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阪急7300系電車(リニューアル車両)~デザインや客室設備は大幅に刷新されたものの…

2009-04-17 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、嵐山線で走り始めたばかりの阪急6300系リニューアル車両に関して取り上げましたが、今春にMAKIKYUが関西へ出向いた際には、この車両以外に昨年京都線で走り始めた7300系リニューアル車両にも乗車する機会がありました。

7300系は1980年代に製造された京都線用車両で、3扉ロングシート車と言う事もあって普通・準急を中心に活躍しており、地下鉄堺筋線直通列車や特急など京都線系の各系統列車で幅広く活躍しています。

首都圏の一部大手私鉄であれば古参格に入ってしまう年代の車両ですが、物持ちの良い阪急だけあって、京都線でも1960年代製の車両がゴロゴロしている状況ですので、中堅格的存在と言えます。

ただ製造からそこそこの年数を経ていますので、最近はやや草臥れた印象を受ける様になっており、昨年7300系にも大幅なリニューアルを施した車両が登場しています。

今後も7300系はリニューアル工事施行車両が順次増加して行くものと思われますが、日頃首都圏に居るMAKIKYUは阪急電車の利用機会自体が限られる事もあり、先月ようやくその姿を目の当たりにして乗車したものです。

このリニューアル車両は車内の木目調化粧板が色調の濃いもの(ドア部分は更に濃い色)に改められて床材も取り替え、客窓の日よけが阪急ならでは…という印象のアルミ製鎧戸から一般的なタイプに改められ、客ドアがガラス部分が大きいものに改められてドアチャイムが追設されるなど、最近の阪急各形式リニューアル車で見られる特徴に加え、行先表示器が字幕式からフルカラーLEDに改められ、車内案内表示もLCDモニターが設置(他形式リニューアル車では、概ねLED文字スクロールの案内表示装置をドアからやや離れた位置に設置)されるなどの特徴が見られます。

また阪急のリニューアル車両は、前面貫通扉のガラス部分拡大や、行先表示部分の拡大などが行われた車両を多く見かけるものですが、7300系電車のリニューアル車両では前面形状自体が大きく変化しています。

この前面形状は新車に近い印象としているのですが、屋根形状が最新型9000系列の様な特徴的なものでない事もあり、同系列とは異なる印象を受けるもので、8000系列とも少々異なる面構えは、見慣れない事もあってか非常に奇妙に感じたものです。

またこの改造振りを見ると「私鉄の103系」などと称される首都圏某大手私鉄主力車両の修繕車両(この車両は首都圏私鉄にしては長寿の部類ですが、最近は修繕車両でも廃車が始まっています)を連想させられたもので、まだまだ7300系を使い続ける意志の表れとも感じたものです。

ただ車内設備や外観などは大幅に刷新されたとは言え、首都圏大手私鉄の同年代車両を更新する際によく行われている下回りの取替え(VVVF化)などは行われておらず、パンタグラフすら一般的なひし形のまま(大手私鉄の中には古参車両を含む通勤車両全車のパンタグラフを、シングルアーム式に取り換えた会社もある程ですが…)であるなど、大規模なリニューアルの割に走行系は…と感じた面もあるのが事実で、この状態のまま永く使い続けるのか、また今後リニューアルされる7300系も同仕様で出て来るのかも気になったものです。

写真は7300系リニューアル車の外観と車内の様子、ドア上に設置されたLCDモニターです。