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中通島を走る西肥バス(1)~中型車編

2014-06-03 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが3月に訪問機会のあった長崎県の中通島、通称「上五島」とも呼ばれるこの島は、現在市町村合併によって全域が「新上五島町」となっています。

新上五島町は人口2万人を超えており、離島の自治体にしては面積・人口などは比較的大規模な部類に入る事もあり、島内も鉄道こそないものの、離島にしては結構な数の路線バスが運行しています。

この路線バスの大半は、佐世保など長崎県北部ではお馴染みの西肥自動車(西肥バス)が運行しており、それも分社化した子会社などではなく、本土と同様に本体直轄での運行となっているのも大きな特徴です。

この事もあってか、中通島は本土とは少々離れた離島ながらも、島内を走る西肥バス各路線では長崎県内大手各社が導入している共通ICカード「長崎スマートカード」や、九州の大手バス事業者各者で通用するフリー乗車券「SUNQパス」でも乗車できます。
(MAKIKYUも中通島を走る西肥バスに乗車する際には、これらを利用したものでした)

車両面でも、本土で数年~10数年程度活躍した車両が、登録番号変更(新上五島町は長崎ナンバーですが、本土の西肥バスは大半が佐世保ナンバーで、中には佐賀ナンバーの車両もあります)と共に移動したものが主体となっており、離島と言う土地柄も影響してか、車両サイズは車長9m弱程度の中型車が主流を占めています。


近年では本土側でも大都市圏移籍車が幅を利かせる状況ですので、大都市圏移籍車が直接新上五島に配属される事例も多く、MAKIKYUが青方で野母商船「太古」を下船した際に、フェリー接続で待機していた有川行のバスも大都市圏移籍車でしたが、その後も島内各路線を乗車した際には大都市圏移籍車の中型車には何度も乗車したものでした。


西肥バスの路線車は、自社発注車だと近年導入された車両を除くと、中折戸の車両が主流ですが、中通島を走る大都市圏移籍車は首都圏からの移籍車が大半と言う事もあってか、大半が中引戸となっており、引戸ながらも見付を折戸に合わせるためなのか、中扉が黒く塗られているのも大きな特徴です。


大都市圏移籍車だけでなく、西肥バスの自社発注の中型車にも何度か乗車機会がありましたが、メーカーは近年数台導入事例がある程度のいすずを除く国産3メーカーが揃っていますので、離島で台数もそう多くないにも関わらず、車種は結構多彩で、全く同一の車両を複数探す方が…とも感じてしまう程でした。

 
その中には昭和60年式と言う、今や動態保存車を除けば地方へ足を運んでもなかなか遭遇しない古参車もあり、帰還後にネット上の情報を色々調べると、旧年式車が多い中通島を走る西肥バスにおいても、この車両は最古参車となっている様です。

MAKIKYUも一度この車両に乗車する機会がありましたが、途中で塗装変更が行われ、整備も行き届いているためなのか、年式の割には随分綺麗な印象を受けたものでした。


また中通島を走る西肥バスは、基本的に「中乗り前降り」となっていますが、自家用用途で使用していた車両を転用した車両などでトップドア車も混在しており、こちらは当然ながら「前乗り前降り」となります。
(どちらも地方路線バスでは典型的な整理券方式の運賃後払いです)


MAKIKYUが中通島へ足を運んだ際には、奈良尾から若松島(若松大橋によって実質的に陸続きとなっています)へ向かう路線に乗車した際、このタイプの車両に当たったのですが、その前日には同じ車両が青方で奈良尾行の便に充当されている姿も目撃しています。

この中通島を走る西肥バスは、概ねダイヤ毎に充当車両のサイズが決まっている様で、中型車は島内を走る大半の路線で姿を見る事ができますが、大型車やマイクロバスなども活躍しており、こちらに関しても近日中に追って取り上げたいと思います。