組んで、読書したり、書いたりしているうちに、やる美や長門の悩みに親身に取り組めるようになっている様子でしたが、これが心の形成、自我の成長だと思います。だから推敲して、完成度を上げて行けたのでしょう。
部長氏も、部員の世話をしつつ、ゲーム作ったりすることで、今回のネタのような心配を出来るような脳になっているという設定です。
高校3年ですからリリアンなら薔薇様たちに相当します。彼女達はスーパーガールなんでしょうから、人間にとって本当に大切なこととか、部長氏が彼女達のレベルで人に説くなんて無理なんですが、そこをやらねばならないのが他人が苦労している瞬間だと思います。やる夫はやりました。部長氏もやるということで。
この心の動きが、自殺からやる夫を救い、作品を作らせたのだろうと、そう思っております。

コンピ研部長氏が長門を励ますネタ…やる夫は何故書くのか?

2008-01-18 01:49:17 | 涼宮ハルヒ
大塚英志が田山花袋の小説を分析して、都会に出てきた文学少女が小説を書くときは言文一致の近代人として振舞うのに、田舎に戻ると、すっかり文語体の封建時代人、男尊女卑の体現者に戻ってしまうという事態を採り上げていました。
柄谷行人のいう、近代自我の下部構造が言文一致体の文体であるという仮説を引き継いでいると思います。
まあ、近代的都会か伝統的田舎か、が文体を支える下部構造なんですけど。
長門さんにも同じことが起きているとコンピ研部長氏が想定して話をしているというネタです。
長門さんにとって、小説を書くことが自分を確立することだったのです。
やる夫にとっても、小説を書くことが自分を見つけることでした。
だから、やめるわけにはいかないのです。消え去るわけには行かないのです。
練炭自殺から蘇生する時に、やる夫が「書きたい」と願うのは、「折角自分は確立しつつあるのに消えたくない」という願望を、小説書きとしての「自我」が持っているからです。
生まれようとする子供の生まれたい願望が、やる夫を衝き動かして書かせるのです。
自我と書くことについては、いままで10年近く、口頭で語ってきたのですけど、作品化したので、これからはわざわざ語ることももう無いです。10年語り続けてマンネリなので、2008年からは書くことが自己解放になるとかそういうテーマは飲み会の席では禁則事項ですね。
柄谷は、別に近代自我なんて輸入品は必須で無いと考えているようですし、近代自我なくても江戸時代は残したい江戸仕草を生み出せたではないですか。
近代自我有るアメリカ人の選ぶ大統領はブッシュなわけですし。作るのは枯葉剤・劣化ウラン弾なんですから。
自我なんて各人が作ったり作らなかったりでよいのかもしれません。とりあえず、そこまでの自己相対化した内省とか洞察は出来ていないということで、コンピ研部長氏は自己確立について語っているということです。まだ高3ですから限界付けられているわけです。



「陽春白雪」…ハルヒと有希の語源?

