MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

京都丹後鉄道・KTR8000形「丹後の海」~リニューアルで様相が大きく変わった特急車両

2016-04-08 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では京都丹後鉄道(丹鉄)の観光列車「丹後あかまつ号」に関して取り上げましたが、先月運行移譲後初めて乗車した丹鉄では、一般車両改造の観光列車だけでなく、特急車両の改装車両も昨年末に運行開始しています。

この車両は「タンゴディスカバリー」の愛称でも知られる2両編成の気動車・KTR8000形を改装、改装を施した車両は「丹後の海」と称しており、「丹後あかまつ号」などと同様に、JR九州や両備グループなどのデザインで定評ある某有名デザイナーが関与したモノになっています。

 
改装前の「タンゴディスカバリー」(写真)は、車両内外の雰囲気はJR西日本をはじめとする関西特急車両の典型、内装も万人受けする落ち付いた雰囲気の車両と言う印象でした。


しかし強烈な個性を放つ車両を、次々と国内各地に登場させている某有名デザイナーが関与した事で印象は大きく様変わりし、車体随所に英文字やロゴなどを配した藍色メタリックの装いを見ただけでも、随分な変貌を遂げた事を実感したものでした。


車内に足を踏み入れると、外観以上に大変貌を遂げており、木をふんだんに用いた内装や様々な柄の派手なモケットが混在する座席、展望スペースと客室との間に設けられた暖簾などは、某有名デザイナーがデザインに関与した車両らしいと感じ、近畿地方ではなくJR九州の特急車両に乗車しているのでは…と錯覚しそうになる位でした。

ちなみに近年某有名デザイナーがデザインに関与したリニューアル車両では、客室内を大改装しても天井は白基調のシンプルな造作としている車両が多く、丹鉄の「丹後あかまつ号」などもこの典型事例の一つと言えます。


「丹後の海」では天井部分客室デッキ付近の側壁なども木材でコーディネート、天井から座席下を照らず照明器具も多数追設するなどの改造が施されており、この改造は某有名デザイナーが改装に関与した数々の車両の中でも、「丹後の海」における大きな特徴の一つと感じたものでした。


また某有名デザイナーは、新造車両においては客窓を各席毎に独立したモノにして、着席位置による展望性の優劣が少なくなる様に意図した車両を多数登場させており、改装車両でも旧高千穂鉄道の観光トロッコ列車を改造したJR九州キハ125系400番台「海幸山幸」などで、展望性を考慮した大窓に敢えてピラーを設けた前例がありますが、「丹後の海」でも元々座席2列分の大きさがある客窓の中央にピラーを設ける改造を施しているのも大きな特徴となっています。

この改造のお蔭で、各席毎にブラインドを任意の位置に調節できる利点はあるものの、展望性と言う観点ではマイナス要因にもなりますので、これは賛否両論が分かれる所で、個人的には大窓を持つ車両に関しては、わざわざピラーを設けずに大窓を活用しても…と感じたものでした。

様々な面で大改装された「丹後の海」は、以前の「タンゴディスカバリー」とは随分雰囲気が変化し、好き嫌いがハッキリと分かれる非常に強烈な個性を放つ車両に様変わり、関西私鉄の優等車両では南海の空港特急「ラピート」に用いられる50000系電車に匹敵するレベルとも感じたものでした。

個人的には従来の「タンゴディスカバリー」とは大きく異なる雰囲気も、総体的に見れば悪くないのでは…と感じていますが、観光向けの列車としての一般向けPRには絶大な威力を発揮しそうな反面、新幹線接続をはじめ、京都市内と府内北部を結ぶビジネス列車的な要素も強い列車にも充当される車両ですので、落ち着いた雰囲気の車両でゆっくりと過ごしたい向きにもどれだけ応えられるのか…とも感じたものでした。

京都~山陰本線経由~府内北部(福知山・舞鶴・宮津など)への特急としては、丹鉄車両だけでなくJR電車によって運行される列車が多数存在、ビジネス向けとしてはこちらの方が適した印象もありますが、乗客側もニーズに応じて両者を使い分ける動きが出て来るのか…とも感じたものでした。

JR電車も近年旧式の国鉄型車両を全面淘汰した事で、特急料金を徴収するのに相応しい設備や居住性を備えた車両ばかりになっていますので、観光旅行で天橋立などを訪問する際には、全く異なる雰囲気を持つ2者を乗り比べるのも悪くない気がしますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方は如何お考えでしょうか?



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。