昨日京急ファミリー鉄道フェスタの際に、会場→京急久里浜駅間で運転された「お帰り臨時列車」に関して取り上げましたが、今日はその続編でお帰り臨時列車乗車中の様子を取り上げたいと思います。
MAKIKYUは三崎口方先頭車両(2011号車)の運転席後部に乗車したのですが、お帰り臨時列車は京急久里浜行きながらも、その発着線は泉岳寺方しか本線と接続していませんので、一旦泉岳寺方へ進んでから折り返す形態での運行となり、普段一般人が乗車できない工場内区間はずっと最後尾からその様子を伺う状況でした。
まず1枚目の写真は会場駅(?)を出発した直後の様子で、この写真を見ると1両すら満足に停車できないホームの小ささ(それでも日頃一般利用に供さない事を考えると、設備的には立派過ぎますが…)がお分かり頂けると思います。
この狭いホームには何人もの係員が乗客の誘導案内に当たると共に、列車発車時には手を振って盛大に見送る様子は、遊園地の列車を思い出させる雰囲気を感じた程ですが、列車出発時だけでなくその後通常の営業列車も走る本線に転線し、京急久里浜駅へ向かう際にも盛大に手を振っていた様子は印象的でした。
2枚目の写真はそれから少し進んだ所で、左手には通常は非公開の工場内でイベント時のみ一般公開される保存車両の姿が伺えます。
線路配置だけを見ると、以前小田急が80周年記念の節目の年に開催したファミリー鉄道展で、通常は本線と切り離された専用格納庫に保存されている(旧)3000形SE車を引っ張り出して現役車両と並べた様に、ここの保存車両も線路をつなげて引っ張り出す事も…という雰囲気ですが、保存車の置かれた線路の終端に柱が存在しており、これでは保存車両を引っ張り出す事は相当難しそうです。
3枚目の写真は更に進み、緩やかな曲線を走行中の様子で、運転台見学に用いられている新1000形ステンレス車の姿も見えますが、信号機の灯火が消えている様子も印象的です。
またお帰り臨時列車の走行している線路は走行頻度が低いのか、レールも輝きが…という状況ですが、それでも枕木はきちんとPC化されており、見た目は地方私鉄はおろか、一部大手私鉄の路線を凌ぐ程というのも特徴的です。
4枚目の写真は更に泉岳寺方へ進み、工場内の線路が次々と合流してきますが、お帰り臨時列車は工場内に敷設された軌道を非常にゆっくりと走り、時折停車する程でしたので、会場内に展示された撮影用車両各種の様子もじっくりと伺える状況でした。
今回のイベントでは撮影スペースは三崎口方のみに設けられ、この撮影スペースからは、人物等の姿が入らずに展示編成全体を写すのはほぼ不可能な状況でしたので、人物等の入らない各編成並びをじっくりと眺められるのは、お帰り臨時電車の乗客(それも先頭車両運転席近くに乗車した乗客のみ)特典とも言えます。
ただこの線路配置や工場内の様子を見ると、泉岳寺方先頭車付近は撮影スペースとして公開するのは難しそうに感じたもの(特に編成数が多いと尚更)で、仮に公開しても並びの姿は余り様にならないとも感じたものです。
そして最後となる5枚目の写真は、工場内線路を走り終えて停車した際に撮影したもので、これから方向を変えて営業列車も走行する本線に進出し、京急久里浜駅を目指します。
列車は車体長18m級とはいえ8両あり、その上それなりに乗客が乗車(列車の性質故に、特に乗務員室背後の乗客密度が高いのも特徴です)し、運転士が車両の前後を移動するのは難しい事も想定してか、お帰り臨時電車出発時には最後尾で安全確認などを行っていた乗務員氏が、折り返し後の本線走行時にハンドルを握っており、お帰り臨時列車は運転士2名乗務となっていたのも特徴的でした。
本線に入ると歩く様な速度で走行していた工場内とは一転、高速高加速運転で定評ある鉄道だけに、充当車両は加速にはやや難有と言われる車両ながらも90km/h程度まで速度を上げて走行し、あっという間に京急久里浜駅到着となりました。
お帰り臨時列車は工場内区間での走行時間が比較的長い事や、工場内区間での運転停車もあった事、それに会場の短いホーム故に乗車口が限られ乗車時間がかかる事など、本線走行以外の要因で結構な時間を要し、列車出発からも所要10分程度、乗車時点からの所用時分ともなれば、会場→京急久里浜駅を徒歩で移動するのと同程度(或いはそれ以上)という状況でした。
まして会場(少々歩いた吉井バス停を発着)~京急久里浜駅間は無料シャトルバスがピストン運行されており、この事も考えるとお帰り臨時列車は純粋に交通手段として見れば厳しい評価が出てしまいますが、日頃乗車機会のない工場内線路を走る電車に乗車できる事は非常に興味深いもので、工場内はゆっくり走ってくれた事がかえって有難いと感じた程でした。
運賃面でも特別な運賃・料金等は要さず、京急久里浜駅からの普通運賃で各駅まで乗車可能(京急久里浜駅下車の場合は駅構内入場扱い)でしたので、実質的にお帰り臨時列車自体は無料と言っても良い状況だったのも評価できる点で、以前の京急ファミリー鉄道フェスタでもこの電車の運転実績はありますが、なかなか面白い企画と感じただけに、毎年恒例となっているこのイベントの開催時には、今後も運転を期待したいと感じたものでした。
今年は天候があまり良くありませんでしたが、来年は、このファミリー鉄道フェスタが五月晴れの空の下開催されることを望みたいものです。
>diamond next様
こちらがお帰り電車に乗車した際は、ボックス席も先頭と並んで人気のポジションだけあり、座れない程ではないものの、何処も既に先客が居て相席になると言う状況でした。
こちらが乗車した先頭部も、普段乗車できない区間の様子を堪能できて面白かったですが、左側ボックス席から見た展示車両群の様子もどんなものか気になりますので、できればそちらのブログ等で記事公開頂ければ…と思います。
また工場内は非常にゆっくりと走ったものの、本線でのキビキビとした走りはさすが京急と言う感があり、対照的な走りも面白かったですが、本線を高速で突っ走る際にも臨時ホームから係員が…というのはこちらも好感を感じたのは同感です。
>6994様
このお帰り電車では、一般営業列車とは異なるこの電車ならではの案内放送を行っていた事も印象的でしたね。
またあいにくの天候で開催となり、午前中の雨には参りましたが、午後は多少天候が回復したのがせめてもの救いだったと感じています。
このイベントは1日限りの開催ですので、どうしても行きたければ雨の日でも…というのも難点と言う気がしますが、時期的に天候の悪い状況での開催率も決して低くはないだけに、来年以降は小田急の様に複数日開催にも期待したいものです。