年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

オタク産業と『山伏』の宗教ビジネスの類似性…『聖地巡礼』って、元々『山伏』の仕事ですよね

2012-06-08 04:33:13 | けいおん!!
私が勝手に預言者扱いしている、久米田康治先生の『さよなら絶望先生』28集、
285話『グダグダーズの犬』で、

『神仏習合』ネタ

振っておられますので、

『神仏習合』『山伏』ネタを掘り下げる方向で間違ってないと勝手に思っております。

蛇足1。

久米田先生、きちんと


『両部鳥居』


を扉で描いておられるので流石ですね。

川上稔先生の『境界線のホライズン』(電撃文庫、アニメ制作サンライズ、2011)でも


『両部鳥居』


を多用しておりましたから、


『神道マンセー』


じゃなくて、


『神仏習合』マンセー=修験道復活!


という方向の作品だと考えた方が良いかも知れません。

『堕天』ということになってますけど、

『金マル』
『・画』

って、『天狗』なんじゃないですかね…

『けいおん!!』聖地巡礼の途中で、
天台宗の山伏『本山派』の本山(?)『聖護院』に寄りましたが、

そこで売っていた『山伏入門』(淡交社2006年)に、
金峯山修験宗の金峯山執行長『田中利典』先生の、


『女性と修験道』


という文が載っていて、驚くべし、1998年調査で、
金峯山修験宗の山伏の男女比は、半々だそうで…


真言宗山伏の本山、『醍醐寺』は、女性比率32パーセント。



青木さんから聞かされた話では、最近、『山伏ガール』ってのが話題になったそうですが、
1998年当時から、珍しくなかったんですね…


『ホライズン』は2008年からの刊行ですから、山伏に女性が当り前になってから

10年も経ってるわけで、


『金マル』『・画』=山伏ガール


十分にありそうですね
(いや、内心、「ねーよ!」ってちゃんと踏まえてます)



また、私が勝手に『女性上位の企業』だと言うイメージを抱いている

『京都アニメーション』

のある、宇治が、『醍醐寺』の近所で、

『けいおん!!』2期10話『先生!』の舞台、『ビッグボーイ六地蔵店』から、

県道36号線を徒歩で北上して行くと40分くらいで着きます。


『けいおん!!』2期番外編3話『計画!』の舞台、『岡崎公園』の『府立図書館』から、

『聖護院』は、徒歩15分位の位置です。


女性の社会進出を喜びそうな京アニですから、

敢えて『山伏ガール』の聖地をアニメの聖地に選ぶのも不思議は無いかな…

とか勝手に思っております(勝手な決めつけ、すみません)



『神社が登場するから「神道マンセー」』


ではなく


『神仏習合復活』=『山伏を盛り上げるのが目標』


って方が厳密なんでしょうかね??




蛇足2。

『高橋龍也』先生の脚本回で、夏海の弟『大樹』の入浴シーンまでサービスされた


『夏色キセキ』(サンライズ、2012年)


でシリーズ構成なさっている『浦畑達彦』先生、


『境界線上のホライズン』

のシリーズ構成もなさってますね…


『ストライクウィッチーズ』(アニメ制作、GONZO、2008年)
『ストライクウィッチーズ2』(アニメ制作、AICスピリッツ、2010年)

の12話中4話の脚本なさってますが、これも、無理にコジツケれば


『空を飛ぶ犬』=『天狗』


の物語ですしね。



そういえば、オカルト好きだと公言なさっている『滝沢聖峰』先生の『蒼の孤狼』に、
修験道を信仰する飛行士が、『震電』の機体を、


『飯綱権現』=『天狗』


で強化して、米軍と戦うという漫画がありました。


飯綱権現は、長野県の著名な修験道の霊場ですが、浦畑先生絡みで長野県と言えば、


『咲』(アニメ制作、GONZO、ピクチャーマジック、2009年)


は、飯田線沿線~諏訪湖周辺が聖地だそうで。


端戸信騎先生『戸隠権現鎮座考』(戸隠遊行塾2008年)によれば、

戸隠山の天台宗の僧『乗因』が、『修験一実霊宗神道』という修験道の新興宗教を興し、

『先代旧事本紀』を元に、

延喜式内『阿知社』を戸隠の『中院』だと歴史改竄するのですが、

この『阿知社』のホンモノは、伊那郡の『阿智社』だそうで、

伊那は、飯田線沿線ですね。
(阿智社のある阿智村は通ってませんが…)


また、浦畑先生、

『咲、阿知賀編』(アニメ制作studio五組、2012年)

のシリーズ構成もなさってますが、

この聖地は、吉野山の金峯山寺周辺だそうで、

金峯山の中興の祖は、真言宗の修験道『当山派』の本山『醍醐寺』の『聖宝』。


…『阿知賀』編と『けいおん』に接点が!!


