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長崎電気軌道 5000形電車~長崎では2例目の全低床連接車

2011-03-03 | 鉄道[九州・私鉄等]

先月MAKIKYUが韓国へ出向いた際には、韓国旅行では恒例の「BEETLE」を利用した事もあって、博多港での出入国となっていますが、そのため日本国内の移動距離も相当なもので、むしろ国際航路や韓国内よりも、首都圏~九州間の移動距離の方が長い程です。
(それでも東京~博多間直通の新幹線のぞみ号で約5時間程度ですので、距離の割には訪れやすい所ですが…)

この九州も日頃の生活圏からは大きく離れており、頻繁に訪問する所でもないですので、韓国旅行の前後に九州内も少し廻る事になり、旅行のメインは韓国ながらも、国内旅行とのミックスといった雰囲気でしたが、その際には福岡(博多)からJRの特急「かもめ」号で約2時間程度の長崎にも足を運んだものでした。

長崎は市内交通機関として路面電車が大活躍している事でも知られ、その規模は国内随一の規模を誇る広島にこそ叶わないものの、路線長や車両数、輸送人員などあらゆる点で国内有数の規模を誇っており、また国内最安と言っても過言ではない運賃の安さ(最近若干の値上げがあったものの、それでも120円均一)も注目すべき点です。

この長崎の路面電車は長崎電気軌道という私鉄が運営しており、割安な運賃を維持するために比較的最近まで簡素な運賃箱や、つりかけ式と呼ばれる昔ながらの動力伝達方式を用いた車両ばかりを走らせるなどの特徴がありました。

しかしながらここ最近、バリアフリー化などの時代背景に応えた全低床新型車両の導入をはじめ、県内路線バスで普及しているICカード「長崎スマートカード」の導入と、これに伴う自動両替装置付運賃箱の設置といった動きが見られ、古参車両が多数活躍する状況こそ続いているものの、以前とはやや様相が異なっています。

全低床新型車両は2004年に3000形と呼ばれる3車体連接車が導入され、暫くはこの車両が増備されるもの…と思っていましたが、同形は3編成が導入されただけに留まり、今年に入ってから別形式の全低床新型車両が導入されています。


この車両が5000形と呼ばれる車両で、アルナ車両製3車体連接車という点では3000形と同様ですが、デザインは前面が傾斜した形状の3000形とは大きく異なり、直線的でシャープな印象を受け、最新鋭車両ながらも3000形と同様に行先表示に字幕を用いている点も大きな特徴です。
(余談ながら九州ではJRこそLED採用に積極的ですが、私鉄では大手の最新鋭車でも字幕です)

これに加え装いもグレーに水色などの帯が入る3000形とは対照的に、白と赤の塗装となっており、この装いは色合いや塗り分けこそ異なるものの、全低床新型車両導入前に導入された比較的新しい車体更新車(下回りは旧型の転用)を思わせる雰囲気があります。

それ以前の車体更新車でもアイボリーと赤の装いの電車が活躍していますので、この点では先代の低床車3000形に比べ、長崎の路面電車らしい雰囲気と感じたものです。


車内に足を踏み入れると、グレー系を主体とした色彩の車内は比較的シンプルな印象を受けるものの、化粧板をドア部分だけ異なる色彩とするなどのアクセントが見受けられるのが特徴です。

この新形式5000形は現在1編成のみの活躍で、主に長崎駅前には顔を出さない蛍茶屋~石橋間の5系統で運用されており、MAKIKYUが先月末に乗車した際も5系統での運用でした。

5系統と言うと以前は石橋周辺の電停設置箇所の関係で、前後扉配置の古参車両ばかりが活躍しており、同系統への乗車も久々でしたので、長崎の路面電車も随分変わったものと実感させられたものです。

また5000形は今後も増備が計画されている様ですが、その際には他所から長崎を訪れる観光客の多い長崎駅前や松山町(原爆投下地点の近く)などを通る1・3系統への充当などにも期待したいと感じたものでした。