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順天と麗水の市内バス~乗り継ぎで2都市間を移動する事も…

2012-05-13 | バス[大韓民国]

MAKIKYUが2月に麗水へ足を運んだ際には、釜山(Busan)~全州(Jeonju)間を移動する際に、大変貌を遂げたKORAIL全羅線や麗水EXPO駅などの視察を兼ね、麗水へ寄り道したものでした。
(両都市間は高速バスで直結され、鉄道(KORAIL)利用でも順天(Suncheon)乗り換えで移動できますので、順天~麗水間でわざわざ盲腸線的区間に足を伸ばした格好となります)

釜山~全州間で順天を経由し、KORAIL主体で移動する場合、全羅線で順天~麗水EXPO駅を往復乗車するのが最も安直な方法ですが、MAKIKYUが麗水を訪問するのに往復で同経路は…という事で、片道は路線バスを利用したものでした。
(万博期間の土休日などには、普段は全羅道を走る機会がないヌリロ号用新型電車を充当し、隣接する両都市間でシャトル列車が運行されるのも注目ですが…)

順天~麗水間のバスは、バス大国の韓国ですので、両都市の市外バスターミナル間を結ぶ市外バス(都市間バス:観光バスタイプの車両を充当し速達運転)も存在していますが、日本国内でも一般路線が好きなMAKIKYUの事ですので、両都市間のバス移動では市外バス利用ではなく、市内バスで移動したものでした。

日本の一般路線バスに相当する市内バスは、韓国の場合は自治体が運行に関与している事もあって、同一自治体内での運行や、境界を跨いで隣接自治体に入ってすぐの所で乗り換えになる事が多く、順天~麗水間を市内バスで移動する際もこのパターンになります。

順天~麗水間で市内バスを乗り継いで移動する場合、順天の市内バスと麗水の市内バスを乗り継ぐ事が可能な地点は幾つか存在し、概ね順天の市内バスが麗水市北部へ乗り入れる格好になっているのですが、MAKIKYUは麗水市北部の栗村(Yulcheon)で両市の市内バスを乗り継いだものでした。
(栗村以外にも、もう少し南に進んだ麗水空港などで乗り継ぐ事も可能です)

順天では駅前からも栗村方面へのバスは、停留所に運行時刻掲示こそないものの、凡その運行時間帯や運行本数などの情報は順天市HPでも公開しており、頻発している事は把握していましたが、地方都市でも結構な数の市内バスが走っており、運賃も手頃で気軽に利用できるのは、さすがバス大国の韓国と感じます。
(その代わり地方における近郊輸送では、鉄道は殆ど使い物にならず、地方での近距離移動で大衆交通を利用して旅行する場合は、バスを使いこなせないとかなり厳しいのですが…)


順天駅前から栗村方面へ向かう場合、駅舎向かい側のバス停から乗車するのですが、最初にやって来た栗村方面行きのバス(写真)はかなり混雑しており、このバスはパスして次のバスを待つ事に。

すると2~3分で次のバス(別系統ですが、車種や塗装は同様です)が現れ、こちらは座席の半分以上が空いている状況でしたので、このバスで栗村を目指すのですが、その途中では前を走っていた超混雑のバスを、別系統にも関わらず途中バス停留所で平然と追い抜く有様は、日本の路線バスでは考えられない事です。

そして市境を跨いで麗水市に入り、栗村の街中に差し掛かると、技士(運転士)からここで降りる様に合図され、バスを下車して麗水の市内バスに乗り継ぐ事になります。


この街中ではバス停ポールのない所でも、暗黙の停留所になっている箇所も見受けられ、外国人旅行者の利用は殆ど想定していない様子、と言うよりも外国人の訪問自体が少なそうな地方の田舎街で、MAKIKYUが再び足を踏み入れる機会があるのだろうかと感じる程で、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方で栗村を訪問した事がある方が居られましたら、是非コメントも頂ければ…という所です。


栗村では麗水市中心部へ向かう市内バスの発着時刻に偏りがあり、次の便まで30分強の時間がありましたので、この空き時間を利用して「暗黙の停留場」前の店でカルククス(5000W:うどんに近い麺料理で、全く辛くありません)の昼食を取り、その後麗水の市内バスに乗り継いだものでした。

