MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

伊賀鉄道200系「忍者列車」~近鉄系の鉄道にも関わらず…

2010-04-24 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、東急から秩父鉄道に移籍し、第2の活躍を始めた8090系(秩父鉄道7500系)などに関する記事を取り上げましたが、今月MAKIKYUは秩父鉄道以外でも東急から移籍し、最近になって新天地で第2の活躍を始めた車両に乗車する機会がありました。

その車両は三重県の伊賀鉄道(元近鉄伊賀線)で活躍する200系電車で、現在も池上線や東横線の地下鉄日比谷線直通電車などで運用中の1000系電車の一部が首都圏を離れ、新天地で第2の活躍をはじめたものです。

1000系電車は軽量ステンレス製のVVVFインバーター制御車で、まだまだ使える車両にも関わらず早くも第一線を…というのが実感ですが、既に長野県の上田電鉄へ移籍した事例もありますので、1000系の他社転出は伊賀鉄道で2例目になります。

ただ上田電鉄は東急グループの事業者で、子会社支援の要素もありますので、まだまだ第一線で活躍できる車両を敢えて放出する事も理解できますが、伊賀鉄道は東急系の事業者でないどころか、関西私鉄の中で最大規模を誇る近鉄の一路線と言っても過言ではありません。

そのため実質的に大手私鉄間の車両売買を行ったというにも等しく、その上近鉄は近畿車輛という鉄道車両製造メーカーも系列に従えている程ですので、東急車輛製の東急車で、まださほど古くないVVVFインバーター制御車が譲渡対象となる今回の伊賀鉄道移籍は、極めて異例の移籍事例と言えます。

異例の移籍が実現した理由としては、伊賀鉄道(元近鉄伊賀線)が標準軌の近鉄本線系各線とは異なる狭軌線区で、車両限界も近鉄標準の21m級車両が入線できない規格ですので、近鉄から車両を捻出するのが困難な事に加え、東急で丁度やや小柄な18m級車体の1000系が持て余し気味になった事が大きいと言えますが、それでも伊賀線既存車両(860系)よりは大柄ですので、一部駅のホームを削るなどの工事が必要となり、このために特定日の昼間時間帯一部列車を運休させる工事を行った程です。

この異例の移籍劇は驚いた方も多いかと思いますが、伊賀鉄道に移籍した東急1000系は新たに200系の形式を与えられて昨年末から活躍を開始し、2本目の編成も今年春に稼動を開始しています。

現在活躍する200系は2本共に、既存の860系一部編成で見られる忍者のイラストをデザインした「忍者列車」となっており、MAKIKYUが今月乗車した200系「忍者列車」は、昨年末から走り始めた編成の方でした。


東急1000系では一般的な左右非対称の前面形状の車両ですが、外観は忍者デザインのラッピングに加え、東急時代より随分小さくなり、LED化された前面の行先表示や、使用を取り止めて跡が残る側面行先表示部分が非常に目に付きます。


またMAKIKYUが伊賀鉄道に乗車した日には、活躍を開始して間もない2本目の編成も稼動しており、途中駅ですれ違う姿も目撃しましたが、こちらは東急1000系の中でも少数派の中央に貫通扉を配した左右対称の前面形状を持つ車両で、忍者のデザインも異なりますので、1本目の編成とはやや雰囲気が異なるものです。

この200系電車は、今後も老朽化が進む860系電車を代替する目的で導入予定があり、もうまもなく伊賀鉄道の主力と言える存在になる事はほぼ確実と言えますが、今後の導入車両も1編成毎に異なるラッピングを施した姿で登場するのか、それとももう一つの東急1000系移籍先である上田電鉄の様にほぼ東急時代の装いで活躍する編成が登場、或いは伊賀鉄道標準塗装が登場するのかも気になる所です。

車内の様子に関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。