今冬の青春18きっぷは、発売期間こそ10日で終了しましたが、20日までは通用期間となっている事もあって、先日MAKIKYUは18きっぷを2回分使用し、富山まで出向いていました。
(それでも18きっぷはまだ1回分残っており、この消化もありますので、もう暫くの間「MAKIKYUのページ」更新頻度が低下している状況が続きますが、ご了承頂ければ…と思います)
富山まで出向いた最大の動機は、MAKIKYUにとってはJRの中でも、数少ない未乗路線となっていた高山本線(両端の区間は以前にも乗車していますので、未乗区間は美濃太田~猪谷間)へ乗車する事で、本当なら雪の降るこの時期は避けたいと感じたのですが、3月のダイヤ改正で全車指定席制の夜行快速列車・ムーンライトながら号は臨時列車に格下げとなり、ダイヤ改正以降の訪問は現状に比べると厄介になる公算が高い事もありますので、先日同線へ乗車に出向いた次第です。
ちなみに先日同線に乗車した事で、晴れてJR東海は東海道本線の新垂井経由別線を除き、全線踏破達成となりましたが、JRは3島会社各線を踏破しているMAKIKYUは本州に居ながらも、本州内の他2社はまだ未乗路線が残っている有様ですので、本州内のJR路線規模の大きさを痛感させられるものです。
ところでこの高山本線ですが、全線非電化のこの路線は、岐阜~富山県境の猪谷(猪谷駅自体は富山県に位置しています)を境界に、同線の大部分を占める岐阜県内はJR東海、富山県内はJR西日本の管轄となっています。
JR東海の特急形気動車・キハ85形で運行される特急「(ワイドビュー)ひだ」号は高山本線全線を通して運転する列車が設定されているものの、普通列車に関しては現在、JR東海/JR西日本の境界駅である猪谷を境に、全て運行が分断されている状況です。
(以前はJR東海車両が富山まで、またJR西日本車両が高山まで相互に乗り入れていたのですが…)
その内JR東海区間に関しては、非電化ながらもそこそこの運行本数(昼間毎時2本)が確保され、都市型路線の範疇に含めても…と感じる岐阜~美濃太田間に関しては、太多線と共にJR東海オリジナルの軽快気動車・キハ11形が主力として活躍していますが、美濃太田以遠の普通列車は、殆どが国鉄時代からの気動車・キハ40系列で運用されています。
高山本線で活躍するキハ40系列は、美濃太田以北の大半の列車だけでなく、同区間から岐阜へ乗り入れる列車などでも活躍し、その中でも片運転台で両端に片開き扉を設けたキハ48形が主体となっていますが、MAKIKYUが高山本線に乗車した際は、岐阜~高山、高山~飛騨古川、高山~猪谷とJR東海区間で乗車した普通列車のどれもが、キハ48形2両編成のワンマン列車という状況でした。
ただ高山本線で活躍するキハ40系列は、キハ48形以外に単行形のキハ40形が活躍する姿も目撃しており、キハ40・48形の中にはワンマン運転に対応しておらず、乗降口と客室がデッキで仕切られた車両も存在しています。
そのため一見どれも同じ様な車両ばかり…という印象が強く、塗装もJR東海の標準的な装いといった印象の高山本線を走るキハ40系列も、よく見ると幾つかのバリエーションが存在していますが、ワンマン改造やエンジン換装などで改番を繰り返し、やたらとハイナンバーの車両ばかりという状況になっていますので、車両の番台区分が随分煩雑になっています。
また高山本線は比較的近年、台風による大規模な自然災害に見舞われ、その影響でJR東海管轄区間の一部では、約3年にも及ぶ長期の運休を余儀なくされた事も記憶に新しいです(この事も高山本線乗車が後手に廻った一因ですが…)が、この台風襲来時に打保駅で運転打ち切りとなった車両(キハ48形)は、線路が寸断されている上に、車両搬出も困難な事もあって、その後2年以上に渡り打保駅に幽閉されるという、異例の事態となったものでした。
これだけ長い間稼動不能となって留置されるともなれば、その後の再起も…と感じるもので、現に台風の影響で路線寸断→そのまま廃線となってしまった九州の第3セクター鉄道・高千穂鉄道では、車庫のある高千穂と遠く離れた延岡駅に留置された車両が、再起の機会もなく廃車解体と言う憂き目に遭っています。
まして高山本線の場合は国鉄からの継承車で、車齢もそれなり…という事で、失礼ながらそのまま廃車になっても驚かない車両と言っても過言ではなく、現にJR東日本などではキハ40系列の廃車(事故廃車を除く)が行われていますが、打保駅に幽閉された車両は幸いにもエンジン換装やワンマン化改造を施行し、現代のローカル輸送ニーズにも応えられる車両だった事もあって、幸運にも打保駅から搬出されて名古屋工場で整備、そして高山本線全線復旧と共に、約3年ぶりに奇跡のカムバックを果たしています。
MAKIKYUが高山本線に乗車した際には、この災害復旧車両(キハ48 6810)にも乗車する機会があり、この車両の見た目は他のキハ48形と変らず、特に目立つ存在ではないものの、車内には車号プレートの下に「高山本線復旧車両」というプレートが大きく目立つ様に掲出されていたのには少々驚かされたもので、この車両は地味な存在ながらも、高山本線の災害復旧を象徴する車両の様に感じたものです。
JR東海では今後国鉄から継承した車両の中で、電車に関しては大規模な取替えが告知されると共に、気動車も数年前にキハ58系列などの老朽車淘汰が行われ、また武豊線向けに新形式気動車を導入する告知も行われた程ですので、キハ40系列に関しても今後の動向が気になる所ですが、まだ暫くその活躍ぶりが見られる事に期待したいものです。
写真は奇跡のカムバックを果たしたキハ48 6810号車と、その車内に掲出された「高山本線復旧車両」を示すプレートです。
今後は、来年あたりで武豊線の電化も始まることとなっていますが、武豊線で活躍した気動車が転用され置き換えの日もそう遠くありません・・・
現在JR東海では飯田線119系の代替が行われており、車齢的にはキハ40系列も大差ありませんので、武豊線電化の件も踏まえると、高山本線での活躍はコメント中で触れられている通り、武豊線電化→新系列気動車転用までかと思います。
今後導入される車両も、キハ11・75・25のどの形式になるのかも気になる所ですが、それまで無事に活躍し続けると共に、個人的には妙な偽リバイバル塗装を走らせる位なら、タラコ色復刻でも期待したい所です。