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岡山電気軌道9200形「MOMO」~1編成のみが活躍する低床電車は年月を経た今でも…

2009-02-18 | 鉄道[中国]

  

MAKIKYUが今月初めに四国へ出向いた際には、岡山まで新幹線を利用した後、瀬戸大橋を渡る快速列車「マリンライナー」に乗り換えて高松を目指したのですが、その際に利用した乗車票(通常の乗車券ではなく旅行会社パッケージ利用のためこの様な名称となっており、割安な代わりに様々な制約があります)は基本的に途中下車不可であるものの、新幹線~在来線乗り継ぎとなる岡山駅だけは例外的に認められていました。

この事もあって新幹線を降りた後、岡山駅で一旦途中下車したのですが、その際には岡山市内を走る岡山電気軌道の路面電車にも乗車する機会があり、その際には新型の低床電車9200形「MOMO」に乗車する機会もありましたので、この車両に関して取り上げたいと思います。

「MOMO」は2002年夏に1編成が登場した岡山電気軌道の最新形式で、MAKIKYUは登場直後にも一度乗車した事がありますので、この電車への乗車は先日で2回目になるのですが、登場から6年以上の月日が経過していますので、既に最新鋭という程の車両ではなく、もう走り始めてから結構な年月を経ているものだ…と感じたものです。

車両自体はヨーロッパで標準仕様となっているLRV車両の一つで、ボンバルディア車製の車両をベースにしており、同種の車両は「MOMO」登場前に熊本(熊本市交通局)でも導入されていますが、狭軌(1067mm)の全面低床電車は「MOMO」が国内で初めてとなっており、海外の車両をベースにしながらも制御装置などは国産部品を用い、日本国内で組み立てを行っている点も特徴です。
(中国地方の低床路面電車というと広島の「Greenmover」が余りに有名で注目度も高いですが、こちらはドイツで製造された車両を輸入しており、第1編成は航空機で空輸された事はご存知の方も多いかと思います)

「MOMO」自体は2002年の導入以降に増備は行われておらず、1編成のみの存在に留まっていますが、その後ほぼ同種の車両が不振のローカル線を経営移管し、低床路面電車を走らせて成功を収めている事で注目されている富山県内の2路線(富山ライトレール・万葉線)でも導入されるきっかけにもなっていますので、岡山に限らず全国において路面電車の注目度を向上させ、活性化へ果たした役割は非常に大きいと言えます。

また「MOMO」の大きな特徴としては、JR九州の車両デザインなどで定評あるデザイナーが内外のデザインを手がけている事が挙げられ、同氏はその実績を買われて現在両備グループのデザイン顧問を務め、岡山電気軌道の電車だけでなく、岡山電気軌道や両備バスの車両デザインなども手がける程になっています。

この事もあって車内の雰囲気も天井や床などを見渡すと、同氏が「MOMO」登場の少し前にデザインを手がけ、今でも乗車する度に素晴らしい車両と感じさせられるJR九州の特急形電車885系「白いかもめ」(非常に特徴的な車両で好みは大きく分かれるかと思いますが、MAKIKYUは885系のNゲージ模型も2編成所有している程で、首都圏にもこれに匹敵するだけの車両がないものか…と常日頃感じています)と非常に類似したものとなっています。

先月「MOMO」の実績を元に導入され、低床電車が活躍する事で注目される富山県内2路線に乗車したMAKIKYUとしても、富山の2車種に見劣りしないどころか、数年ぶりに乗車した「MOMO」はそれ以上のインパクトを感じたものでした。

ただ「MOMO」は岡電のイメージリーダー的存在ではあるものの、1編成のみという事もあって曜日によって運行路線が限定され、検査などで運転しない日もある点は要注意で、短い岡電の路線に1編成だけと言う現状は、本領発揮には程遠いと感じるものです。

また短距離路線だけあって乗車時間が短く、さほど支障がないとはいえ、殆どの座席が木製で非常に硬く、クッション製が全くない点は好みが大きく分かれそうです(MAKIKYUとしては、高速運転で知られる標準軌の首都圏某大手私鉄で近年増殖している「ブカブカ」した感触の座席よりは良いと思っています)が、一部座席の座面には黒い皮製のクッションが設けられているだけに、今後「MOMO」がリニューアルなどを施す事があるならば、各座席(低床電車の構造を逆手にとって設けたデッドスペース脇までは厳しいですが…)にちょっとしたクッションでもあれば…と感じたものです。



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2 コメント

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Unknown (M-T)
2009-02-18 13:49:58
この形の車両は富山で乗ったことありますが、かなり違った印象ですね。
しかし、木の座席というのはちょっと座り心地の面で問題ありそうですね。(^^;)

1編成だけですか。乗ってみたいと思う車両ですが、なかなか難しそうですね。
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その通りで… (MAKIKYU)
2009-02-20 23:59:10
M-T様こんばんは。

富山ライトレールと「MOMO」は、ベース車両こそ同等で、それも比較的標準化された規格の車両とはいえ、随分印象が異なるのはご指摘通りで、デザインが車両に及ぼす影響が大きい事を実証する好適事例と言って良いと思います。

また類似した木製座席は、同じデザイナーが手がけた肥薩線のローカル列車「いさぶろう・しんぺい」号のキハ140形最前部座席(自由席・地元客優先)などでも採用されており、岡山電気軌道の様な短距離路線であれば大した問題もないのですが、路面電車でも同種車両が導入されている万葉線位の路線長・所要時間になるとやや厳しいかと思います。

あと「MOMO」の乗車ですが、1編成だけとは言っても運用が決まっており、公式HPでも公開されていますし、路線自体も短く昼間であればそこそこの頻度(毎時最低1本)は走っていますので、週一回の定期点検日と検査等での突発運休を除けば、さほど難しくないと思います。
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