2008-01-17 00:25:23 | 涼宮ハルヒ
「分裂」には「四字熟語」を読者に意識するように仕向ける行が有るのですが、とりあえず、「陽春白雪」はSOS団の現状に合っていて面白いと思いました。
高尚な内容は理解出来る人が少ない、という意味は「憤慨」の文芸部会誌のハルヒと長門の作品にぴったりですからね。
まあ、春陽ならハルヒですが、陽春なのは、私のコジツケに過ぎないからですが。
陽春丸も白雪も旧海軍の船に有る名前だそうですし、軍艦ネタからの分岐でも似たような仮説にはなりそうですね。
まあ、「文選」からの分岐では「陽春・白雪」を一組で処理できる長所があります。
サクラの品種にも陽春と白雪がありますが、文選から漢詩や和歌に概念が導入されて、そこから桜の名前になっているのだと思われます。
以前、柄谷行人がハルヒの解釈に使えそうだと書いてたのは、今回のマンガのコンピ研部長のセリフの通りであります。自我の確立と言文一致の近代文学を書くことは関連しているらしい。長門が人間になるためには必要なのです。
フツーは、SOS団の皆とわいわいやってると人間らしくなると思うところですが、
それは実体験・伝聞のレベル。次のステージが自己表出の段階だと思います。
飲み会とかで黙って座ってるのと、自分から発言するのとではどっちが難しいでしょう?
ハルヒ効果なのか、このネタをやっているときに青木さんから「やる夫」というキャラが小説家を目指すというweb小説を読ませていただいたのですが、問題意識で重なるところがあって、教えていただいてよかったと思います。
長門も登場して、偶然もここまで来ると面白くてしょうがないです。おそらく、青木さんが教えてくださらなかったら、他の情報経路から教われるとは思えないので、一生読むことはなかったと思うので尚更です。ハルヒ効果ですね。
やる夫の参考にする「創作指南の本」の何冊かは青木さんに頂いて読んでいたので、話が早くてよかったです。それ以外にも97年に上京する以前から、川邊一人とか新井一とか船橋一夫の創作技法本を後輩に借りて読んでいたのですが、創作について悩んでいると称する人にその情報を提供しても、やる夫の様に「実践」した人はこの10年で一人もいませんでした。やる夫って凄いですね。
やらない理由を考える方が、面白い話を作るより簡単ですからね。やればいいのにとも思いません。その人の人生ですから、やらなかったことが失敗だったとしてもその人が後悔することで償えばよいのですから。地球人類は60億とかいるんです。誤差の範疇ですよ。
その点、「やる夫」は架空の人物ですが、凄いと思いました。この小説を書いた人の行動原理の力なんですかね。
何故書くのか?について、やる夫は「よく判らないけど書く」と返答します。柄谷行人や、大塚英志の説を信じるなら、どういうことになるのか?既刊のコメントで書いたような気がしますが、改めて、次の更新漫画で同じ問題を整理してみます。




コンピ研部長ネタ続き…「涼宮ハルヒの憤慨」への言及。

2008-01-14 08:04:10 | 涼宮ハルヒ
キョンと長門の関係のパロディーになっています。但し、物語の「謎解き要素」のためにキョンは敢えてこういう話題から遠ざけられていると思うので、脇から攻めます。
というか、キョンと長門の間でのこういう問題についての会話は本編が処理すると思うので、それを見てからネタ出ししても良いかと思っています。
コンピ研部長を重視するのは、最近の角川の市場囲い込みのための「SOS団団員募集」のせいで「SOS団」への帰属意識なるものを麗しく感じられないことがあります。私も楽しく乗せられてますけど、楽しいからこそ「角川が止めたい時がオワリ」というSOS団はハルヒ達が困るなあ、と思ってしまいます。
というわけで、ちょっと距離を置いた「ズッコケやられ役」から話を進めてます。
以前、柄谷行人の著作と、ハルヒの関連について書いた事がありますが、文章で書いても、口頭で発話しても、どうも要領を得ないので、描いてしまおうと思います。やはり、嘘でもケースメソッドの形、問題解決の形で整理した方がスッキリするかと。コンピ研部長氏のその場しのぎの言い逃れの形で。
実体験の重要性→伝聞情報の重要性→情報発信の重要性、と積み重ねてます。
もし実体験が最高なら、18歳の作家には大人の登場する作品は描けない事になりますから。異性を登場させられません。暗い気分のときにしか暗い話が作れないのも不便です。
高校の頃に読んだ高河ゆんさんの作品にあった面白さは、若気の至りの蛮勇で、「人生で一番大事なことはこれだと思う!」と大上段に切りつける鋭さ、勇み足だったと思うので、いたずらに裏付けに拘泥するのも発信には無意味だと思いますし。「知らない判らないから描けない」では抑圧感しか感じないですし。



長門さんとコンピ研部長ネタ続き…聖地巡礼の成果みたいなもの

2008-01-12 20:53:04 | 涼宮ハルヒ
坂が大変なので、自家用車、バス、自転車の活用が推奨される現地ですが、地べたを這い回るのが苦にならないので、ずるずる歩いておりますと、銀水橋の上流に「明礬橋」という橋がありました。
そのときは、こんなところで明礬が出るのか?と思いましたが、その話を先輩にしたところ、明礬の止血の話が出たので、これはコンピ研部長の手の怪我ネタに活用できる!と意外な展開に。
分裂の長門病気→コンピ研部長ネタ→怪我ネタと引っ張ってなければ使えなかったかも。聖地巡礼の成果ですかね。偶然てすばらしいですね。
今回の巡礼で、「陰謀」でキョンが亀を買ったホームセンターの隣にある、広田神社で見つけた郷土史の本に、明礬温泉のことが書かれておりました。
じつは、このことから前に描いた「驚愕」のコジツケネタに、妙なコジツケネタを新たに継ぎ足すことも可能なことがわかったので、ああ、去年急いで描かないでよかった、と思いました。そのうちネタにします。