だいたい、『吉水神社』の鳥居の横の家で試合観戦してましたけど、


鳥居の横の家


って、『平沢唯』の家でもありますよね…

『ペルソナ4』(アニメ制作、AIC ASTA、2011年)でも、


神社の鳥居の傍に家


って、構図がありましたね…流行?



『咲』って、『天台宗』の『本山派修験道』と『真言宗』の『当山派修験道』双方に縁がある所を

舞台にしちゃってるんですね…面白い偶然。


そういえば、あらゐけいいち先生の『日常』(角川書店、アニメ制作、京都アニメーション、2011年)


『天狗』


登場してましたね。『天狗=山伏の象徴』とすると興味深い偶然?




蛇足3。

以前、『studio五組』が黒田bb先生原作の『Aチャンネル』(芳文社、アニメ版2011年)で、


武蔵国総社『大國玉神社』


の参道を主人公達の通学路に登場させてるとか、神道ネタ繋がりで言及してましたが、

浦畑先生繋がりで、


『神仏習合=修験道』


とのコジツケが可能になりました。



本題、

ポテトさんの運転する車で、青木さんと石川県の石動山の『石動彦神社』を訪れたとき、

元々は、山岳修験道の寺『大宮坊』で、

神仏分離で、寺院の施設は破壊されたり、他所の神社の拝殿として転用された


と紹介されていました。

巨大なお堂は、破壊して、焼いて『炭』にして売ったそうです。


で、今はどうなっているかと言うと、驚くべし、

更地だったところを、

中能登町が、一部のお堂を再建しているんですね。

自分で壊しておいて、税金でまた再建するというのも、不思議な縁だと思いますけど。


石動山は、『聖護院』門跡、『道興准后』の『廻国雑記』で、道興が山伏の組織化の為、

立ち寄ったと記しております。


道興の組織化の努力で、戦国時代末期に『本山派』が形成され、

その刺激を受けて、江戸時代に『当山派』が組織される、

と勝手に理解しているのですが、

そういう歴史の現場が再建されて公園になるのに税金が投じられてるというのは、

修験道が神仏習合を興隆させようとしているのと同時代性なのかもしれませんね。



ポテトさんの車で、穴水町の『穴水大神宮』にも寄りましたが、
宮司さんの話では、


能登の神社の神主は、元々『山伏』だったのが明治に神主に転職した


のだそうで、

そういうところが、


『鉄道娘』の『和倉七尾』


の聖地になってるのは面白い偶然ですね。

穴水駅にフィギュアが置かれておりました。


蛇足4。

一迅社の編集の方から、


『大口真神』


という、『狼』信仰の札の話を聞きまして、

私の祖母が


『オイヌサマ』


という神を崇拝していたというのを思い出しました。


宮沢賢治の『狼(オイノ)森笊森盗(ヌスト)森』の『オイノ=狼』は、『オイヌ』の訛じゃないか


とかテキトーなことを妄想しております。


偶然にも、知人から、『狼信仰』についてのNHKの特集番組があったとの情報が寄せられたのですが、

これまた偶然にも、青木さんから頂いた本に、


小倉美恵子先生『オオカミの護符』(新潮社2011年)


という本がありまして、2011年12月15日に初刷り、2012年2月10日に3刷りですから、

売れている様子。

小倉先生、2008年に『オオカミの護符』という映画を自主制作して、文化庁映画賞文化記録映画賞受賞だそうで。

その製作過程の記録が『オオカミの護符』と言って良いでしょう。


帯の推薦は、


『唯脳論』の『養老孟司』先生は、


『足元から世界は広がる』


『スクエア・エニックス』社外取締役、投資コンサルティング会社『インスパイア』社長『成毛眞』先生は、


『今年一番の収穫!』


『森つくりフォーラム』代表理事、立教大学大学院教授『内山節』先生は、


『戻りたい未来がこの本にある』


等々。



小倉先生は、『狼信仰』は『山伏』が生活手段として考案し布教した



『武州御岳山』や『三峯山』といった『狼神社』の『講』を組織する『聖地巡礼』

『狼神社』の『護符』の販売という『グッズ商法』



という、現代の『オタク産業』の先駆的な形態を柱とする『宗教ビジネス』だったことを突き止めております。


『スピリチュアル』ブームを始めたのは自分だ、と『深見東洲』先生が書いておられますが、

深見先生が学んだ『大本教』の『出口王仁三郎』聖師は、


『御嶽教』


の説教師もやっておられたのですが、

『御嶽教』の崇拝する木曽の御岳山を開山した『普寛』は、

『三峯神社』が神仏習合の『三峯観音院』だったときに、観音院で『本山派』修験者になっております。

『山伏』のノウハウが『大本教』通じて、神道系新宗教にも流れているわけですね。


『パワースポット』廻り


ってのも、『山伏』の『講』復活の一環かもしれませんね。


『花咲くいろは』(アニメ制作、P.A.WORKS、2011年)

