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小田急1000形・今年度からリニューアル開始~12月に2編成8両が登場見込み

2014-05-02 | 小田急グループ


小田急電鉄の通勤型車両・1000形電車は、小田急初のオールステンレス車として登場時は随分驚かされたものでしたが、現在の小田急線では中堅格的存在の車両で、首都圏在住の方はお馴染みの方も多いかと思います。

VVVFインバーター制御車という事もあり、古参車がゴロゴロ走っている路線を利用している方から見れば、比較的新しい車両と感じる方もいるかもしれませんが、登場から既に20年以上が経過していますので、車内に足を踏み入れると、最近は少々草臥れた印象を受ける事が多いと感じていました。

また小田急では現在最古参、かつ通勤型では唯一の鋼製車体塗装車となっている先代の8000形電車が近年リニューアルされ、新車同然どころか、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」やその部品を多用した類似車両など、近年首都圏で大増殖している低コスト型新型車両よりも、デザインや内装、居住性などあらゆる面で優れているのでは…と感じる程です。
(導入費や運行費など、コスト面では「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」などは多大なメリットがあるかと思いますが、個人的には同じ運賃を払って乗るならできれば…と感じる所です)

そのため1000形もそろそろリニューアルの話が出ても…と感じていたのですが、先月末に小田急電鉄HPでも公式に1000形リニューアルの概要が発表され、今年12月に運用開始予定となっています。

今回の1000形リニューアルでは、先代8000形リニューアルの際と同様に下回りの更新(8000形では例外もありますが…)が行われ、それもVVVFインバーター制御装置の半導体素子に、世界初の大容量フルSiC(炭化ケイ素)を適用した新装置が採用され、現行最新型車並みではなく、最新型車以上の装備となるのも大きな特徴です。

全密閉化モーター採用など、近年の新形式やリニューアル車では小田急が積極的に取り入れている施策も継続され、1000形は元々VVVFインバーター制御の省エネルギー車ながら、更に消費電力が20~36%も削減されるのも注目点と感じます。

ニュースリリースでは特に記載が見当たらないものの、下回りの更新を伴うリニューアルが行われた8000形各編成の如く、運転台取替と各種モニター装置の装備、ブレーキの電気指令化などが行われるのか否かも気になる所です。

外見も恐らく2000形一部編成の如く、フルカラーLEDを採用した行先・種別表示や、色合いの異なる窓下帯などの差異が出てくると思いますが、デザイン的には元々の完成度が高い車両だけに、大規模リニューアルの割には、8000形リニューアル車と同様に、外見は従来とさほど変わらない車両に仕上がる公算が高いと推測しています。

下回りだけでなく、内装に関しても大幅なテコ入れが行われ、LED蛍光灯やLCDモニターといった近年の最新型車両では標準的になっている装備や、近年2000形車両で導入が進んでいる座席脇の袖仕切り大型化などが行われ、インテリアデザインのイメージを見ると車端部の窓が貫通路以外に見当たらない事から、車端窓の閉塞も施されそうです。


インテリアデザインの構想図(写真)を見ると、つり革の吊り輪が優先席付近以外は水色に改められるというのは独特と感じる一方、吊り輪は近年首都圏では勢力を増やしている三角形ではなく、丸い吊り輪と言うのも注目点です。

座席も近年の小田急通勤型車両でよく見られる赤系モケットではなく、青緑色のモケットが採用され、鋼製車体・直流電動機の車両で用いられていた紺色の座席モケット→1000形以降の赤系モケット(8000形でも末期導入の一部車両のみ赤系)への変更以来、久々のイメージチェンジとなります。

化粧板も3000形車両の如く、ドア付近だけ配色が異なる様に見受けられるのも注目点で、「壁面は木目のデザイン」「天井には風をイメージしたラインを表示」などと謳っているだけに、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の大半などの大きな特徴と言える、無機質で貧相な印象のインテリアとは大きく異なる雰囲気となりそうです。

個人的にはご贔屓の路線でありながらも、最新型車・4000形電車に関してはJR車両ベースという事もあり、千代田線から乗り入れてくる東京メトロの最新型車両・16000系電車などに比べると…と感じていましたが、1000形のリニューアル車両に関しては、首都圏通勤型車両の中ではかなり上等と感じる16000系電車と乗り比べても、遜色ない仕上がりになりそうです。
(4000形電車は今後のJR直通を見据え、敢えてJR車両ベースにしている面もあるかと思いますので、こちらは今後JR直通開始で小田急車両初の千葉県内営業運転などで、本領発揮に期待したい所です)

