今年の冬は青春18きっぷも利用せず、世間で一般に「冬休み」と言われる期間は専ら仕事、MAKIKYUは新年早々元旦から仕事に追われていましたが、数日前ようやく遅めの冬休み(?)で往復新幹線利用+αで西の方へ出向いていました。
その際には現在日本では実用化に向けた走行試験を行っており、線路幅の異なる新幹線~在来線間を、改軌せずに直通運転可能なフリーゲージトレイン(軌道可変電車)の試験車両にも遭遇したものでした。
フリーゲージトレインの存在自体は、MAKIKYUも既に知っていましたが、現段階における走行試験対象区間などは把握しておらず、多度津でいきなり姿を目撃しただけあって、その姿を一目見た際には随分驚いたものでした。
(以前は九州などで試験走行を行っていた様ですが、現在は主に予讃線で試験に供されている様です)
たまたまフリーゲージトレインを目撃した際、MAKIKYUが乗車していた普通列車は、多度津駅で若干の停車時間があり、反対側ホームに出向いてその姿を観察すると共に、手持ちのデジカメで姿を記録する事もできたものでした。
このフリーゲージトレイン試験車両は、目玉とも言える軌道可変台車が一番の特徴で、最近の車両は軽快な雰囲気の台車を装備している車両が大半を占める中で、特殊な機構を備えた重装備が影響してか、台車は見るからに物々しい雰囲気を感じたものでした。
また車体も前面形状や、青を基調とした装いなどは日本の営業用鉄道車両とはかけ離れた雰囲気を感じ、MAKIKYUの職場内で鉄道事情に比較的詳しい人物に写真を見せても、海外の車両と勘違いされる程でしたが、その一方で車体側面を見ると、何となく新在直通用のミニ新幹線車両を連想させる雰囲気が漂っている様にも感じたものでした。
ちなみにフリーゲージトレイン自体は、スペインなどで既に実用化されており、それも客車だけでなく動力を持つEMU(電車)でも営業に供されている車両が存在しています。
ただスペインの場合は在来線に広軌を採用しているのに対し、JRの場合は在来線が狭軌となっている事や、新幹線区間走行時における運行速度や騒音面などでの制約が大きく、特殊装備で重量が嵩み、軌道への負荷が大きいなど、スペインなどでフリーゲージトレインの運行実績があるから日本でも…という訳には行かない様で、現段階ではまだ余り芳しい試験実績は残せていない様です。
現在予讃線で行われている走行試験の実績次第で、今後営業用車両として日本でフリーゲージトレインを実用化するか否かが決まる事になるかと思いますが、技術的にも非常に特色があり、趣味的にも非常に興味深い車両ですので、今後の動向にも注目していきたいものです。
九州新幹線が新八代~鹿児島中央間に部分開業した際に新八代では在来線の「リレーつばめ」と同一ホームで乗り換え可能にしたのと同時に博多~鹿児島中央間の在来線~新幹線直通のフリーゲージトレインが走れる事も想定してた様ですが、これも昨年に全線開通され、「リレーつばめ」が走ってた連絡線は線路は残るものの架線は撤去されています。
フリーゲージトレインは、もう少し様子を見て山形・秋田新幹線に導入した方が良かったのではないでしょうか?奥羽本線は無理に東北新幹線に繋げるよりも在来線である東北本線に繋げた方が今でも貨物のネットワークが生かせた筈です。
ご指摘の通り、フリーゲージトレインは必要性が高そうで、なおかつ実際に適していそうな路線が軒並みフル規格新幹線として開業していますので、現段階では出番は余りなさそうな気がします。
特殊な構造が災いしてか、新幹線区間の高速走行は何とかなるにしても、振り子式車両が走る在来線の急曲線介在線区での走行に難がある様で、コスト面と共に、この問題を解決しないと営業運転での実用化は程遠いと思います。
ただ技術的には非常に注目かと思いますし、個人的には皇族が利用する特別列車などにこの技術を採用し、国内JR線や線路が繋がる第3セクター沿線なら何処でも乗り換えなしで…というならアリかと思っていますが、これも比較的最近E655系が登場したばかりとあっては、実現可能性は低そうです。