登場の池は、宋美英先生が


『パワースポット』


と主張している、別の意味でも『聖地』ですし、

結構、オタクの聖地になってる場所にもそういう宗教絡みの聖地がありそうですけど…


たとえば、オタクの聖地巡礼のかなり早い時期の例、


梶島正樹先生、林宏樹先生『天地無用』(アニメ制作、AIC、1992年)


の『柾木神社』のモデルと言われる、『太老神社』は、


岡山県『金光町』


に鎮座しております。

大本教の『出口直』教主が一時、説教師をしていた『金光教』の『金光』です。


オタクの聖地巡礼が、20年近く前から、宗教と縁があったことが判ります。

今更、驚くことじゃないかもしれませんが。

岡山県は、黒住教の本部もあって、霊的な何かがあるのでしょうか…?

そういえば、『かんなぎ』や『FateZero』『Steins;Gate』の設定考証なさってる『三輪清宗』先生、

神主で、岡山県のご出身だそうで、偶然は面白い。



小倉先生が『狼神社』のある山に行ったら、


農作業してる人も、ケーブルカーの車掌も、『狼神社の関係者』だった


という話など、



『雛見沢ですか!?』



という感じです。

穴水駅の『和倉七尾』フギュアとか、全然違って見えてきますよね…



蛇足5。

NHKの特集では、『日本狼再生プロジェクト』も採り上げられていたようですが、

『錬金3級まじかる?ぽか~ん』(アニメ制作REMIC2006年)で、

狼人間『りる』(CV生天目仁美)が、博物館の剥製の狼を救い出そうとして取り押さえられるシーンを思い出しました。


2006年といえば、

環望先生『ダンスインザヴァンパイヤバンド』(コミックフラッパー連載開始2006年、主人公アキラは人狼)

支倉凍砂先生『狼と香辛料』(電撃文庫2006年)

沖田雅先生『オオカミさん』シリーズ(電撃文庫2006年)


『狼と香辛料』アニメ版は、1期(アニメ制作、IMAGIN、2008年、『ホロ』CV小清水亜美)

2期(アニメ制作、ブレインズベース、マーヴィジャック2009年)


『オオカミさん』シリーズアニメ版は、

『オオカミさんと七人の仲間たち』(アニメ制作、J.C.STAFF2010年、『大神涼子』CV伊藤静)


『ダンスインザヴァンパイヤバンド』もアニメ版は2010年(シャフト、アキラCV中村悠一)



で、2010年といえば、

『狼人間』が差別される世界観の竜騎士07先生原作


『おおかみかくし』(アニメ制作AIC、2010年)


…と長々と名を挙げて来ましたが、2005年から講談社の『シリウス』で連載開始の


光永康則先生『怪物王女』(アニメ版制作マッドハウス、2007年)


に狼人間『リザ』(CV甲斐田裕子)が登場してましたね。


ヒロインが『灰色狼』という被差別民な桜庭一樹先生原作『GOSICK』(アニメ制作ボンズ、2011年)

が2003年12月連載開始、

『オオカミと香辛料』の電撃ラノベ大賞銀賞受賞が2005年なので、

この辺りが『狼』復活の時期?

小倉美恵子先生が、プロダクション設立したのが2006年ですので、同時代性ですね。


そういえば、以前の更新で採り上げたように、

深見東洲先生の経営する『みすず学苑』のポスターに


『狼男』


が登場していましたが、深見先生が、ご自身が『スピリチュアル』ブームの創始者だと仰ってる事と、


オタク界での『狼』の増殖


が、山伏=神仏習合復活と絡められたら、トンデモとしては面白いかもしれません。


前の更新で、再開した『かんなぎ』7巻(一迅社)で、



主人公達、いままで活躍してきたキャラたちに解決できない問題を、修験道の少年が解決できる



という展開は、こういう『山伏復活』の時代背景に置くと判り易いですね。

武梨先生が後書きで、


『だれかが過去に志を持って世の中を良くしたおかげで私は助かってる』


と書いておられますが、『お蔭ぐらし』といいますか、こういう肯定的世界観は、

三輪先生との親交で触発されたのかも。



蛇足6。

『二次元ドリームマガジン』(2004年独立創刊、キルタイムコミュニケーション)

