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名古屋臨海高速鉄道 1000形電車と撮影ポイント

2011-07-22 | 鉄道[東海]

MAKIKYUが今月名古屋を訪問し、一部では「JR東○博物館」(○には「sea」を日本語に訳した漢字1文字が入ります)と言われている今年春に開館した鉄道系博物館を訪問した際には、往路は名古屋駅から出ている「あおなみ線」と呼ばれる路線を利用し、終点の金城ふ頭駅から徒歩で博物館へアクセスしたものでした。

この博物館の訪問にあおなみ線利用は定番、というよりも実質的に公共交通機関は同線に限られているといって等しい状況ですので、公共交通機関利用でこの博物館に足を運んだ事がある方は、殆どがあおなみ線利用かと思いますが、この路線は名古屋臨海高速鉄道と呼ばれる第3セクターが運営しています。
(徒歩15分程度を覚悟すれば市バス利用も可能ですが、こちらは昼間1時間に1本程度の運行です)

開業が2004年と新しく、全列車都市型ワンマン運転を行っている路線ですが、あおなみ線は全くの新線ではなく貨物線を転用・改良した区間も多く、今日でも一部区間は貨物列車共用となっており、車窓は比較的最近になって開業した他路線とはやや様相が異なるのが特徴です。

開業からまだ日が浅く、旅客列車の他路線直通運転も行っていない事から、使用車両は1000形と呼ばれる一形式のみに限られており、性能的には線路がつながっているJR東○の最新鋭標準車両に準じたものとなっています。


JR東○の最新鋭標準車両に準じた車両は、同じ愛知県内を走る愛知環状鉄道の2000系電車が有名ですが、こちらは細部に独自性があるものの車体形状などはほぼ同一なのに対し、あおなみ線の車両は見るからに簡素な印象の角張ったデザインとなっており、見た目の印象は随分異なるものです。

前面は非貫通型の機能重視といった形状で、ライトは最近の電車らしい雰囲気の一方で、行先表示がLEDではなく字幕式というのはアンバランスな気がしますが、この時期の中京地区ではまだ他でも字幕式の新車導入事例が他にあり、「オーロラビジョン」と呼ばれる他に類を見ない代物を採用した私鉄が存在する事等を考えると、無難な所なのかもしれません。

車内に足を踏み入れると、内装もMAKIKYUが身を置く神奈川県内を走る一般型電車では最も高級な部類なのでは…と感じるJR東○の最新鋭標準車両(所属基地は神奈川県外ですが…)とは趣が異なり、こちらも外観と同様に簡素な印象となっています。


金属地剥き出しの客ドアやFRP製の天井板、無地の化粧板などを見ると、最近首都圏で流行している低コスト型電車に近い雰囲気が漂い、色彩の関係もあってか「某社レンズ付きフィルムに良く似た電車」を連想してしまいますが、起終点の名古屋駅で接続する標準軌大手私鉄と乗り継ぎでもするのなら、一帯何処の電車に乗っているのだろうと感じてしまうかもしれません。
(名古屋駅で接続する大手私鉄でも、凄まじい地下ターミナルが特徴の狭軌路線を走る新型車であれば、大差なしと感じる方も多いと思いますが…)

比較的短距離の路線ですので、オールロングシートの採用自体は異論がなく、座席がJR○州(○には1桁の数字で最も大きい数を示す漢字1字が入ります)の電車を連想させる個別区分形となっているのは、この車両ならではの個性を打ち出すポイントと言えますが、全体的に簡素な印象が否めません。

そのため中途半端に独自設計の電車を走らせる位ならば、愛知環状鉄道の様にJR車両のカスタマイズで済ませた方が…とも感じてしまい、一部では評判が芳しくない静岡地区の新型電車の方が見栄えがすると感じる程ですが、ホームドア設置の関係で広幅車体では…といった事由でもあったのか否かが気になる所です。
(ドア位置や中間車の車体長は、下回りと同様にJR東○の最新鋭標準車両に準じている様です)

この様な車両が1車種だけでは、趣味的には面白みに欠けるもので、鉄道系博物館へのアクセスを一手に担うといっても過言ではない路線にしては…という気もしますが、名古屋では市長があおなみ線を観光向けに活用し、様々な電車を走らせたいという発言が新聞などで取り上げられた事がありますので、今後の展開に期待したい所です。

とはいえ全駅ホームドア設置で、20m3ドア車以外を入線させるとなれば、名古屋駅でのJRホーム活用程度はまだ良いとしても、高架にある終点の金城ふ頭駅などはかなり厳しそうですので、現行車両以外の車両を走らせるとするならば、スペックが近いJR東○の最新鋭標準車両や愛知環状鉄道車両を様子見で土休日などに直通運転させるか、金城ふ頭駅近くの博物館に保存されている車両と類似した車種を運行する程度が妥当な所と言う気がします。
(市長発言では名古屋が誇る赤い展望電車(金城ふ頭駅近くの博物館でも、是非保存して欲しいものです)や、石炭を動力とする車両なども候補に挙がっていましたが、これらはかなりの困難が伴いそうです)

またあおなみ線電車を撮影する場合、起点となる名古屋駅で乗車前に記念撮影でも…と思っても、先述の通りホームドアが設置され、島式ホームでは対向ホームの列車を撮影する事も叶いませんし、名古屋駅では写真が取り難そうだから終点の金城ふ頭駅で…などと考えていると、同駅はスクリーンタイプ(全面ガラス張り)のホームドアを採用していますので、ホームでの撮影は論外という状況です。

ただ途中駅のホームは、開業当初から都市型ワンマン運転を行う新線では、島式ホームで統一している路線が全国で幾つかあるものの、あおなみ線では統一せずに対向式ホームを採用している駅が幾つか存在しています。


その中でも終点の2つ手前にある稲永駅は、上下ホームが並行ではなくやや離れて設置されていますので、駅撮りであおなみ線を走る電車をカメラに収めたいと思ったら、同駅で一旦電車を降り、降りたホームから対向ホームに入線した電車を狙うのがおススメです。

現段階では車両は簡素ながらも、機能的には充分で都市鉄道としてはそこそこのレベルにあるとはいえ、趣味的にやや物足りない印象が否めないあおなみ線ですが、市長発言の実現可否をはじめ、沿線へ大規模な鉄道系博物館が開館した事に伴って、今後大きな動きが出てくるのかどうかも注目したいものです。



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