一応「ハルヒの分裂」ネタ…以前描いたネタの続き

2008-01-11 01:03:40 | 涼宮ハルヒ
「分裂」で倒れた長門の看病にコンピ研部長が来ているという以前アップしたネタの続きです。
キョンが駆けつけるのは自然な展開ですから、「驚愕」に少しでも寄与するとしたら、この辺りのキャラが活躍すべきだと思いました。
冬コミではハルヒ本を70000円分くらい買わせていただきました。好きなジャンルとはこういうものです。
アニメ2期については、らきすたの監督と同じ監督になるようで、「白石稔実写ED」をしつこく垂れ流し続けた方だとしたら、ハルヒも今度は「失笑系」の名作になるのかもしれませんね。

朝倉涼子vs周防九曜…一応「ハルヒの分裂」ネタ?

2008-01-04 20:19:54 | 涼宮ハルヒ
冬コミに来ていただいた方はありがたいことです。挨拶に回ったサークルさんには、ごめいわくをお掛けしたかもしれません。すみません。
奈須きのこさんと偶然立ち話する機会が有りまして、「4日目でループするのは5次関数が4次関数までの解き方で解けないということを使ってるのか」うんぬんの話を振ったところ、次の新作では「数学」のモチーフが隠し味だとの話で。質問に見合った答えが手に入れられるという実体験ですね。この間1分も無いでしょうが、非常に濃い時間だったと思います。いま、数学について本を読んでおるのが役立ちそうです。去年の締めくくりはこの会話で十分ですね。
谷川さんも数学は使うので、2008年は数学の本を読んでおくとより楽しめる新作が2つ読めるかもしれません。
「陰謀」のハルヒよろしく、西宮の寺や神社を初詣しまくってまいりました。
山を削っていろいろ開発が進んでいて、パトレイバー劇場版の帆場英一が町の変貌を捜査員に見せたがったように、谷川さんも聖地巡礼の人に西宮の変貌を見せたいのかもしれません。
門戸厄神から岡田山を上り、上ヶ原から一ヶ谷、大社町と歩きました。恐らく、キョンの小中学校時代のテリトリーの中です。
以前、甲陽園駅から甲陽園西山町、目神山町、甲山町、と「鶴屋山」を目指し、
東山町、山王町、日出町、新甲陽町、六軒町と下山、一ヶ谷から上ヶ原へ上がった事があり、そのときはキョンの通学路を辿って、上ヶ原から高座町、大社町、六軒町、本庄町、西山町、神園町、獅子ヶ口町、甑岩町、角石町、苦楽園、と一時間かけて歩きました。SOS団がバス、自転車を使うところを徒歩でも移動している場合があるのは、歩いてみるとわかるのですが、意外と近いのですね。
大社町から河原町の中央運動公園、能登町のフォルクスへと歩くのは容易でした。
今回は甑岩神社から苦楽園駅まで歩いたのですが、フォルクスから北口駅までは同じくらいなので、キョンが自宅から北口駅まで歩いていることがあるのもうなずけますね。
以前、銀水橋から図書館、図書館から西ノ宮戎まで歩いたことがあり、北口駅からJR西宮駅まで歩いた事もあるのですが、JR西宮と阪神西宮は甲陽園駅から苦楽園駅くらいしかないので、長門とキョンとで北口駅から図書館まで歩くのは、私の主観では大したことは無いですね。
地べたを這い回ると、地形、疲れ具合が体感できるので、良いですね。一ヶ月毎日通ったら、あの坂も平気になると思いました。関西でのイベントの折に年に2回くらいしか上らないのに今回はするする登れてしまいましたから。