のVol.10(2003年)でエロ雑誌の読者投稿コーナーの常連、


『三峯徹』先生


を探して『三峯神社』に行くと言う特集がありましたが、

『狼神社』のオタク界登場では、かなり早い特集ですね。

トンデモ好きとしては、三峯先生も、


『ケーブルカーの車掌さんが実は狼神社の関係者』


と同様の展開だと面白いんですけど。


『灰色狼』という被差別民が登場する『GOSICK』連載開始も2003年でしたね…



蛇足7。

『ストライクウィッチーズ』が、


『空を飛ぶ犬』=天狗


と書いていて気づきましたが、ズバリ、



『flyingDOG』



という会社があるじゃないですか。この会社が関係した作品を見ると、

『LASTEXILE』(アニメ制作、GONZO、2003年)
→GONZOは『ストライクウィッチーズ』に関係
→flyingDOGは『ラストエグザイル銀翼のファム』(アニメ制作、GONZO、2011年)にも関与。
→坂本真綾がflyingDOG所属アーティスト。

『月詠』(原作、有馬啓太郎、アニメ制作シャフト、2004年)
→有馬先生、『OUR's』で諏訪の高光神社モデルにした『かみわたし』連載中。
→シャフトは、西尾維新先生原作『化物語』という妖怪・土俗作品製作。


『アクエリオン』(アニメ制作サテライト、2005年)
→河森正治監督の宗教臭が凄い作品。
→flyingDOGは『EVOL』(2012年)にも関与。
→EVOLは、岡田磨里先生が脚本担当しておられますが、『イズモ』というキャラが登場。
岡田先生、『花咲くいろは』で、『稲荷神社が出雲から来た』とストーリーに関係ない設定を挿入。
→EVOLに『不動』というキャラ登場するが、『不動明王』は山伏の守護神。


『狼と香辛料』(2008年)
→上で言及。2009年の2期にも関係。ブレインズベースは、『夏目友人帳』という妖怪・土俗をあつかった作品を制作。
→ブレインズベースは、『かみちゅ!』(2005年)『神様ドォルズ』(2011年)といった神道ネタ作品製作。
→前にオウムネタではないか?と言及した『輪るピングドラム』(2011年)もブレインズベース。


『マクロスF』(アニメ制作サテライト2008年)
 →これまた河森監督作品。劇場版が謎の中断。

『天体戦士サンレッド』(原作くぼたまこと先生、アニメ制作AIC ASTA2008年)
 →みすず学苑ポスター絡みで言及した記憶が。岸誠二監督は、『ペルソナ4』『神様ドォルズ』といった神話モチーフ作品を監督。

『おおかみかくし』(2010年)
→上で言及。

『オオカミさんと七人の仲間たち』(2010年)
→上で言及。

『それでも町は廻っている』(原作、石黒正数、アニメ制作シャフト、2010年)
→『かみわたし』と同じOUR's連載。前に『青山景』先生の『よいこの黙示録』との偶然の一致をコジツケ。

『これはゾンビですか?』(原作、木村心一、アニメ制作スタジオディーン、2011年)
→音楽担当のmanzoとハルナ役の『野水いおり』がflyingDOG所属アーティスト。
→ヒロインのハルナちゃん(CV野水伊織)、『榛名山』といえば『天狗』で有名。

『たまゆらhitotose』(アニメ制作TYOアニメーションズ、2011年)
→前の更新で、第1話に、『人権宣言』の看板が登場する差別批判ネタアニメとして言及。

『輪廻のラグランジェ』(アニメ制作XEBEC、2012年)
→『輪廻』とか『超古代文明』とか『天から花が降る』とか、トンデモネタっぽい?
→XEBECは『這いよれ!ニャル子さん』(原作、逢空万太、アニメ版2012年)の制作。


flyingDOG所属アーティストに、『まどかマギカ』(アニメ制作シャフト、2011年)の『まどか』のCV、『悠木碧』さんがおられるのもびっくり。

悠木さんは、ドラマCD版『GOSICK』の灰色狼『ヴィクトリカ』やってましたね…

また、ここでは深入りしませんが、flyingDOGは、『コードギアス』(アニメ制作、サンライズ2006年)という反米アニメにも関わっていて面白いですね。

『韓流時代劇』の『朱蒙』とかのDVD販売でflyingDOGのCMを良く見かけますが、

flyingDOGのサイトでも、Wikipediaでも、『韓流時代劇』を売りまくってることは隠しているようですね。

やはり、オタクは、『嫌韓流』と市場が重なってると思われてるんでしょうか?


