MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

今年春の関西における一番の注目点と言えば…阪神なんば線開業とそれに伴う大変貌

2009-04-11 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先月末と今月初めに相次いで関西へ出向いたMAKIKYUですが、先月末に関西へ出向いた際には、今年春の関西における一番の注目点といえ、3月20日に開業したばかりの「阪神なんば線」にも乗車する機会がありましたので、少々遅くなりましたが取り上げたいと思います。

阪神なんば線は、3月20日に大阪難波(近鉄難波から改称)~西九条間の3.8kmが開業し、途中には桜川・ドーム前・九条の3駅も設けられると共に、既存の西大阪線(西九条~尼崎)もなんば線に編入されています。

今回の阪神なんば線開業は、単に3.8kmの路線が開業しただけではなく、阪神なんば線を介して阪神本線~近鉄奈良線を直通運転する列車が多数設定され、神戸(阪神三宮)~奈良(近鉄奈良)間を結ぶ新たなルートが構成された事が大きな特徴と言えます。

阪神・近鉄の2社間での相互直通運転となる三宮~奈良間などの阪神なんば線を運行する列車は、阪神・近鉄の2社車両が相互直通運転を行っており、複数の事業者間で相互の車両が乗り入れる事は、日本の大都市圏における鉄道では一般的な事ですが、車両の規格が異なる阪神・近鉄間で相互直通運転用車両の規格統一を行わず、車体長や扉数が全く異なる車両を混用している点は、他では余り見られない大きな特徴となっています。

MAKIKYUが阪神なんば線に初めて乗車した際は、一昨日の記事でも写真を掲載した近鉄車に乗車したのですが、この編成はMAKIKYUが乗車した三宮寄り2両だけが近鉄各線で見られる標準規格車両(これも形式などが細かく分かれているのですが…)、奈良寄りは「シリーズ21」と呼ばれる近鉄新標準車両の混成編成(写真では分かりませんが…)でした。


この如何にも「近鉄」という感のある近鉄標準規格車両は、名古屋辺りの方は地元と代わり映えがせず、関西まで来てこの車両ではガッカリ…と感じられるかもしれませんが、三宮方の先頭車が電動車となっている事は少々嬉しいもので、MAKIKYUとしては阪神なんば線初乗車の際は是非…と思っていた車両です。

阪神なんば線直通用に新たに用意された車両ではなく、いかにも「近鉄」という印象の既存車両が「尼崎」の行先を表示し、阪神直通車である事を示すロゴを貼り付けている姿は、新たなネットワークが構成された事を強く感じたもので、これに比べると阪神側は過半数を今回の直通運転用に製造した1000系が占め、他には今回の直通開始に合わせて改装した9000系が走るだけですので、ややインパクトが薄いと感じたものです。
(阪神側も如何にも「阪神電車」と言う印象の赤胴8000系などを近鉄乗り入れに
用いていれば、個人的にはもっとインパクトがあったと感じたものですが…)

見るからに不揃いなこの近鉄車両の6両編成が、少し前まで4両編成の阪神電車(それも普通系車両や古参赤胴車)が走っていた支線(旧西大阪線)を走る様も、阪神なんば線開業に伴って西大阪線が大変貌を遂げた事を実感させられたもので、そのインパクトはやはり支線的存在に甘んじていた東京の東急目蒲線→地下鉄直通開始後の東急目黒線を凌ぐ程と感じたものです。

  
(近鉄直通用新造車の阪神1000系/尼崎駅で顔を合わせる山陽車と近鉄車/鶴橋駅の列車案内)
そして阪神なんば線を介し、一部列車が尼崎から三宮まで直通運転を行う阪神本線では、近鉄車両が阪神なんば線に乗り入れない阪神の既存車両(阪神側のなんば線直通車両は、9000系の改装車を除くと新型1000系のみ)や、阪神に乗り入れる山陽電鉄車との顔合わせも日常的に見られるようになり、近鉄奈良線ではやや小柄な阪神車が直通列車だけでなく、大阪難波発着の近鉄線内列車でも時折走るのが印象的でした。

車両の大きさが異なる近鉄車と阪神などの車両の顔合わせは凄まじいものがあり、停止位置なども近鉄車/阪神車それぞれのモノが設けられているのも印象的でしたが、阪神~近鉄直通車の停車する各駅では、次にやってくる電車の扉位置を○と△で表しているのも特徴です。

一部駅の時刻表では、どちらの電車かを示す説明書きなども見られたものの、一般客に対してどの車両が来るか分かりやすい様に大々的に「近鉄の車両です」などと言った案内(東京の地下鉄半蔵門線などに実例があります)は行われていない様に見受けられたもので、特に今回の相互直通運転では車両規格が大きく異なるだけに、この点は今後改善される事を願いたいと感じたものです。

また今回の阪神なんば線乗車では、関西の私鉄・バスが乗り放題となる「スルッとKANSAI 2dayチケット」を利用した事もあり、同線を乗り通すだけでなく、新規開業駅の一つである途中のドーム前駅で下車し、地下鉄へ乗り継ぎもしたのですが、この駅は阪神なんば線の新規開業駅の中でも特徴的な駅と言われているだけに、ホームから改札階へ上がる際などはそれなりのインパクトはあったと感じたものです。

 
ただ昨年開業し、やはり大阪市内を走る京阪中之島線の新駅(木材を用いた壁面や駅入口などが非常に印象的です)に比べると、駅全体のインパクトはやや薄いと感じたもので、今回の阪神なんば線開業に際して製造された阪神1000系(以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事がありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)も、京阪が中之島線用に製造した快速急行用の新車・3000系に比べると地味に感じたものです。

そのため今回の阪神なんば線開業では、阪神~近鉄直通のインパクトは非常に大きく、旧西大阪線の変貌振りにも驚かされた反面、阪神なんば線の新規開業区間にある駅や、開業に際して製造された車両に関しては…とMAKIKYUは感じたものでしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方で、既に阪神なんば線に乗車された方は如何感じられたものでしょうか?