12月の再登場が待ち遠しく感じ、リニューアルされて再登場した暁には是非一度乗車して、リニューアル前との違いや良さを存分に堪能したいものです。

ちなみに1000形車両のリニューアルは、2014年度は2編成8両が対象となる事が発表されていますので、まずは2編成併結の8両編成で各駅停車に運用されたり、10両編成急行系列車の新宿方に連結される4両編成車が対象になりますが、今後6・8・10両の各編成も順次リニューアルが行われる事になります。


ただニュースリリースで発表されている対象車両としては、(除くワイドドア車36両)という特記もあり、他車両とは勝手が異なる上に、一部車両の中間車化やドア幅縮小改造などで、非常に不恰好な姿を晒しているワイドドア車はリニューアル対象から除外となっていますので、現在6両6編成が活躍しているワイドドア車がこれから先、何時まで活躍し続けるのかも気になる所です。 



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7 コメント

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ついにリニューアル (NaCl)
2014-05-15 18:49:49
90年代の車両が相次いでリニューアルされていますが、小田急1000にもその流れが来ましたね。
最新のインバータが採用され、見た感じ木目調とグリーンの爽やかだけど温かみある内装という印象で、期待できそうです。
ただ4000形以外小田急の新車の座席はデザイン優先でかなり残念な出来なので、リニューアルで座席が固くならないことを祈ります・・・というより、あの固い座面も交換してもらいたいところですが、あれでクレームが来ないのか不思議です。
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好みもあるかと思いますが… (MAKIKYU)
2014-05-16 12:38:32
NaCl様こんにちは。

車両の座席に関しては、好みもあると思いますので、軟らかい座席と硬めの座席のどちらが良いかは、評価が割れる所かと思いますが、硬さだけでなく形状や安定性なども評価に影響し、不特定多数が利用する公共交通機関と言う性質も踏まえると、特に通勤型車両に関しては、ある程度万人受けする座席が妥当な気がします。

小田急の通勤型に関しては、どちらかと言うと硬めの印象があり、特に3000形の2次車以降は詰め物が少なく、薄い形状故に長時間乗車には余り適さないかもしれませんが、Aトレイン初期に大流行した座席などに比べれば…と感じます。

1000形の座席に関しては、画像を見ると8000形リニューアル車とは、座面などが異なる様に感じますが、詰め物の厚みはそこそこありそうに見受けられますので、8000形リニューアル車並みかそれ以上のグレードを期待したいものです。

また小田急は特急ロマンスカーを多数運行しており、中長距離利用者の中には、少々出費が嵩んでも特急利用…という向きも少なくないかと思いますので、複数の選択肢が存在する事で、「痛勤問題」はある程度緩和され、クレーム減少に貢献しているのかもしれません。

座席に関しては、逆に軟らか過ぎて安定感を欠く首都圏の標準軌某大手私鉄なども、好みが大きく分かれる座席故にクレームも存在すると思いますので…
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Unknown (NaCl)
2014-05-24 22:16:39
ちなみに硬い座席の新車とは特急形のVSEとMSE、通勤形の3000形のことです。小田急は新型特急に限って座席が微妙なのが・・・
CGを見た感じでは、座席は硬くなさそうですが、相鉄8000形のようにかなり硬くなった事例もなくはないので。
日本人は柔らかめの座席が好みの方が多いせいか、京急の座席はあまり悪い評判を聞かないですね。やや滑りやすいのが難点ですが、フィットする形状ですし、MAKIKYUさんが言うほど悪い座席かなという印象です。
一方で座席が硬い上に形状が悪い東武50000系前期車や817系ロングシート車は評判最悪です。同様の理由でMSEの座席もかなり評判悪いです。
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長時間の乗車となると… (MAKIKYU)
2014-05-25 10:37:13
NaCl様こんにちは。

小田急3000形の座席は、ワイドドアの1次車は8000形リニューアル車並みで、硬めながらも厚みがあり、個人的には悪くないと思っていますが、東急5000形初期車などと類似した形状の2次車以降に関しては、確かに新宿~小田原間を乗り通す場合などは…と感じます。

それでもご指摘の東武50000系列前期車や817系ロングシートなどに比べれば、まだ程度は良い気もしますが、小田急の他車両に比べれば見劣りは否めない気もします。

また特急車両の座席も、VSEとMSEはデザイナーの個性が強く出ており、確かに薄くて硬め、京成の新AE形も似た様な雰囲気で、長時間の乗車には余り適さない気もします。