蛇足8。

学研『ムー』6月号で、『愛善苑』の『武田崇元』先生が、



2012年から高次元へのアセンションが始まる

アセンションについてゆける人間は、天孫降臨の先導したサルタヒコに相当する

皆、サルタヒコを目指すべきだ



というような記事を載せておられましたが、鎌田東二先生の『サルタヒコ』研究と同時代性ですし、


『猿田彦』=『大天狗』


とするなら、



みんな『天狗』を目指すべきだ



という呼びかけでありまして、


『天狗=山伏の投影』


なら、『かんなぎ』7巻の



修験道ボーイに救われる



と同時代性で面白い偶然ですね。

『かんなぎ』は神道の近代史をなぞっている?…『修験道』が『神道』と一緒に復活する?

2012-06-02 02:30:49 | けいおん!!
武梨えり先生の『かんなぎ』7巻(一迅社)が発売されまして、

武梨先生、ご病気だったとは。

前の更新で、『宗教ネタ』でのトラブルが中断原因!?とか無責任なことを書いておりましたが、

勝手な妄想を書き散らしてすみませんでした。

大病、ご無事で復帰、何よりであります。


青木さんに、『かんなぎ』アニメ版を見せて頂いておるのですが、


『産土神の神社が統廃合で更地に』
『分霊した神社はキリスト教の教会に』

       ↓

『産土神は神木で作った依り代で復活(ナギ)』

『分霊はキリスト教を上書きされた状態で人に憑依(ザンゲ)』


       ↓


『産土神のパワーの源、信仰心を神がアイドルになることで調達』

『地域にはびこるケガレを集める』

       ↓

『ケガレを集めてたのは、大東という存在を蘇らせるため』
(大東の復活は、産土神を超克するためのキリスト教の計画も)

       ↓

『大東のケガレを受けて産土神、邪神に(キリスト教のシナリオ?)』

『キリスト教の皮をかぶった土着神の正体顕したザンゲちゃん、姉を祓う』


       ↓

『姉神を平気で消滅させるキリスト教を嫌悪する依り代の人間が、キリスト教と習合した神を追い出す』

『ナギを呼び戻せる修験道の少年が山からやってくる』



という感じですか??

ザンゲちゃんが、どこまで、『大東』と『ナギ』の顛末を計画していたのかは、勝手に妄想してるだけですので、

違うのかもしれませんが。


これ、

1868年の『神仏分離令』にもとづく『廃仏毀釈』
1871年の『神官、社家の世襲禁止』
1873年の『キリスト教禁教の撤回』
1906年の『神社整理、統廃合』

から始まって、

『赤沢文治』『中山みき』『出口なお』『出口王仁三郎』といった『カリスマ』が『神道』をリード

『神前結婚式』
『開運ご利益グッズ』販売、
『スピリチュアル』ブーム起こして『パワースポット』巡礼ブーム起こす
(深見東洲、江原啓之、美輪明弘、宋美英)

等々『信仰』を『商売』にする江戸時代以前に回帰する流れ台頭


といった『日本近代神道史』の戯画化ではないですかね?