MAKIKYUが乗車したバスの次発は5分後の運行で、単に各系統毎に適当な台数のバスを走らせているだけと言った感が強く、韓国では自治体HPでも「○系統・配車台数△台・運行回数・始発・終車」といった案内を行っているケースが多いですが、この運行は感心できるダイヤ設定とは到底言い難いものです。


そして乗車した麗水の市内バスは、順天の市内バスよりは新しい車種だったものの、両市共に現代製大型路線車が主流となっている模様で、麗水の市内バス乗車自体も初訪韓以来10年ぶりという有様(順天の市内バスは、今年初めて乗車したものでした)でしたが、EXPO絡みですっかり様子が変わってしまったKORAIL全羅線やその終着駅(麗水)だけでなく、市内バスの装いも大きく変わった事で、麗水は以前訪問した時とは全く異なる街の様に感じてしまったものでした。
(韓国ではこの様な事がしばしばあるのですが…)

近年ではソウル市のバスが、路線の性質毎に色分けされた単色塗装に改められたのが最たる事例ですが、他にもMAKIKYUが知っている限りで、数年の間に市内バスの装いが変更となっている都市を多数把握しており、日本よりもカラーチェンジ頻度は遥かに上です。

市内バスは一度装いを変え始めると、あっという間に新塗装のバスばかりになり、車両の入換頻度も日本の大都市圏以上(お陰で地方でも旧年式車に当たる機会がないのは惜しい限りです)ですので、韓国各地で市内バスを見かけたら、次の訪問機会に…と思わず、可能な限り見かけたバスを撮影しておいた方が…と感じたものです。

乗車したバスは麗水市内を南下し、市庁舎のある麗川地区や、市外バスターミナルなどを経て、旧麗水駅周辺まで走るのですが、近年移転した麗水EXPO駅やその周辺へは立ち寄りませんので、旧麗水駅周辺から10分程歩いて麗水EXPO駅に移動したものでした。

韓国では交通カード利用時に乗継無料や割引となるケースが多く、麗水も例外ではありませんので、栗村方面から麗水EXPO駅へ向かう際、市外バスターミナル周辺などで麗水EXPO駅を経由するバスを見かけたら、旧麗水駅周辺まで乗り続けずに乗り換えてしまうのも一つの手ですが、こればかりはその時の運行状況次第で、一概に時間はこのルートでの利用が…とは言えませんので、韓国の市内バス乗車に不慣れだと少々厳しいかもしれません。

ちなみに順天と麗水の市内バスは、共にソウルなどで発売・通用する交通カード「T-money」が通用し、MAKIKYUもT-moneyを使用して乗車したのですが、韓国では相互利用可能なカードでは割引特典などの恩恵を受ける事は可能なものの、相互利用地域では入金(チャージ)を取り扱っていませんので要注意です。
(日本で最もメジャーなICカード・Suicaで、相互利用対象となっているnimocaエリアの西日本鉄道(西鉄)の路線バスを利用する場合、同社バス車内などで入金を行う事(PASMOエリアでの入金とは若干手順が異なりますが…)などは可能ですが、Suicaではポイント付与や乗継割引の恩恵が受けられず、同様の扱いとなる事例が数多く存在しますが、海を跨ぐとICカードの扱いが対照的なのは興味深く、韓国人の中には自分の居住地域とソウルのカードをそれぞれ持ち歩いて使い分けているケースも存在する程です)

また順天~麗水の市内バス乗り継ぎ移動は、乗継時間も含めると1時間半~2時間程度を要し、不慣れな外国人旅行者などにはやや使い難い面もありますが、運賃は両市内バス共に割安(1000W台)で、日本の地方を走る路線バスの如く、市内でも凄まじい運賃が…という事がないのはあり難いものです。

このルートは鉄道や市外バス利用とは異なる楽しみもありますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方が、海洋万博訪問や全羅線末端部乗車などで麗水市を訪問する機会がありましたら、是非市内バス乗り継ぎで順天~麗水間を移動する事も検討してみては如何でしょうか?