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女川へ向かうJR代行バスとミヤコーバス

2011-08-10 | バス[東北]

先月MAKIKYUが南東北を訪問した際には、石巻から更に東へ向かった女川(Onagawa)へも足を運んだものでした。

石巻から女川方面への公共交通機関は、東日本大震災の発生前であればJR石巻線利用が一般的で、他にミヤコーバスによる路線バスが存在する状況でしたが、石巻線は5月に前谷地(Maeyachi)~石巻間が運転を再開したとはいえ、石巻以東は今もなお不通が続き、復旧見込みすら出ていない程です。

ただJRでは石巻線代行バスを走らせており、このバスを利用して女川方面へ足を運ぶ事は可能ですが、運行経路の関係で陸前稲井は駅前とはかなり離れた市街地にバス停が設けられています。

終点女川も駅前こそ通るものの、女川駅周辺の被災状況は凄まじく、女川駅も壊滅状態にある事から、発着場所は駅から徒歩10分程度の高台にある総合運動公園に設けられています。

石巻線の代行バスはJRバス東北が、高速路線車を使用して運行しており、仙台~古川間などの短距離高速バスで使用されるトイレなし車両が充当されています。

 
MAKIKYUが利用した際には日野SELEGAに当たりましたが、他に今度バスコレクション2台セットで製品化される車両と同じデザインの三菱ふそう製車両(もう一台は新幹線はやぶさ号と同色のバス)が活躍する姿も見られたものでした。

この代行バスはJRバスだけあってしっかりと「列車代行」の表示が用意されているものの、行先表示類は仙石線代行バスなどに比べると簡易なものとなっています。

この代行バスは震災前の石巻線列車に比べると便数が大幅に限られ、主に朝夕の通学時間帯に重点を置いているため、昼間は運転間隔がかなり開いてしまうのは難点です。

所要時間も列車より余計にかかりますが、運賃はJR代行だけあって石巻~女川間を乗り通しても320円と割安で、MAKIKYUが代行バスを利用した際に使用した青春18きっぷの様な割安な企画乗車券も通用するのはあり難い限りです。

また女川方面への公共交通機関としては、震災前から運行しているミヤコーバスの路線バスも、現在では特別ダイヤでの運行(石巻市HPにダイヤが掲載されています)となっており、女川地区などで一部運行経路や停車停留所が異なっているものの、現在でも運行を続けており、こちらを利用して女川方面へ足を運ぶ事も可能です。

MAKIKYUが女川へ足を運ぶ際にも、片道はミヤコーバスの路線バスを利用しましたが、昼間時間帯にJR代行バスの運転間隔が大きく開く時間に、路線バスが走っている事もしばしばで、陸前稲井と女川を除くJR各駅前での乗降も可能です。


やって来た車両は三菱ふそう製の古参中型車(平成4年式)でしたが、石巻管内は新旧様々な車両が活躍しており、国産4メーカー全ての車種が在籍していますので、どの車両がやってくるかはその時のお楽しみです。

女川まで足を伸ばす便は本数が限られるものの、途中の渡波(Watanoha)までの便数は、渡波止まりや牡鹿方面へ向かう便なども利用できる事もあって、震災前からJRより充実しています。

運賃こそ渡波駅前で350円、女川まで700円とやや割高ですが、セット回数券(石巻駅前の案内所などで発売しています)を利用すると、発売額1000円で100円分のプレミアがあり、MAKIKYUもこの回数券を利用したものでした。

ミヤコーバスは東日本大震災で大きな影響を蒙りながらも、震災後も路線・高速バスや仙石線代行バスなどで地域の足を懸命に確保しており、震災復興を応援する事も考えると、こちらも是非利用したいものです。

ちなみにミヤコーバスの女川方面へ向かう路線は、JR代行バスと経路は大半が重複するものの、陸前稲井(JR代行バス停留所)~渡波間でJR代行バスがトンネルのバイパスを通る所を、海沿いの市街地(津波による被害が大きいです)を通るなどの違いがあり、石巻駅周辺から渡波・女川方面へ足を運ぶのであれば、来た道をそのまま引き返すのは…と考える方にもおススメです。


女川町内では行き先表示や車内放送・運賃表示こそ震災前のものを利用しているものの、経路や表示が異なる旨の案内があり、バスの終点は女川総合運動公園となっていますが、このバス停はすぐ隣にJR代行バスの女川駅ポールが立っており、女川での終点もJR代行バスと同一ですので、両者を乗り比べる際にも便利です。

女川の街が震災前の様な姿を取り戻すのは相当な時間がかかる事が予想され、震災から4ヶ月以上を経た今もなお凄まじい状況ですが、ミヤコーバスの路線バスなどを利用して現地へ足を運ぶだけでも、微力ながら震災復興に貢献できます。

震災を忘れないためにも、被災した現地の状況を直接目の当たりにする価値は充分あると思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も機会がありましたら、JR代行バスやミヤコーバスなどを利用し、女川へ足を運んでみては如何でしょうか?