『神官、社家の世襲禁止』が、仁が神を呼べた理由、『新興宗教』が容易になった理由でしょうし、

『廃仏毀釈』によって破壊された『神像』を、

素人が彫ることで既存の神社以外の場所に神が降りてくれる、

というのは痛烈な『神社神道』批判ですし、

仁が美術部だというのは、出口王仁三郎聖師が『芸術は宗教の母なり』(1924年)で、


『芸術と宗教とは、兄弟姉妹の如く、親子の如く、夫婦の如きもので、

(略)人をして神の温懐に立ち遷らしむる、人生の大導師である』


と書いたのを彷彿とさせます。

ただ、王仁三郎は、


『(芸術は)よく人をして神の御姿を打ち眺めしむる事を得るも、

未だ以ってその心を知り、その霊と交はり、(略)神と共に生きる妙境に

達せしむることはできない』


とも書いていて、これ、7巻までの仁のナギへの片想いを彷彿とさせますよね。

ナンシー・ストーカーによれば、インドのクマラスワミという宗教家は、


芸術と宗教は対等


と述べておられるそうですから、

仁がナギと相思相愛になる展開になれば、

出口王仁三郎を離れて、


ヒンズー的境地へと神道が踏み出すと言う『日本神道現代史』



を目の当たりに出来るわけですね。


蛇足1。

深見東洲先生が、中国の道教系宗教団体『紅卍会』に影響を受けた話は有名ですが、

道教の教義が確立するのは、仏教の体系が伝来したショックらしいですし、

道教のパンテオンには、仏も結構入っております。

鎌田東二先生が、『隠された神サルタヒコ』(大和書房1999年)で寄稿を依頼した、

『中沢新一』先生は、チベット密教の修行なさってます。

結構、『スピリチュアル』の理論的指導者は、インドの影響を受けてる感じがしますね。


蛇足2。

中沢新一先生、オウムを褒めていた事が1995年のオウム事件後問題になったらしく、

浅田彰先生との対談で、


自分の書いたことを本気にされては困る

信じた方が悪い


と要約できることをぶっちゃけておられました。

浅田先生は、京都大学の学園紛争の学生のリーダーで、

日本を


『土人の国』


と悲観しておられる論客ですから、

まあ、そういう人脈の先生なら、日本人に責任追及されたらいやですよね。


蛇足3。

大塚英志先生、宮台真司先生の対談『愚民社会』(太田出版2011年)で、

お二方とも浅田彰先生の『土人発言』に共感しているようでしたが、

大塚先生は、筑波大学だかで、


学生運動やって校舎のガラス割って騒いだ


と書いておられましたから、浅田先生とは左翼学生的連帯があるのでしょうし、

宮台先生は、三島由紀夫先生を熱く語っておられたことがありますが、

三島先生は、


『東大全共闘の心情は理解できる』


と語っておられたわけですから、まあ、共感はするだろうと思います。


蛇足4。

ノイタミナの『坂道のアポロン』(小玉ユキ先生原作、アニメ版制作、MAPPA、手塚プロダクション)

『氷菓』(米澤穂信先生原作、アニメ版制作京都アニメーション)

が両方とも、『学園紛争ネタ』出してきて面白いですね。

『けいおん』2期アニメ版の、『ロック』『いちご』と『最後の放課後の和ちゃんの微笑み』から、


『全学連の樺美智子さんの命日6・15(ろくいちご)』
『樺美智子さんの詩「さいごに」に、「人知れずほほえまん」という言葉』

            ↓

        『60年安保ネタ』?


というトンデモコジツケ振っておりましたが、トンデモじゃなかったのかもしれません。

『天使にふれたよ』の作曲過程を追う『けいおん』劇場版は、

Rollingstonesの『Sympathy for the Devil』の作曲過程を追ったゴダールの『ONE PlUS ONE』(1968年)

を参考にしてるんじゃないのか?とか勝手に妄想してるんですけど、

『ONE PLUS ONE』には、『ブラックパワー』を提唱して白人を殺す黒人活動家の姿が描写されております。


『氷菓』、2001年の小説で、


古典部が会誌を作る



という展開は、


『涼宮ハルヒの憤慨』(角川スニーカー文庫2006年)所収『編集長☆一直線』


ですよね。


千反田さんが、


奉太郎の頭の中を見てみたい、


という発言がありますが、これ、『涼宮ハルヒの分裂』(2007年)の、

キョンへの古泉発言にもありましたね…


谷川流先生、高校時代に文芸部で、会誌作りした経験あるそうですから、

ご自身の青春と重ねて、ツボに嵌ったんじゃないですかね?

谷川先生のお好きな『推理』ネタでもありますし。


個人的には、奉太郎が有能そうな姉に振り回されてるところが良過ぎですね!

義姉でないことを祈っております。



蛇足6。

幾原邦彦監督の『輪るピングドラム』(アニメ制作ブレインズベース2011年)が、


『1995年に地下鉄でテロやった組織のメンバーの子供が罪の意識を背負って苦しむ』


というネタでびっくりしました。

高倉冠葉の妹らしい『夏芽真砂子』に『マリオ』という弟がいて、

映像化はされてませんが


『生存戦略』


してたらしいので、実は高ポイントの作品です。

荻野目桃果が、超能力を使わなかったら、東京タワーは、ミケランジェロのダビデ像だったのだという展開が、

近年では、『ひぐらし』の『嘘だ!』に匹敵するショックでしたね。


『面白い』


方では、


『魔女は魔法少女の成れの果てでした』(まどかマギカ)

『過去の自分を騙せば、未来は変えられる』(Steins;Gate)


に匹敵する面白さですね。

『ひぐらし』は、『ショック』なだけで、面白いに繋がってゆかなかったですね…

佐都子への児童虐待描写がリアル過ぎて、

まあ、竜騎士07先生の、

『児童虐待』告発の啓蒙が超過して、他の全てが色褪せているので、


『面白い』


と言えない気がするんですよね。面白がっちゃいけない気がすると言う。


蛇足7。

面白いんですけど、面白がっちゃいけない気がしてしまって困る作品は、

たとえば、

『電波女と青春男』(入間人間先生原作、アニメ制作シャフト2011年)