小田急のロマンスカーは、乗車時間は長くても2時間程度ですので、許容範囲と感じますが、仮に夜行での長時間乗車などとなれば、少々厳しいかもしれません。
(それでも現在ムーンライトながら号に用いられ、シートピッチが狭い上に足元もキツイ状況の185系などに比べれば、まだ良い気もしますが…)

あと京急の座席に関してですが、最近のロングシートは「座面の安定感に欠ける事」が最大の問題点と感じており、個人的にはこれならまだ817系ロングシートの方が…と感じています。
(最近の京急ロングシート座面+817系ロングシートの背もたれを組み合わせれば、個人的には恐らく史上最悪に近い座席になるのでは…と感じています)

同社座席でも2100系のクロスシートなどはシートピッチの狭さを除けば、結構良いのでは…と感じており。800系のロングシートも悪くない気がします。

座席に関しては食べ物などと同様に、人によって好みが大きく分かれるものですので、何処が最適解なのかは難しい所ですが…
(少なくともコメント中でも取り上げたAトレ2種が最適解ではない事だけは、ほぼ確実だと思いますが…)
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Unknown (横から失礼しますが)
2014-09-07 11:57:25
座席に関しては、関東私鉄はあまり大きなことは言えないと思いますよ。

①JRが209の硬めベンチバケットシートを導入
②京急がソファの座り心地を目指したシートを導入(1500改・N1000)
③同時期の関東私鉄、新車・改良車問わずJRのシートを模倣
④JR、京急と競合する東海道線E231を皮切りに座席改良
⑤関東私鉄、E233に合わせ座席の柔らかさ変更

で、京急と比較で2周・JRとでも1周遅れで仕様が変わっています。

京急のシートは座面より背もたれに力を入れて座ったほうがいいです、この辺もソファの座り方ですね。
(座面が高いので、足が余って前に出るメトロ車よりきちんと座っている人が多いのも特徴です)
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座り方に問題あり? (NaCl)
2014-09-09 13:45:27
横から失礼しますがの意見に賛成です。
管理人さんは京急のシートを度々批判しているのですが、座り方に問題あるのではと思うます。
座面に力を入れているか、浅く座っているように見受けられます。
個人的にはホールド感が強い座席なので、座面が揺れるように感じませんでした。逆に革を使った座席は表面処理によっては滑る座席もあるように感じます。
着座姿勢としては深く座った方が足を前に突き出しにくくなるので、バケットの効果が大きいことも相まってマナー良い着座姿勢になりやすいという面でも非難される座席には感じませんでした。
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コメントありがとうございます (MAKIKYU)
2014-09-13 16:17:16
皆様こんにちは、コメントありがとうございます。

>横から失礼しますが様
はじめまして。
JR東日本の209系バケットシートは、個人的には嫌いではないのですが、E217系などのクロスシート枕部分に関しては…と感じています。
また209系以降のJR東日本首都圏一般車両は、見た目は類似していながらも車両のよって図割心地が…と感じる面があり、リサイクル性を重視して素材を変更したE231系初期車の座席などは、物凄い底付き感を感じ、個人的には余り関心できないと感じています。
ただ最近の京急座席の如く、他が硬いのに対し軟らかければ…というものではなく、個人的には適度な硬さと安定感がある方が良いと感じ、知人でもこの座席の評価は賛否両論ですので、好みは大きく分かれ、万人受けする座席とは言い難いと感じています。
個人的には賞賛する人物が皆無に近く、悪評名高いA-Train初期車でも、最近の京急に比べればまだマシと感じていますが、こちらは不評故にその後の車両で改善の動きが出ていることは評価でき、現行A-TrainやE233辺りが妥当なレベルなのでは…と感じる所です。

>NaCl様
特定の座り心地を強いられる座席は、万人受けし難く好みが分かれる要因の一つかと思いますし、日頃硬い座席に座りなれていると、軟らかいが故に不快感を感じるのもあるかもしれません。
ただこちらは最近関西の阪急電車に乗車する機会があったのですが、こちらは軟らかめなながらも座面の不安定感はなく、快適と感じましたので、軟らかい=悪ではなく、座席形状や座り方など様々な要素によって、座り心地は大きく変わるかと思います。
また革座席というと、滑る座席の代表格がJR885系で、表面処理はもう一工夫欲しい所ですが、同種座席でモケットを用いた座席などは結構快適と感じ、既に一部車両がモケットに交換された様ですが、今後この動きが加速するのかも気になる所です。
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