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KORAILの新しい高速列車・KTX 山川(1)~外観編

2011-03-10 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先月MAKIKYUが韓国を訪問した際には、旅行の計画段階から昨年秋に開業したKTX専用高速線の京釜高速鉄道2期線(東大邱[Dong-Daegu]~釜山[Busan])と、やはり昨年に営業運転を開始したKTXの新型車両・KTX 山川(Sancheon)には是非乗車したいと思っており、先月韓国を訪問した際には、その双方の目的を共に達成する事が出来ました。

KTX 山川は両端に動力車を配した動力集中方式で、中間の客車は連接構造の付随車となる点では、フランスTGVをベースにした既存のKTXと同様です。


しかしデザインや客室設備は既存KTXと大きく異なっており、「ヤマメ」をイメージしたデザインは独特で、前面窓が大きな1枚窓となっている点では、TGVシリーズの比較的新しい車両(MAKIKYUは実車を見た事はありませんが…)を何となく連想したものです。

また編成は動力車を含めて10両と、既存KTXの約半分の長さしかなく、列車によっては2編成併結での運用を行う事で、既存KTX並みの輸送力を確保しています。


分割併合を行う事も影響したのか、LEDを用いた側面の行先表示も日本の新幹線(特にN700系は際立っていますが…)程ではないものの、表示内容が既存KTX(行先(ハングル・英文)・列車番号のどれかを表示するだけで目一杯で、これらを交互に表示している状況が貧相過ぎるのかもしれませんが…)よりはるかに充実したのも評価できる点です。

編成が短いことから、利用の少ない列車は1編成のみで運行したり、途中駅で2方向に分かれる列車を設定する事で、過密区間の列車密度を高めなくても、輸送力を増強できるなど、様々な運用に適応でき、セマウル号用ディーゼル動車を連想する活躍ぶりも特徴です。


前面が流線型である事に加え、既存KTXに比べて大柄で丸みを帯びた風貌は、デザイン的には何となくセマウル号用ディーゼル動車、それも大宇製車両を現代風に進化させた雰囲気も感じ、特に連結器を開いた状態では尚更と感じたものでした。

ちなみに京釜線方面を走るKTX 山川充当列車は、主にSeoul~東大邱~馬山[Masan]間の慶全線方面列車や、この列車のSeoul~東大邱間のみで増結される編成(Seoul~東大邱間では併結して馬山発着列車と全く同じ時刻で走りながらも、運行扱い上は別列車扱い)に充当されており、最も需要の大きい京釜間(Seoul~釜山間)での運用は非常に限られ、釜山にやってくる運用がごく僅かなのは難点です。

釜山に顔を出す僅かな運用も、金・土・日曜などに4往復運転される光明[Gwangmyoeng]~釜山間の臨時列車が主体となっており、おまけに先月発生した光明駅脱線事故(大事に至らなかったのは幸いですが…)の影響で半数が当面運休となっている他、この列車は1編成のみでの運用となっているため、座席数が少なく満席となる事もしばしばと言う状況です。
(光明駅はSeoul市の南に位置する光明市に位置し、自家用車利用者の便宜を考慮した駅ですが、永登浦[Yeongdungpo]駅まで毎時2本程度のシャトル列車が運転されています。
この他近隣の広域電鉄駅へ向かう市内バスが頻発しており、公共交通機関でのアクセスも可能ですが、韓国旅行の初心者には余り利用をおススメできない駅です)

MAKIKYUが韓国を訪れた際も、釜山から入国した訪問初日にSeoulまでKTXでの移動を目論んだものの、混雑する日曜日と言う事もあって光明駅発着の臨時列車はあいにく満席、釜山からのKTX 山川乗車は叶いませんでした。

ただ列車の空席状況を乗車券自動券売機(これだとハングルが読めれば、韓国語での会話なしで目当ての列車の空席状況を容易に調べられ、乗車券購入時の1%割引特典も嬉しい限りです)で確認すると、東大邱~Seoul間では同区間の列車こそ満席だったものの、何故か馬山からやってくる車両に1席だけ空席が残っていました。

MAKIKYUは迷わずこの1席を購入すると共に、釜山~東大邱間は高速新線を経由する既存KTXに乗車する事で、先月の旅行で目論んでいた2つの目的を達成する事が出来たものでした。

ちなみに韓国の運賃制度は日本のJRとは異なり、列車種別毎に㎞当たりの賃率が定められていますので、種別毎に定められた最低所要金額に満たない短距離での乗車以外は、途中駅での分割購入でも運賃が殆ど変わらないのも魅力で、今回はKTX同士の乗り継ぎで対象外とはいえ、KTX~在来列車乗り継ぎでは在来列車の運賃割引(KTX1乗車につき、在来列車1乗車のみが対象)が適用されるのも注目点です。


そのため既存KTXで東大邱へ移動し、1時間程の待ち時間には駅構内に停車しているKTX 山川などの様子を眺めながら、乗車するKTX 山川がやってくるのを待つ状況でしたが、既存KTXと並ぶ姿を見ると、まだ歴史の浅い韓国の高速鉄道も急速な発展を遂げ、新たな時代に突入した事を実感させられたものでした。

車内の様子などは、続編記事で近日中に追って取り上げたいと思います。