は、


町中に『宇宙人が見守る街』との看板が出ている。

自分は宇宙人だという少女が、差別されていて、バイトもできない

彼女が祖母の駄菓子屋の店番すると、皆が行かないようにしよう、と申し合わせる

エリオの母に言い寄ってくる男は、家畜の耳につけるタグつけてるが、それを見た

前川さんは、『この町の人間だ』と思う。

川向こうの新市街の商店街と、旧市街の商店街は、祭りの主導権を『野球』(球団闘争=きゅうだんとうそう)で決めている



…私の勝手なコジツケですが、

佐藤順一監督の『たまゆらhitotose』(TYOアニメーションズ2011年)の第一話にも登場してましたが、


『人権宣言の町』


という看板を聖地巡礼の折に見かけるのですが、これが、


『宇宙人の見守る街』


の元ネタじゃないかと勝手に思っております。

『宇宙人』が、この町でどういう扱いうけてるかを見れば、


『差別』


でありまして、差別されてる存在についての看板こそ『人権宣言の街』の看板なわけですから。


入間人間先生の『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(電撃文庫2007年)で、『みーくん』の姓は、


『枝瀬(エセ)』


で、『電波女と青春男』(電撃文庫2009年)の『エリオ』の姓は、


『藤和(トウワ)』


『エセ』『トウワ』…って。

『入間人間』というPNも、『人間』の『人』でなく『間』の方に『入』るという感じで、

差別意識への批判を婉曲的に表現してるのかもしれません。


『ひぐらし』の中でも、


『』として差別されていた、


という魅音のセリフがありますが、

竜騎士07先生は人権意識が強いらしく、

『おおかみかくし』(アニメ制作AIC2010年)も、


川を挟んで旧市街があり、そこの住人は、オオカミの子孫として差別されている


という設定でした。

『住井すゑ』先生の『橋のない川』が有名なように、『川向こう』が差別された歴史は、

ようやくオタ向け作品化できるようになって来たのでしょうが、

親の世代まで人倫にもとる出来事があったのですから、娯楽として楽しみ難いですね…

だから、『かんなぎ』で、ザンゲちゃんの教会の成り立ちについて、


川を渡るのが困難なので、分霊を勧請した

キリスト教の教会になっている


という設定なのは、息を呑む展開ですね。

『』の旗が


『荊冠旗』


であるように、仏教、神道に差別された人々は、キリスト教に救いを求めたわけで、



橋のない川向こうがキリスト教に改宗した



という展開は、どういう苦痛が、何年も住民の尊厳に加えられたかを感じさせずにはおれません。


そういえば、桜庭一樹先生原作『GOSICK』(アニメ制作ボンズ、2011年)も、『灰色狼』が被差別民でしたね。

『おおかみ隠し』と同時代性ですよね…。


妖怪との混血児が差別される(藤原ここあ先生原作『妖狐×僕SS』アニメ制作davidproductuon2012年)

人間を処刑する役割を担っていた道具が苦しむ(水瀬葉月先生原作『C-Cube』アニメ制作SILVERLINK2011年)


髪の色で混血児が差別されると言う設定は、


平坂読先生『僕は友達が少ない』(アニメ制作AICbuild2011年)

『エウレカセブンAO』(アニメ制作ボンズ2012年)

に共通するモチーフですし、ボンズは人権意識が高いのか、『GOSICK』と2年連続で被差別民ネタ。


『妖狐×僕』は『狐』繋がりで、西日本に強い『狐憑き』の『憑き物』筋差別の匂いがします。

心が痛みます。

(さがら総先生『変態王子と笑わない猫』(MF文庫J)も、『猫神憑き』という憑き物筋ネタでしたね…)



『』の職には、処刑も含まれておりましたから、


『心のある「処刑する道具」が苦しむ』


という設定は、非常に重いですね。

笑えるシーンとかあるんですけど、楽しんじゃいけないような、厳粛な気分になります。


蛇足8。

『屠畜』については、

小林よしのり先生『ゴーマニズム宣言』(扶桑社)や、荒川弘先生の『百姓貴族』(新書館)『銀の匙』(小学館)

寺門ジモンさんの『ネイチャージモン』7巻(刃森尊先生作画、講談社2012年)

白鳥士郎先生『のうりん』(GA文庫)等々で触れられる様になってきましたが、

孫正義会長の伝記、『あんぽん』(佐野眞一著、週刊ポスト2012年)にもあるように、必要な職業なのに嫌われておりました。

ですから、

『電波女』の、『家畜のタグを耳につけた男』は強烈過ぎて、なんというか、厳粛な気分になってしまいました。


蛇足9。

『ひぐらし』の元ネタのひとつは、


溝口敦『食肉の帝王』(講談社プラスアルファ文庫2004年)


ではないかと勝手に思っております。『ハンナン』の浅田満社長の立身出世物語としても面白いのですが、


浅田社長の模範、の『前原誠一』、『前原御殿』建てる →主人公『前川圭一』の自宅『前川御殿』と呼ばれる

浅田社長『ファミレス』と提携              →園崎魅音、ファミレス『エンジェルモート』でバイト

浅田社長『焼肉チェーン』経営              →園崎家『焼肉チェーン』経営

浅田社長『岐阜』『愛知』に進出『中部ハンナン』設立   →ひぐらしの舞台は『岐阜』


くらいですか?

浅田社長の妹が、差別が原因で結婚断られたとき、


おにいちゃん、私、一生結婚しない


と言われて浅田社長が非常に悲しむシーンを思い出してしまうのも、

『ひぐらし』を最後までプレイできなかった理由の一つですね。

そんなですから、『ひぐらし』の聖地巡礼にも行けてません。

『ひぐらし』やった後に、長野県の屋代にある博物館に行ったときに関連の展示室と常設展示の間に


『道祖神』


置いてあったのもショックでしたね。

『道祖神』って、村にケガレや病気や災いが入らないように見張る存在じゃないですか?

小学生の集団に学芸員の方が笑顔で解説してらっしゃいましたが、モットーは


『不言実行』


ですか。昔話じゃないんだと思いました。


蛇足10。

『ひぐらし』だけじゃなく、

平坂読先生『僕は友達が少ない』が愛知県が舞台、

入間人間先生『電波女と青春男』も愛知県が舞台、(主人公は第一話で岐阜から出てきている?)

白鳥士郎先生『のうりん』は岐阜が舞台、

米澤穂信先生『氷菓』は岐阜が舞台、

『星空に架ける橋』(feng、アニメ制作動画工房2011年)は岐阜が舞台、

西尾維新先生『刀語』(講談社、アニメ制作WHITE FOX2010年)は最終回、愛知が舞台、

他にも、

木村心一先生『これはゾンビですかオブザデッド』(アニメ制作スタジオディーン2012年)のOPの『コアラ』

久保保久先生『よんでますよアザゼルさん』(アニメ制作Production.I.G)の『ルシファーさん』が『ドアラ』っぽい、

まで『ドラゴンズ』ネタだと拡大解釈しちゃえば、

偶然ですが最近楽しんでるコンテンツに岐阜、愛知が多いですね…



本題、

『かんなぎ』7巻で、主人公含め、今まで登場したキャラたちにやれない事を、


『修験道の少年』


ならやれるという展開は、『神仏分離』前は、神仏習合の担い手だった


『山伏』
『修験者』


の復活の動きがある事を意味してるのかもしれませんね。

設定考証の『三輪清宗』先生は神主でもあられるようですから、

最近の動向を示唆するところもあるのかもしれません。

そういえば、

鎌田東二先生も、シンポジウム開始時に、『ほら貝』吹いてらっしゃいましたが…


2005年、出雲神仏霊場の霊場開きのとき、

伯耆大山から、『大先達』という山伏のトップが儀式に参加なさいまして、

2008年の、伊勢神宮とか、高野山、比叡山が連合して神仏霊場作ったときは、

山伏でなく、寺の僧侶のトップが儀式に参加した記憶がありますから、

前回の更新で、単に『神仏習合vs神仏分離』と書いていたのは不正確で、


寺の僧による神仏習合vs山伏による神仏習合


という、昔の


『学侶』vs『行人』


の争いの今日版なのかもしれませんね。



蛇足11。

『ACE』の演出なさったのは、『アニプレックス』の『高橋祐馬』さんだったそうで、


『ACE』の混雑は、『エヴァ』劇場版での、人為的行列作成演出の応用?


とか勝手なことを書いておりましたが、

『空の境界』劇場版を


『単館上映』+『一杯で入場できません』状態


にすることで、



『単館上映の記録樹立』

『大人気じゃね?と話題づくり』


を演出した、『高橋』さんの手腕が『ACE』の混雑製造にも活用されたことが判明。

角川にはとんだ濡れ衣でして、申し訳ありません。

任命者責任しかありませんよね…



『行列のできる店は、単に、レジでの清算が鈍いだけの店かもしれない』



という教訓話の実例ですよね。立派なマーケティングの一つになってるんですね。



(今回も、漫画と本文内容はあまり関係ございません…)